連日メディアをを賑わしている嫌なニュースに、わざわざ、ここで触れる必要もない気もしますが、黙って見過ごすのも何やら厭世的で不健全な気がするので、仕方なく触れることにしました。

そう、ロンドンでの同時多発テロのことです。

勿論、テロの根本的原因は「貧困」です。

アフリカや中東と EU 及びアメリカ、そして、日本などの先進諸国との貧富の差は、もはや絶望的です。それに、南米が控えています。そして、そうした現実を作った張本人がEU 及びアメリカ各国の植民地主義であったことは周知の事実です。

タモリじゃありませんが「あいつら紳士を気取っているけど、やりたい放題だよな〜」と言いたくなります。

世界地図を開いてみると、アフリカは、まるで定規で引いたように国境線があります。
あれだけ多種な各民族が住んで生活を営んできたアフリカに、あんな国境はありえません。
そして、世界一平均寿命が短い国も、このアフリカに存在します。31歳という平均寿命を規定する所以は、皮肉なことに世界一ダイヤモンドを産出するためなのです。
・・・・・・何故?
そう、最も富んでいなければならない彼らの平均寿命が31歳という矛盾は、ダイヤモンドの仲買を一手に掌握する権利をヨーロッパのベルギーに奪われているためだからです。
そして、原石を彼らと取引をする際に、その所有権を巡って成人になる前に自国の内紛に巻き込まれて殺害されてしまうのです。

こういった様々な理不尽さと不条理を解消するために、彼らは宗教に耽溺します(加えて薬物にも.....)。
この世の不幸を説明するのに、最も分かりやすいからです。
なかでもイスラム原理主義は、もっとも過激です。
同じように、今アメリカのブッシュ政権を支えているキリスト教原理主義も、宗教の原則に、より忠実であろうとするが故に過激で硬直化しています。
結果的に、繰り返されるテロの原因が、僕らの眼には、宗教対立のような形に見えます。

僕ら日本人は、イスラムやキリスト教のような、唯一神をもっていません。だから、何故あんなふうに過激になるのか良く分からないのです。

逆に言うと、多くの日本人は、宗教に関して極々いい加減に生きてきましたし、今もいい加減です。

これは、いい面もありますが、悪い面もあります。

ただ、日本人の内面に存在してきた、そして、今でもひっそりと存在する「八百万の神」の原型は、例えば恵比寿・大黒様にしても、風神雷神にしても、元は皆悪儀の限りを尽くす悪党だったのです。
ある時は、暴風雨や雷で人々に災害をもたらし、そして、ある時は嵐で漁の邪魔をしたりで、どうしようもない「鼻つまみ者」だったのです。
大黒様にいたっては、もともとインドの神様、全てのものを破壊するシバ神の化身だった訳です。梵語でマカカラ(大きな黒いものの意味)といい神力強大で手の付けられない無法者でした。

この様な神様も、中国を介し日本に入ってくると、元々古来からあったプリミティブな宗教と同化し、江戸時代になると、庶民の間に大信仰が広まり、台所の神様から食物の神様、そして、今のような微笑ましい農耕神へと変化してきました。

上の図は、僕の大好きな大黒様の図で、江戸時代の絣に染められていたものを僕がアレンジしたものです。

当時は、乳児の死亡率が高く、子育ても容易ではなかったようで、人々は、とにかく子宝に恵まれることを望んでいたようです。

なかには、気を悪くする方もいらっしゃるので、先ず口外しませんが、実は、この図は、そういった庶民の願いを込めて創作された二股大根を女体と見立てて、大黒様がセックスをしているといった、何とも不謹慎?で微笑ましい図なのです。

ですから、大黒の本来の意味から遠く離れて安産祈願になっちゃってます。
変に日本の歴史を歪曲したり、都合のいいように捏造したりするのはケシカランのですが、良くも悪くも「普通でない者」を神として祭り上げ、その特殊な能力をプラスのエネルギーに変換する術が、日本の宗教観の基盤にあります。

福助などは、実際にいた、今で言ったなら「障害者」ですが、僕らの先輩は、彼らを神に近い者として積極的に認知してきました。

キリスト教の様な「原罪」ではなく、「業」といった仏教的発想を基盤にすえた善と悪の顛倒は、「人間」のキャパシティーを想像を超えて大きくします。

僕は、こういったいい加減な日本の宗教観を「いいな〜」と感じ、こよなく愛しています(腹の立つことも間々ありますが....)。

勿論、この逆もあります。先の大戦のように、天皇を生き神様として負のエネルギーに転用した不幸な歴史もあります。
現時点で、50人の方々がなくなるといったロンドンでのテロですが、この解決には、途方もなく時間が掛かるものと思われます。
それは、宗教に身を纏った貧困問題が、そこには横たわっているからです。

今回のサミットに合わせて催された、ミュージシャンによるアフリカ救済チャリティーも、ヨーロッパの一つの責任の取り方でもありますが、対症療法であることは否めません。

超資本主義の社会にいながら、富の不均衡を是正するといった矛盾した救済策を取らない限り、今回のようなテロは永久にこの地球上から無くなりません。

恐らく、何か商品を購入したら、そこには消費税のように、アフリカや中東、そしてアフガニスタンのような底なしの貧困を撲滅するための支援金が含まれるようなシステムを盛り込むといった、今迄にない奇抜ともいえる急進的な解決策を講じなければ駄目です。

勿論、その資金が一部の支配層にだけ行くことがないような監視機関もセットで。
明日は、我が身。
テロ組織の一部には、日本に向けた計画もあるようです。ターゲットは、浅草の浅草寺や新幹線だと言われています(活動家の拠点からビデオが押収されました)。

こういった現実に対応しながら、極端な経済格差をなくす方向を具体的に模索しなくてはなりません。

環境問題の意味合いに「貧困」が含まれたことを今回のロンドンでのテロが暗示しています。詰まり、精神的環境の整備です。
 毎日の安心できる生活が確保される方向に世界が向かうなら、多少の経済的負荷が掛かったとしても安いもんです。

テロの本質は、メッセージです。G8各国は、新たに貧困をなくすための「京都議定書」のような提案をしなければ駄目です。それも、緊急に!
それが、絶望という不幸から彼らテロ集団を解放する強いメッセージになります。

合掌。