(泥だんご.............ANDS理事長作)
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ドラマを見ても、映画を観ても先ず泣くことはない私目ですが、どうしてもこのドキュメントだけはダメです、目頭が熱くなって画面が霞みます。このドキュメントとは・・・・・2001年NHK作「光れ!泥だんご」であります。本日偶然NHKアーカイブスで再放送していたのを見ました。我が家は ケーブルTV なのでオンディマンドで見ることは出来ませんが、光回線の方はオンディマンドでご覧になれますので是非ご覧になって下さい。胸に熱いものが込み上げてくること請け合いです。

http://www.hikaritv.net/search/video/request/00/
video_detail/ispId%3D001%26crid%3Ddm9kL3p6enp6enp
6enpfMDBmbnUwZG04bA%3D%3D.html

..............NHK オンディマンド「光れ!泥だんご」



いえ、たわいもない話なのです。

保育園の園児に園庭の泥で泥だんご作りを伝授すると、園児達は無心に泥だんごを作り始めるのですが、園児達は、上の画像のようなどんなに立派な泥だんごを手渡しても、自分の未完成な泥だんごの方に愛着を持ち、愛おしく撫で回し続けます。大人の作った立派なダンゴには目もくれない・・・・それは何故なのか。。。僕は、子供達のこの姿勢に人間の「もの作り」の原点を見るのです。


泥だんご先生のHP(http://www.wa.commufa.jp/andsdoro/
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(『心的現象論序説』...........吉本隆明著)
30年前、作家の道を選んだとき、何故こんなにも憑かれたように自分はものを作ろうとしているのだろうか・・・・そして、人は何故ものを作るのか・・・・美しいものとは何んなんだろうか・・・・・四六時中美術のことばかりの自分だったので、そんな風な自分とは一体何者なんだろうか・・・・という問いがいつもありました。



考えてみたら、これは人間にとって永遠のテーマで、この課題を抱えながら僕らは今日まで来ています。
 若かった頃は、このテーマが重すぎて時に不安を惹起させましたが、その都度、美術書や哲学書を読みあさりました。でも、どれひとつ納得出来るものがなく、また他の専門書をあさるといった具合でしたが、その中でも現象学(特にメルロウ・ポンティ)には結構救われました。



でも何と言っても、当時も今も、美術に限らず人生一般の僕のバイブルとなっているのが、『心的現象論序説』です。もう赤線がびっしり引かれていたのですが、どこかで落としてしまいこれで二冊目です。難解といわれる吉本理論の中でも最も難解な書物かも知れませんが、若かった当時の僕には、超難解くらいの方が読み応えがあって信頼に足るものでした。

作:神奈川の天才少女(NAMIさん)
『ものを作る』 とは何なのか・・・・・



ここで『心的現象論序説』を解説する余裕はないので、とても乱暴に簡略化するとこうなります・・・・・・



人は、泥だんごを触りながら、撫でながら、その進展過程をを見ながら自分を確認するということ、つまり実存的に存在するということになります。泥だんごは、自己確認のためのひとつのメタファーです。そう、『ものを作る』 とは、人が存在することの異和を身体を通して整合性をもたせることそのものなのです。



人は泥だんごを握っているとき、強く自分を感じることが出来ます。それは丁度、人が手を合わせる時、右手で左手を通した自分を、そして左手で右手を通した自分を重層的に深く強く自己を感じることと同じです。人が、神や仏を前にして手を合わせて『祈る』のはそのためです。最も充実した自分を生理的に感じるからです。



ものを作るとは、自己確認、あるいは存在証明そのものなのです。そして、美とは個的な自己に閉じている状態から個を解き放ち、他者とものを通して感動を共有することです。
 

ピカピカに光る泥だんごを作ろうとする行為は、自己確認の段階から『美=(ピカピカに光る)』を通して他者を確認することへと繋がります。たかが泥だんごを作ることに僕らが感動するのは正にこのことです。
『心的現象論序説』の骨子となる概念が、「原生的疎外」と「純粋疎外」ですが、このグラフ美しいと思いませんか。。。この概念を説明するには三日三晩を必要になりそうなのでここでは止めますが、人が自分や世界を掴むには、大きな誤差を含む視覚や触覚をもつ身体を通すしかなく(原生的疎外)、それらを通して作る像(概念=純粋疎外)がこころを形作る・・・・となります。



結局、人は、存在そのものを寸分違わず掴むことは不可能(吉本さんが「疎外」という表現を使うのはそのためです)なのですが、でも人はその存在を確かめようと飽くなき行為をし続けます。



泥だんご・・・・・それは、人の有り様を映す鏡です。



高齢の吉本さんの健康がとても気になります。その吉本理論の素晴らしさを多くの皆さんに伝えたいのですが、残念ながら、それはとても難しいです。なるたけ分かり易く紹介できたらな~と願っております。



むちゃくちゃ地が出た更新でしたが、これに懲りずこれからも御贔屓に。



では、では。
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