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日本人って、こんなにアート好きだったっけ・・・・

思いの外、この企画(瀬戸内国際芸術祭)に訪れる人々が多いのに驚く。



直島全体が、アートシーンに設定されているので、どこへ行っても観光客に出会うし、各美術館やイベント会場には、整理券がないと先ず入れない。なので、いくつかのイベント会場はパスした。観光客の年齢層は、若い世代がやや多いものの、シルバー世代も目立つ。こんな片田舎?でのイベントにもかかわらずこの集客は、先ずは成功なんじゃないだろうか。地方は、地方なりに頑張っている。。








































































モダンアートは、都市の美術といったイメージを漠然ともっていたが、瀬戸内の自然の中に、その美術館と作品群は違和感なく収まっている。翻って考えてみると、もはや日本は、近代化(モダン)を遂げ、ポストモダンも過ぎ新しい時代に入っているのだろう。経済も社会も、タタラを踏む様にスムースに行かないのも、明らかに新たな時代に向けたシステム変容が遅れているため。






















もうちょっと沢山の作品を観たかったな~・・・・・と、最終便のフェリーに乗り宇野港へ。皆が走るので、殺気を感じ僕らも走る。

正解!

JR宇野線は、僕ら都会に暮らす輩にはびっくりするほど本数が少ない;;



車窓からの風景を眺めながら、ぼんやりと。。電車での移動は格別だ。
最終日、久し振りの大原美術館へ・・・・・のはずが、あいにくの月曜日だったことに気付き、急遽かみさんの旧友のご主人の奨めで瀬戸大橋を電車で渡ることにした。目指すは丸亀。



確か「かたち」主幹の笹山氏は、名門丸亀高校出身だったはず・・・・。大分慣れた本数の少ないローカル線で倉敷の宿・倉敷アイビースクエアから丸亀へ。


丸亀駅前には、猪熊弦一郎現代美術館があったが、残念ながら月曜休館。然したる名所もなさそうなので昼時でもあり讃岐うどんでも・・・・と駅前のアーケードをぶらついたが、月曜定休なのか広い通路に向かい合う店はみなシャッターが下りている。。不安になって通りすがりの地の人に聞いてみた..........「今日はお店は定休日ですか?」


「いえ、いつもこんな感じです。。」

「?”””・・・・」 「うどん屋さんを探しているんですけど、お薦めのお店はありますか?」

「そうですね・・みな郊外に移っちゃったから・・・」

「・・・・・?”””」












ホ・ホントだったんだ;;地域が疲弊しているっていうのは。。



僕の住む町「東逗子」駅前より酷いシャッター通りだ;;



みんな、どこへ行ってしまったんだろう...............



でも一軒、旨いいうどん屋さんを見つけ、この陽気(35℃)の中鍋焼きうどんを食った。

びっくりするほど安くて旨い。値段を高く設定したら誰も来ないからだろう

丸亀城






































(何で、ここまで来て葛餅買うか..................かみさんです;;)
 
最終日に、日本の現状を見せつけられてちょっと凹んだ。早く業態を乗り換えて産業構造改革を急がなければ、日本は大変なことになるのだが。。



広島原爆ドームを訪れることが眼目だった今回の旅行。過去と現在がどう繋がっているのか、ドームとシャッター通りが、それぞれ隠喩となって僕の胸に落ちた。
 とにかく闇雲に戦後復興することに邁進し続け、命を削って経済成長を遂げたところでバブルが弾け、会社も地域も家族も空洞化した。やはり経済成長そのものが理念であっちゃならないのだろう。

経済の先に何を睨んでいるのか・・・・それがとても重要だ。経済が低迷しても、そこそこ楽しく幸せに生きて行ける自信は、恐らく今の日本人にはないだろう。今年中に中国に「世界第二の経済大国」という金看板を譲るとしても、世界に冠たる経済大国には変わりがない。でも、ほとんどの人は幸せを実感していない。



























原爆ドームを見ることで、「今」を実寸大に見ることに少しだけ近付くのではないか・・・・・という目論見は外れていなかったと思う。その意味で何か、もの凄く大切なものを見落としてきた負い目が多少消えた。そして、改めて近代史・現代史を深く知らなければ日本は危ないな~と実感した。



加えて、僕自身の問題として、日本の伝統文化(工芸)をどの様な姿で後世に伝えるのがいいのか、また、それが可能なのか、社会の実相を踏まえた上で探っていかなければならないと思う。



普段は殆ど意識に登ってこない過去が、現在を読み解く上で実はとても重要な鍵を握っていることは多い。瀬戸内は、日本の神々が、あちらこちらに潜んでいるのが、僅かに残る霊感で感受できる場所。僕らの古層に繋がることが出来る希有なスポットでもある。



ぼんやりと、過去が切れかかっている不安をもった人に、瀬戸内は、切れかかった糸を自然に繋げてくれる優しさがあるような気がする。二十年前の松山での個展が、まるで龍宮での出来事のように思い出されるが、瀬戸内は、そんな夢のような出来事を現実にする不思議な場所です。いろいろな意味でいい旅でした。


おしまい



神無月
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