真面目なんだか不真面目なんだか分からない。。。

Today's working の画像は結構頻繁に撮っている。なので直ぐアップすればいいのだが、そのまま出すのも芸がないよな〜っと、つい先延ばしになり結局更新が遅れてしまう。多少なりとも面白いと思ってもらえそうな記事を載せなければ.......................というプレッシャーもあるかも(結構、サービス精神旺盛です;;;)。

そこで意を決し、個展も近づいて来たことだし、多少芸のない画像でもアップすることにしました。

僕は、鎌倉彫出身なので、「刀痕」と呼ばれる、所謂鑿痕や、小刀の削り痕を美しいと教わりました。
そういった経緯で自分でも『工作の痕跡を表現として残す』というパフォーマンスを、正統な表現として位置づける鎌倉彫のDNAを最近「なかなか好いな〜」と思うようになりました。
それでも只の鑿痕や刀痕じゃダサイ鎌倉彫に転落してしまうので、もう25・6年前から「現代の」鑿痕や刀痕として、チェーンソウ痕や電気カンナの痕を表現として残している。

自分としては伝統の流れを受け継ぐ表現だと思っているが、業界の連中は理解できないと思う。案外、外人の方が日本的だといってくれて僕の意図を理解してくれたりする。
上の画像は、昨年僕の「落書き錫研きBAN」をSAVOIR VIVREの個展の際にご覧になった、麻布にお住まいのトーマスさんのご依頼に応えて制作したTable です。
サイズは90×90×6(cm)程です。

この作品も側面の一部がチェーンソウの表現となっていますし、そこを含めて気に入っていただいたようです。作者としては、本来端役である刀痕(チェーンソウ痕)を、敢えてそこを理解して気に入っていただいたことは喜びの極みでもあります。

まずい。。。時間がないのに、また刀痕という表現の本質とは何なのか......なんてテーマが頭を過ぎってきました。

(電気カンナによる刀痕=カンナ目)
実は、刀痕とは単に美的に美しいと言うだけではありません。工芸にとってとても重要な「使い勝手」という機能美も考えに入れています。

上の画像はお椀の底ですが、ここが一番摩耗する部分ですので当然傷もつきやすく神経質になるところです。でも、始めから「痕」を表現として施しておけば、あとあと傷も味へと変わり、さして神経質にならずに済みます。この点鎌倉彫は、従来の漆器とは随分違っているかなと思います。

最近、つくづく自分は鎌倉彫出身なんだな〜と思います。以前は、人前で自分が鎌倉彫出身であることを口に出しませんでした。マイナーでいわゆる下手物の類を出ない鎌倉彫は、漆芸界でも正当な評価を得られないと無意識に思っていたからでしょう。

ここへ来て、どうしてどうして鎌倉彫も捨てたもんじゃないぞ!と思えるようになりました。というより、まだまだ新しい表現として提案出来るものがたくさん作れそうな気がします。

さてさて、そろそろお時間な様です。次の更新は、個展会期中になりそうです。

ではでは。