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”目から鱗”が、これ程随所にちりばめられた本に出会ったことは、今までなかった。




僕がほぼ毎日チェックし、繰り返し聴いているインターネットラジオ
がある。今日本で最も信頼するに足るビデオジャーナリスト神保哲生氏が運営する有料報道番組だ。恐らくちょっと質いい政治家やジャーナリストならばチェックしているネット配信のニュース番組だと思う。



この番組は、今まで世の中に知られることなく、内実を持って社会貢献してきている優秀な人材をマスコミに先立ち紹介し続けているが、最近は、マスコミもこれに気付き、この神保哲生氏を民放TBSのニュース探求ラジオ「Dig」の火曜日のパーソナリティーに抜擢した。
 


そして、先々週8/17の火曜日に、日本近現代史・東京大学教授 加藤陽子氏をゲストで招き「何故、日本は、無謀にも勝ち目のない太平洋戦争に突っ込んだのか・・・」を『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という名著をテキストに、盆と終戦記念日にも近かったことから先の太平洋戦争の”遺したこと”を振り返った。
 この番組は、オンディマンドでUSTREAM でご覧になれます。 ↓ ↓ 加藤教授の出演は、34分過ぎ位からです。是非試聴してみて下さい。もの凄く面白いですし参考になります。
http://www.ustream.tv/recorded/8981615

(ご近所 pm 6:42)
そして今週、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』が今年度の小林秀雄賞を受賞した。



この本は、神奈川県の名門校栄光学園「歴史研究部」中一~高二までの部員20名を前にして講義した、質疑応答を交えたスタイルをとっている。詳しくは、この名著を繙いて欲しいが、僕が一番強く衝撃を受けた箇所は、第二次大戦時のドイツと日本の捕虜に対する対応の差だった。


何と、ドイツ軍の捕虜となったアメリカ兵の死亡率は1.2% 。ところが、日本軍の捕虜となったアメリカ兵の死亡率は37.3%にのぼり、捕虜の扱いのひどさは突出していた。
 これは自国の軍人さえ大切にしない日本軍の性格が、そのまま捕虜の虐待につながったわけだが、勿論、軍人だけではなく日本人一般にたいしても同じ様な対応をしていたということが分かっている。



当時の資料によると、敗戦間近の頃の日本の国民の摂取カロリーは、1933年時点の六割に落ちていた。それにくらべてドイツは、日本にもまして国土が破壊されたにもかかわらず、1945年3月、降伏する二ヶ月前までのエネルギー消費量は、なんと1933年の一、二割り増しで、むしろ戦前よりよかったことが分かっている。
悲しいことに、1944年から敗戦までの一年半の間に、戦死者の九割を出して、そしてその九割の戦死者は、日本から遙か離れた戦場で亡くなった。日本という国は、こうして死んでいった兵士の家族に、彼がどこでいつ死んだのか教えることのできなかった国でした・・・と加藤氏は述べています。



そして、折口信夫の言葉を用いて次のように言っています。

故郷・家郷を離れて非業の死を遂げた者の魂は、鎮まるべき条件を欠く、戦によって亡くなった者の魂は、後世にたたりをなす御霊となる



戦後、ここまで日本が経済復興しても、隣国アジアや欧米からリスペクトされないのは、今もって年間三万数千人の自殺者が出るにもかかわらず、何ら有効な手を打たない、戦前とほとんど変わらない国民を大切にしない国日本という体質にあるのではないでしょうか。これが、今もって国連の常任理事国に推されない理由でもあります。自国民の命を大切に扱わない国が、どうして他国民の命を大切にするのでしょうか・・・・・ということになります。
まるで自虐史観そのものといった感じですが、事実なのですから仕方がありません。僕らは、気の遠くなるような時間が掛かるかも知れませんが、こうした事実を一ずつ片付けていくことからしか未来はないと思います。



今、米軍普天間飛行場の移設案で、1本の「I字案」と2本の「V字案」かで辺野古の代替施設案を日米間で協議しています。少し前まで、全面グワムへの移転との案もありましたが、このグアムには、いまだに多くの日本兵の戦死者の屍が放置したままです。派兵された兵士が20810名で、そのうち戦死者が18560名との記録がありますから、ほぼ玉砕でした。その地に観光へ行くことはあっても、遺骨の収集に行くことがないのが僕ら日本人です。なんだか、暗澹たる気持ちになります。
いま日本は、いろいろなことが上手く回らなくなっています。戦後、日本人がよすがとしてきた経済も停滞し、よってたつ術を失って浮遊している感じです。そして、オウム返しのように景気だ景気だとマスコミも政治家も騒いでいます。勿論、豊かに越したことはありませんが、だからといって今後4%・5%の成長率は望めません。もう、そろそろ日本は、低成長でも幸せに感じられる社会に変容してゆくべきだと思うのですが・・・・・。



先ずは、教育とセーフティーネットの充実でしょうか。加藤陽子さんのような、優れた歴史家に多くの若者達も学び、氏の言うように、若者達を大切にする社会に日本は、構造転換するべきです。子供手当や高校の授業料無償化を”ばらまき”と吹聴するマスコミや野党は、EUの社会を正視すべきです。日本とは比べものにならない豊かな手当が、未来を担う子供や若者に当てられています。
   
名著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、ずっと喉の奥に引っかかった魚の骨のように先の戦争の総括のない日本の現状は、どこか間違っているという感覚が、決して間違いではなかったことを再確認させてくれました。そして、その総括なくして日本の未来はないことも、この本は教えてくれています。



人間が生きて行く上で最も大切なものは何なのか、それを『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という一冊の書物が示しています。『龍馬伝』にはまっている僕としては、維新で散った多くの志士の死を百年後に無駄にしては、本も子もない訳で、今の日本の状況では、命を賭して列強の脅威から日本を守った魂が浮かばれないと悔しい思いです。



これからの日本を描く上で、避けて通れない史実が『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』には示されています。辛くてきついけれども、僕らはこの史実をしっかり引き受けて未来を構想しなければならないと強く感じます。



かたい内容に終始しましたが、このところまったりとした話題に終始してきた反省から、今回の話題は、新たな気分で仕切り直して、また充実したコラムを書き続けようと気分一新できました。



『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』・・・・久し振りに出会えた名著です。
 
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