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10/27 <消費>について 変わった<消費>の構造
これからの工芸を考える上でとても重要なキーワードの一つに<消費社会>があります。

この消費社会がどのようなものなのか、これからの工芸を考える上で、ある程度の理解をしておかなければ危険です。

ちょっと難しい言い回しがあると思いますが、なるべく分かり易くお話ししたいと思います。

<経済的視点>

<消費社会>を経済に限定してに見ると、次のように言えます。

僕らの所得の収支を見た場合、生命を維持するのに使われる基本的支出(光熱費・家賃・食費等)を、それ以外の余剰支出(教育費・娯楽・遊行費等)が越えた社会を<消費社会>と呼べると思います。

<新たな流通の確立へ>のところでお話ししたように、日本では80年代に入り第三次産業の就業別人口比率が60%を越えました。それまで第一次・第二次産業に従事していた人々が、大量にサービス業・情報産業等へ流れたことになります。

何故にこの様な流動化があったのかは、複雑な要因がありますので単純には言えませんが、幾つかの大きな要因が考えられます。
工芸の現在
はじめに
マニュファクチャーと付加価値
伝統工芸産地の今
新たな流通の確立へ
生活スタイルを決める経済
理想の生活スタイル
退潮著しい伝統工芸
<消費>について
続<消費>について

(秋葉原  千代田区hpより)
70年代に入り、猛烈からビューティフルへ・・・また、♪気〜楽に行こ〜よ、俺たちは〜♪などと言ったコピーがメディアから流れ、高度成長が終わったことを暗に告げていました。

僕らのような団塊の世代は、文化の洗礼を受けた時が高度成長期ですから、周りのおとうさんおかあさんの働く風景は、<もの>から<もの>を生み出すとても分かり易い姿だったように思います。

<汗水たらして働く>という例えがぴったりの社会でした。

恐らくこれが僕ら団塊の世代が持つ労働の原イメージだと思います。
その一つは、第二次産業の発展が牽引した高度成長があげられます。次に、1971年のニクソンショックと第一次・第二次オイルショック(1973/1978年)が上げられるでしょう。

これを契機に日本は、エネルギーの効率化と環境への配慮を加えた高度な産業の効率化を強いられます。そして、驚異的な高度成長は停滞し、社会は新たな高度資本主義社会(消費社会)へと入っていきます。

70%近くの人々が第三次産業に従事しているということを、別の言い方をすると、平均的な日本人の支出のほぼ70%が、サービス業種や情報産業に費やされているということになります。

日本は、80年に入りこの様な経済構造を持つ消費社会へ変容したわけですが、90年代の半ばに至りバブルの崩壊があり、経済は更に冷え込みます。
 産業界は、これまで以上の合理化と効率化、そして付加価値の高い商品開発を余儀なくされ現在に至っています。


(目で見る電通の歴史より)
1954年(昭和29年)
新聞−飲食料品部門賞
株式会社 寿屋
(現・株式会社 サントリー)
商品名:トリスウ井スキー
『冬はホット』