『草食系男子』というフレーズがあるそうな・・・・・。



結婚しない日本人男性が増えている。07年の人口動態統計によると、日本人の婚姻率は長期低落傾向にあり、現在の30代後半男性の4人に1人が、20代後半の男性にいたっては3人に1人が、一生独身となることが予測されている。
. なぜ、男たちは結婚しなくなったのか。通説では、不況や非正規雇用など男性の経済力の低下がその原因として取り上げられているが、もう一つその背景には、男性の恋愛や結婚に対する考え方の変化があるのではないかと
・・・・。


. 近著「草食系男子の恋愛学」の中で大阪府立大学の森岡正博教授は、肉食動物のように女性を求めて積極的に動くのではなく、女性とゆっくりと関係を深めていきたい男性を「草食系」と呼び、そうした男性が日本人の間で増えていると指摘している。......................(インターネット・ラジオ『マル激トーク・オン・ディマンド 』より)





人生の転機を振り返って、その節目節目に僕を無条件にサポートしてくれたのは概ね女性だった・・・・・。



僕は、どういった経緯からそうなったのかは覚えていませんが、タモリ先生と同じく幼稚園には行っていません。なので、初めての集団生活は、小学校から始まりました。早生まれということもあって、入学当初、右も左も分からず右往左往........。
 そんな僕を見かねてか、やたら元気のよかったいじめっ子や、いまひとつ理解のできない先生の指示にフリーズしかけている僕をサポートしてくれたのは、確か浜野さん?という名のたくましい普通の女の子。



今振り返ると、そういった女の子に対して僕のとった態度は、完全な「草食系」でした。当然ヘゲモニーは、浜野さんがもっていたので、放課後も金魚の糞のように、彼女の勧める遊びやお気に入りの場所に案内されて、いそいそと付いて行ったのであります。



ある日、彼女の家が、学校から直ぐのところで文房具屋さんをやっていたので、いつもの様に僕は、彼女の後を付いて行きました・・・・。
 当時の店はというと、葦張りで道路の一部を占有するように、木製の台の上に鉛筆やら消しゴムが雑多に並べられていて、その脇を通って奥に入ってゆくといった風でした。
 奥の畳張りの座敷には、彼女のお婆さんが近所の婆さんと、のんびりお茶を飲んでいて、僕ら二人を見ると開口一番「マセタ娘だね〜」とお冷やかし。



僕はというと、「マセタ」の意味は分からないものの、婆さんたちの下卑た笑みで何となくニュアンスは分かり赤面していましたが、彼女はというと、どこ吹く風。「ふんっ」といった風に軽く流していました。当然、僕は彼女の後を下郎の様にお供したのは言うまでもありません。。。



一年後、僕は、あまり成長も見られず相変わらずでしたが、クラス替えもあり浜野親分とはクラスが変わってしまいましたが、新しいサポート役の級長山崎さん?に、これまたお世話になりました(宿題や忘れ物が主でした;;;)。世話になりっぱなしかよーっと、突っ込まれそうですが、そうでもなく、いろいろおどけてみたり、転けてみたりと、僕なりに恩は返していたような・・・・・。


そんな経緯もあって「草食系男子」のニュアンスは、よく理解できるのであります。



とはいうものの、違う意味で早熟だった僕は、意中の娘には「野獣系男子」の要素も併せ持っていて、悪友とともにスカートめくりもやっていました。。
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早熟だったとはいえ、生理的発達は割合遅く、小学生の高学年の頃は、意中の彼女(遠山 容子ちゃん)はいたものの、普段の会話は「草食系」で、他愛もないTVや芸能関係の話を気さくに楽しく話せていたように思います。



・・・・・・時を経て、15年後に結婚と相成るわけですが、その決断の真意は、当時、寝ても覚めても「美術」しかない自分で、大小の展覧会でも入選・受賞を繰り返していて、それこそ生き馬の目を抜く勢いでしたが、ふとした瞬間に「こんな貧しい毎日でいいんだろうか・・・・」「人生は、美術だけじゃないんじゃ・・・・・」

このまま行ったら、きっと何処かでコケルに違いない。。。今の自分を無意識に規定しているのは「男たるもの、意志力で一角の人間に成るべし」といった力みで、ここは「女性的なるもの」を自分に取り込まないと豊かな人生が開かれないのでは・・・・・といった疑念が湧いていました。



端からは、順風満帆に見えていたかも知れませんが、僕の内実は、貧しい鎌倉彫の現実と、それへのアプローチの選択肢の少なさから、漠とした不安そのもので満たされていました....................



それでも、雨が降ろうが槍が降ろうが、毎日欠かさず昼の休みには、近くの寺へスケッチに出掛けていましたが、そんなある日、「何とかしなければ」と、ピーンと張り詰めて必死に仕事(彫刻)を続けていた時、ふと見るともなく隣の塗り部屋を目をやると・・・・仕事中にもかかわらずコックリコックリと居眠りこいているけしからん輩がいる。おまけに30cmもあろうヨダレを垂らして;;;



「なんじゃこりゃ!?」と思うと同時に、ガーンと頭を金槌で殴られたような衝撃。マジ、美術を屁とも思ってない奴がいるぜ。。。参ったなこりゃ;;;





(鎌倉彫修行当時.............同僚と江ノ島にて)




恋愛とは、森岡教授が言うように、ある意味宗教的出来事なので、何故に”恋に落ちる”のか実に不可解です。でも、「草食系男子」が増えているということは、世の中だんだん赤い糸?に結ばれることなく、姜尚中教授の仰るように「狂おしい様な恋」に落ちることもなく、まるで事故に会うかのような「誤解の了解」故に成り立つ”恋”は少なくなってゆくのかも知れません。それはそれで寂しい様な。。



恋愛とは、確かに誤解で、僕自身振り返ってみると・・・・・、女性的なるものを獲得せんとして、ヨダレ・・・じゃなくて、かみさんと結婚したものの、一つの事実に気付きます。それは、男より女の方がたくましい、つまり男っぽいという事実です。



男はたくましくなければ・・・・、男は女を守ってやらなければ・・・・、男子たるもの女子を養わなければ・・・・。男子たるもの・・・・・・これは、現実社会の男に、そういったジェンダー(社会的性別)を担わせざるを得なかったための刷り込みで、実際のところ「一姫二太郎」と昔の人は言い伝えていたことを見れば、女の方が男よりも強いことは、昔から良く分かっていたと思えます。女の子は、男の子のような母親との分離不安もなく、免疫力等の基礎体力もあるので、未熟な若いお母さんが、最初に育てるなら、育て易い女の子が適当だ・・・・ということが真意です。



「男の本質は、女になること、そして、女の本質は、狂人になること・・・・・」と言ったのはフランスの哲学者ですが、正しく当を得ています。


そうはいっても、生理としての男女はあるので「性」の問題はそれなりに厄介でもあります。



「草食系男子の恋愛学」の著者でもある森岡正博教授も仰っていましたが、ある時期「男性的なる性」を汚らしく思った・・・・・ということが、僕にも思春期の初めにありました。精通という、女の子の初潮にあたる事態が男の子にはあります。これは、ある日何の前触れもなくやって来ます。


「お前さ・・・・そのとき、かばかばになった?」と冗談や猥談を話せる奴がいれば案外救われます。幸運にも、僕にはそういった輩が近くにいたので結構救われました(かばかば・・・・とは、夢精のことで、”それは”主成分が、タンパク質で出来ているので翌朝、体温で乾いて糊付けの様にパンツが、かばかばになるのでした;;;)。



けれども、一方で、そういった事態が妙に汚らしく思えて、どこかで浄化したい欲求に強く駆られます。それが、「高校には行かず、牧師になる!」と親を泣かせた訳だったようです;;;



えっと、何で、こんな話になったんでしたっけ・・・・・・


そうそう、「草食系男子」でした。そうなんです、女性と話すとき、この「草食系男子」モードで話せると、どうでもいい下っだらないことでも、何ともふくよかで豊かな時間が共有できるのです。これは、先回お話に出た、タモリと赤塚不二夫との関係に近いものがあるかも知れません。天才は、バーチャルな”性差”を瞬時に作り上げてしまう能力をもっているのでしょう。

(沼間公民館...........pm 3:09)
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結局、「草食系男子」とは、生理としての男からも、社会的役割としての性差(ジェンダー)からも距離をとれる感性を持ち合わせている男子のことで、それ故ニュートラルな感性で、”女子の言葉”を翻訳し理解できる・・・・という意味になりそうです。これは宮台真司が言うように、普通の男にとっては、けっこうステージが高いありようにも思えます。





さて、過ぎ行く夏を惜しむ今頃の季節は、遠く離れゆく恋人を見送るような何とも切ないものです。

そして、少しだけ充電できたような・・・・けれども、何かをやり残したような・・・・そんな心持を残して今年の夏も去ってゆきます................。(8月31日)