続・gallery 2.0 (新しい画廊とは)
 Today's image index
 2010
 02/22 続 gallery2.0
gallery 2.0
コーチ免許更新
徒然
土偶展 
 新年
正月
 
現在のSAVOIR VIVRE
さて、 これからのgalleryはどうあったらいいいんだろうか・・・・・



そもそも、galleryとは何なのか・・・・。ウィキペディアによると、次のように書かれている。


ギャラリーの語は日本には英語から入った。ガレリアは本来イタリア語で「回廊」を意味する。フィレンツェでコジモ・デ・メディチが自らの邸宅の回廊を市民に開放し、その収蔵品を閲覧させたことから、貴族階級が絵画を知人らに見せる目的でもつ部屋を意味するようになり、これらの絵画室が公共化されるにつれ「美術館」と同義に使われるようになった。 



galleryが現在のようなスタイルになったのは、欧米では、資本主義が発達し始めた近代化以降と考えられる。それによって大衆社会も生まれ、市民社会も形成され、それら新しい階層に向けて準備された美術を享受する空間が今あるgalleryの始まりと思われる。



日本においては、欧米に追いつけ追い越せと始まった近代化が達成されたのは’80年代辺りであろうから、galleryという空間そのものも、そんなに厚い歴史をもっているわけではない。
Today's image index
2009
大晦日
 年の瀬
師走  
個展開催(陶彩)
  個展間近   
 個展準備 
 立冬 
秋なのか 
『砧の音が風にのる』
プチ同窓会 
オリンピック招致
 奥日光
 
Table完成  
 初秋
選挙
食あたり? 
 お盆
 徒然
夏祭り 
作るということ
 
アメリカンクラブ展示open
展覧会直前  
梅雨の晴れ間 
祝 W-Cup 出場!
アメリカンクラブDM 
忌野清志郎の詩  
SAVOIR VIVREの器
草彅報道
 花 見
(続)耳寄りなお話
耳寄りなお話
彼岸
湯飲み
確定申告の季節
「おくりびと」
別冊マーガレット
昼の月
アメリカンクラブ
正月明け
元旦
謹賀新年


三ツ星 file index
人間って素晴らしいと願うあなたに
大工牧野 恋するミトコンドリア?
大工牧野軍団 博士の愛した数式
中田の憤死 白川静
名  人 卒業おめでとう!
 「つわり」のこと 空間の偏り
最近笑ってないな~と気付いたあなたに
本屋の Ben-i  玉虫
大学受験面接 続・恋するミトコンドリア
新粉筒 奥日光
エピステーメ ペット
しゃがれ声 南伊豆
  結婚と人生を振り返る?   山本モナが好きだ
家族って何だろう・・・・ふと立ち止まるあなたに
猫がきらい 自分を引き受ける
朝のリレー 涙っていいな・・・
サッカー部復帰 悪魔のヘルパー
僕の町(沼間)
恋愛(性)を慈しむあなたに
十代の恋 チャングムの誓い
雨上がりの桜 荒井由美のリビドー(性)
季節の風に吹かれてみたいあなたに
物憂い秋 大犬のふぐり
平安からの風
耳掻き 吾輩は主婦である
秋は煙 東京が好きだ
曇天 立秋
つわり 夏の臭い
小津安二郎の世界 星に願いを
薫風
木の実 明日香村石舞台
腑に落ちない社会に気付いたあなたに
男女共同参画社会 暴力の根元について
伊豆(地域の空洞化) 「沼」はダサイ?
宗教について 最近の子はよく寝る
介護の問題 8月15日
サービス残業0法案
無力な政治に気付いたあなたに
柳沢発言 ロンドンの自爆テロ
イラク増兵 すねの傷
アートの力を信じたいあなたに
年賀状制作中の巻 邦画『GO』と「n個の性」
石原慎太郎とのこと 東京再開発
超資本主義の中の工芸誌 中国現代美術の動向
民芸館 「厨子三様」
chain saw
手探りのキッス 「お・ばんざい!」(死について)
ハマヤキ  CMのこと
My favorite things
万年筆 植木等
ダイソー のCD リフティング
タモリの名言 VW TYPE Ⅱ
  since 1999

(AXIS)
僕自身、工芸に携わるものなので、ここでは工芸に限定してgalleryを語ることにします。



今、僕の頭の中では、取り上げるべきテーマが次から次へと湧いて出て来ます。

ファインアートと工芸、galleryと流通市場、価格とアイデンティティー、工芸の価値と意味、高度資本主義下のgallery.etc・・・・・少し整理してみます。



’80年代、”ジャパン・アズ・ナンバーワン”と呼ばれるまでに発展した日本の資本主義社会は、更に高度な資本主義社会へと移行し、バブルの崩壊を経た後、一昨年のアメリカの金融危機の煽りを受け今に至っています。



そして、今あるgalleryという業態は、工芸に限定すれば、常設空間と企画展示空間と棲み分けて運営すると行ったフォーマット(定型)、あるいはプラットフォーム(基盤)が’80年代に出来上がったと見ていいと思います。尚かつ、この小さな業態は、’80年代までの所謂右肩上がりの日本社会のベクトルを前提に出来ています。



多くの経済学者が指摘するように、残念ながら僕らの国日本は、今後大きく経済成長することはなく、成熟した先進諸国と並んで低成長し続けると読むのが正しいように思えます。そして、ここに来て顕著になったグローバル化は、急激な変容を社会全体に迫っています。ここで取り上げるgalleryも例外ではありません。



加えて、ITを始めとするテクノロジーの発達と、それと連動するインターネットの普及はgalleryの置かれるマーケットも激変させました。そのことは、’80年代の感覚でgallery経営を続けることをとても難しくさせています。

(AXIS)
現在、galleryを運営するにあたって障害となっていることは何でしょうか・・・・



いろいろ考えられますが、大きく分けて僕らの外側(社会)で起きていることと、僕らの内側(マインド)で起きていることがあると思います。もちろん、これらは複雑に関連し合ってお互い変数のように関係し合っています。



外側の状況としては、景気が悪いといった経済の問題がまずあげられます。つづいて好景気が続いた’80年代以降のgalleryの増加。それから、日本社会の高度化がもたらした多種多様なアイテムの増殖とつづきます。つまり、工芸品をインテリアの一部と考えたとして、そのインテリアと対極にある所謂ファッション(エクステア)を始めとする商品(アイテム)の豊富さがあります。そして、gallery運営に限りませんが、一番のネックとなっている”地代”と”人件費”を含む所謂一般管理費が上げられます。



テクノロジーの変化は、僕らの感性をも大きく変えています。例えて言えば白黒TVで培われる感性と、カラーTVで培われる感性はまるで違います。これから3Dの時代がやってきますが、そこで喚起されるイメージは、おおよそ白黒TVが喚起するイメージとは次元が違うと思われます。そして、’80年代に時代が喚起した欲望と、現在喚起される欲望とはまるで質が違ってきています。
低成長経済・同業者の絶対数の増加・アイテムの絶対数の増加、そして管理費の高騰、そして、現在の僕らがもつ欲望、あるいはマインドと言ってもいいかも知れませんが、それらが、それぞれ関数となってgalleryの運営の変容を迫っています。



これらの難問に、一筋の光を指すような事例が、先日WBS(12ch系の経済ニュース)で取り上げられていました。その報道では、都市部とは比較にならないほど地代の安い地方に移転した古本屋さんが、その特典を生かして沢山の本を蔵書し、それをネットを使って販売するようにしたところ10倍以上の収益を上げるに至ったということです。



僕自身、先月だけで10冊以上の古本をネットで購入しました。10年前『書道全集Ⅰ 中国 殷・周・秦』とネット検索しても、まずこれらの古書をネットでヒットする書店はなかったと思います。でも、今では全く様子が違って「日本の古本屋」という組織が全国の古本屋さんを束ね、お互いにネットワークを張って収蔵している古書のデーターをWEBにアップしているので、僕が必要とするマイナーな古書を簡単に手に入れることが出来ます。
中原中也 file index
short essay
小林秀雄
盲目の秋
梅雨の晴れ間
春の予感
中也詩椀

工芸の現在
はじめに
マニュファクチャーと付加価値
伝統工芸産地の今
新たな流通の確立へ
生活スタイルを決める経済
理想の生活スタイル
退潮著しい伝統工芸
<消費>について
続<消費>について




Home index

もちろん、工芸品と古書は違います。紙媒体としての書籍のもつ手触りを好む人がいるように、工芸品は、その質感や手触り、そして手に持ったときの重さや大きさはとても重要なファクターです。でも、嘗てのように都心の一等地に店を構え、そこそこの人件費を払い、内部留保を確保しながら運営するほどgalleryは高収益な業態ではありません。



地代と人件費という管理費を抑え、今後益々少なくなるであろう優れた作り手を捜し当て、加えて多くの魅力ある工芸以外のアイテムを凌ぐ質を揃えるgalleryになるには、今まで通りであっていいはずがありません。



工芸にとって触覚に訴えることはとても重要です。なので、”shop”という現場は必要です。でも、ネットを効果的に併用すれば一等地である必要もありませんし、バーチャルなネット上のshopは、いくら”売場”を広げても実質タダ(webにデーターをアップするプロバイダー料金のみ)ということになります。こういった実情を有効に利用しようとする者が、様々な負荷を押さえて、これからのgalleryを運営することが出来ると言えるのではないでしょうか。



凋落を続ける百貨店にも同じ事が言えると思います。現品を展示する空間をもちつつネットショップを効果的に利用すること、これなしに、これからのshop運営は不可能ではないでしょうか。
 
様々なアイテムの増加で、相対的に少なくなってしまった全国に分散している工芸のニーズを掘り起こすには、ネットの効果的な利用なしにはとても難しいと思います。



質の高い魅力ある web site の構築による情報発信
(触覚の視覚化や文章化が鍵になりそうです)。これなしに工芸を扱うgalleryの存続は考えられません。



それからもう一つ、海外特に中国からの旅行客(富裕層)に対して準備することは必須になると思います。もし、都心の一等地に居を構えるgalleryがあるとすればなおさらです。これは、僕が昨年百貨店での展示で得た実体験として感じたことです。日本の工芸のレベルは、ここしばらく中国を始めとする新興国に追いつかれることはないと思います。でも、収益の少ない今のgalleryに、そんな余力が残っているのか・・・・ちょっと心許ないところです。



それでは、具体的に質の高い魅力ある web site とは・・・・・



・・・・・・・つづく
 page top