(「落書き錫研きBan」)
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★★三ツ星 file
01/06  3 page up.

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長ら〜くお待たせしました。

皆さま、お元気でしたでしょうか。

一昨日、松屋銀座 特選和食器コーナーでの展示会を終えました。この不安定な日本の景気動向をよそに「この時期ありえね〜?!」というくらい売れちゃいました;;;今回お誘いいただいた山田節子さんが驚かれたように、60点を超える出品数は自己最高かも知れない;;;これも、我が息子曜介のサポートがあったからこそ。感謝!

何よりも嬉しかったのは、男女を問わず、明らかに20代と思われる若い青年が、「落書きBan」や「はーと落書き椀」を目を凝らして覗き込むシーンに数多く出会えたことです。
 「僕の感性も、未だ枯れてないな。。。」と新たな制作意欲が、沸々と湧いてきたのであります...................

(銀座海外ブランドのビル)
昨年、銀座にひしめく数あるデパートの中で、松屋銀座は三越を抜き売上トップに躍り出たという。

山田さんには「三越と伊勢丹が提携し松屋に攻め入ろうとする4月、インパクトのある提案をさせていただくことができ 嬉しく思っております。」とお褒めの言葉を頂きホッとしております。

それにしても、松屋の周りは海外ブランドのビルが軒並みだ。中央通りを挟んだ真ん前はシャネル、隣はカルティエ、そして、松屋一階はヴィトンが日本一の品数を誇っている。実は、そのまた隣にも有名らしき(わしゃ覚えられん;;;)海外ブランドのビルが寄りかかるように並んでいるのだ。

どことなく不安定な日本経済だが、ブランド品を買いあさる手合いは、街に溢れている(最近、こういった事態をあまり神経質に感じなくなった)。そして、依然として銀座商戦は熱い。


今回、いくつかの発見があった。中でも大きかったのは、今まで個展とは、いわゆる「ハレ」としての行事なので、外部と隔絶した特殊な空間の演出が必要だし、また人は、それを望んでいると理解していた。確かに今でもそういった感触はある。しかし、工芸品を買い求める人々の生活様式、あるいは消費意識は、僕が六本木(SAVOIR VIVRE)を中心に個展を展開した25・6年前とは大分様子が違ってきている。

その証拠に、7Fの画廊は、人がまばらで閑古鳥が鳴いていた。百貨店の外商が動いて巨匠の作品を売りまくる時代は、もうとっくに過去のものになったのだろう。そして、芸能界のスターという概念が消えたように、少ない巨匠で工芸界を回すといった時代も過去のものになったのだろう・・・・・。

(銀座二丁目)
「口紅を買いに・・・・」とか「眼鏡屋さんに・・・・」といった、いわば目的地に着く道程でばったり作品に出会ってしまった。。。ほんと「しまった;;」といったお客様も多かった。つまり、漆器を買いに来たわけではないのに、つい作品を気に入って買ってしまった♪というお客様に何人も出会った。

これは、一体どういったことなんだろう・・・・と、当初戸惑ったが、二週間近く現場にいると何となくマーッケットに今何が起きつつあるのか、あるいは何が起きているのか分かるような気がしてくる。

いつものことだが、デパートでの展示は、ただただ売上の数字を追いかけているだけのようで空しく感じていた(山田さんからの、たっての依頼がなければ、絶対に引き受けないと思う)。galleryの場合、お出で頂いたお客様と、お茶を頂きながら、取り留めもなくお話しするのは、明らかに至福の時を刻めるのだ。それは、始めから作品を鑑賞する目的のためにわざわざ足を運び、時には実際お金を出して買うといった消費という楽しみを併せ持つ事から来るのだろう。

でも、世の中そんな時間的余裕がある人ばかりで回っている訳ではないのだ。

僕がよく引用する吉本隆明さんの説で「その時代の時間意識(生活するテンポ)は、その時代の基幹産業が規定する」というくだりがある。この社会の中で、最も先進的に動いている人達は、その社会の基幹産業が動き回転するスピードを自分の自然な時間感覚として刷り込むということだ。こういった良い意味で時代をリードする人々は、galleryでゆったりと和菓子をいただきながらお茶を啜る暇などないのだ。
でも、いいものに出会いたいのは同じ。いや、誰よりも強いかも知れない。。。だとすると、その人のテリトリーでいいものに出会えることを願いつつ、時代の中で疾走していることになる。こういった人々に作家が応えず、閉じた画廊空間でお茶を啜ってりゃいいってもんじゃないのだろう。

実際、明日は京都、明後日は小倉と飛び回ってビジネスをこなしているジュウェリストの方から金婚式のプレゼント用の依頼を受けた。こういった例が典型だろう。こういった方々を無視しているようじゃ、今を生きている作家とは言えない。反省。

そして、忘れてならないのは、百貨店の店員のプロに出会えたことだ。これは、僕にとってもの凄く大きかった(Nさんありがとうございます♪)。その方は、契約社員であるにもかかわらず、多分毎朝出社前に「本日の課題」を唱えつつ現場に出るといった風でした。接客はもちろん、予約した別の作家の作品を受け取りに来た方々にも、僕の作品を嫌みなくすすめ実際売っちゃいました♪そして、みなさん喜んでお帰りになったご様子です。

(松屋銀座 特選和食器コーナー pm 1:55)
彼女にも「詐欺に近い程、売るの上手いですね〜」と伝えたこともあったほどのプロ中のプロだった(こんな優秀な方を、百貨店は、何故正社員に登用しないんだろう??)。

実は今回DMを一通も出していないのだ(叔父の知り合いに挨拶代わりに出した1通のみ)。詰まり、今回お買い上げになった方々は、すべて松屋さんのファンの方々と言うことになる。これはこれで凄いことだ。
 そして、いつものように応援に来てくれた(DMも出してないのに、わざわざHPをチェックして......)皆勤賞のRさんにも深く感謝します。
そして、何よりこういった生きた現場を提供して下さった山田さんにも感謝です。

(古文字「金婚式」)
さてさて、季節の巡りは早いもので、桜も過ぎ山肌は、僕の好きなパステルカラーにフェードインし始めている。今年は、いろいろあって桜を観る余裕は、からっきしなかった;;;

息子曜介のサポートを受け、松屋銀座の展示会も大好評の内に幕を降ろすことができた。
新しい展開が待っている。体を鍛えよう!無理しないように。。。

だいぶ更新が遅れて申し訳ございません;;;またチェックして下さいね。

ではでは。