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新たな流通の確立へ
80年代以前、日本の人口構成としてみた産業構成は、第一次産業を底辺としたピラミッド型でした。

しかし、超資本主義社会に至った現在の日本の社会では、その構成が全く逆転しています。
それを言っちゃ〜お終めーよ!
・・・なんですが、実は、第一次・第二次・第三次と次元が上がるほど利益率が上がる構造になっていると、科学的に証明されているようです。
今で言えば、「もの」を動かすより「こと」を動かした方が金になり易いということです。勿論、「こと」とは情報を指しています。
あっさり言うと、農業や林業はコンビニより儲からないということになります。
工芸の現在
はじめに
マニュファクチャーと付加価値
伝統工芸産地の今
新たな流通の確立へ
生活スタイルを決める経済
理想の生活スタイル
退潮著しい伝統工芸
<消費>について
続<消費>について
やっと、ここまで辿り着きました。
80年代悔しい思いをさせられた卸業ですが、現在、彼らに代わる商品のマネージメントをする業種が確立されていません。
と言うより、もしかすると、制作者自体が商品をマネージメントする時代になっているのかもしれません。
繰り返しますが、僕ら伝統工芸に携わる者は、限りなく第一次産業に近い第二次産業に入る訳ですが、その生産様式が、他の第二次産業のように機械化して量産体制を作ることが出来ません。

ということは、産地を含め、そこで制作するものは、より高い付加価値を付けたものへと、シフトしていかなければならないのは言うまでもありません。
そして、それ以上に重要なのが、90年代に解体してしまった物流に代わる、新たな流通機構の構築です。

実は、現在いわれる、工芸の低迷の元凶がここにあります。

僕らは、嘗ての卸売業・問屋を核に据えた物流に代わる、新たな流通機構を未だ構築できずにいます。
 中間マージンを摂るだけで、価格を吊り上げるだけの諸悪の根源のように言われた卸売業・問屋というシステムは、他方で商品のプレゼンテーションや消費者の新たなニーズをキャッチし、小売店へと橋渡しする役割(マネージメント)も担っていました。