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『つわりの大工』・・・・・何のこっちゃ?

久しぶりの登場、敬愛する大工牧野さんの若い頃のお話です。。。

彼の奥さんが子供を授かり暫く経ったある日つわりをもった.............

奥さんのつわりは本物で、かなり重いものだったようだ。そして、つわってる?その横で、まるで共振するように牧野さんもひどくつわったという。。。(愛ですね〜♪)

そういえば、僕のかみさんが妊娠したとき、一人目の長男曜介の時は、初産だったこともあったのか、無我夢中で殆ど気付かないうちにその時期を過ぎていた。二人目の次男耕介の時、それらしいものがあり、こっちもつられて気持ち悪くなったことを覚えている。なので牧野さんのことは笑えない;;(愛です......かね?)
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実は、このところ『心とは何か』(弓立社 著者:吉本隆明)をじっくり読み返している。吉本さんが、この著作を書くにあたって、大きな動機となった書物との出会いがあったそうだ。それは、『胎児の世界』という解剖学者・三木 成夫氏の著作だ。

この著作だが、一般的に「心は、どこにありますか?」という問いに、ある人は、胸に手を当てたり、或いは物事を考える源である脳にその所存を思い浮かべる。しかし、三木 成夫氏によると、「こころ」とは、内蔵の動きによって生み出され彩られているという。

好きな娘を前にして赤面したり、胸がドキドキしたりするのも、こころが内蔵系に強く関与している証ということになる(緊張のあまり下痢をするといった色気のない癖もこれにあたる;;)。

因みに、三木氏も指摘しているように「心」という漢字は、心臓の象形文字から来ています。

(殷墟文字・・・・『心』)
肝が据わるとか、腹黒い、腸が煮え返る、そして断腸の思い・・・なども、内蔵がひとのこころと深く関わっていることを表す象徴的なフレーズだ。

この「こころ」を生涯にわたって規定する条件が、受胎した胎児と母親との関係の質だという(無論、母子の関係を規定するのは、母子を取り巻く社会的・経済的・精神的環境であることは言うまでもない)。

そして、この心の所在が、内蔵系にあるとする見解とならんで「目から鱗」という内容が「つわり」の構造を述べた箇所にある。

(『胎児の世界』 三木 成夫著 中公新書)



(胎児の顔:受胎32日目)
人間の胎児が、受胎32日目から一週間のあいだに水棲段階から陸棲段階へと変身をとげ、そのあたりで母親はつわりになったり、流産しそうになったり、そんなたいへん劇的な状態を体験します。(「三木 成夫について」吉本隆明)

人は、十月十日で、生物の原生生物から今日の人類までの30億年ほどの進化の経緯をすべて刷り込み、母なる海と同じ環境の母胎から産み出される。

上の図は、三木 成夫さんご自身のスケッチで、受胎32日目のアズキ大の胎児で、生物の進化過程のエラと原始肺が共存するデポン紀初期にあたり、厳しさを増す海での生息から、まったく経験のない陸への生息を余儀なくされた古代魚類の時期に相当するとあります。

ちょうど水棲から陸棲へ、当然エラから肺呼吸へ、そして、食性も海から陸へと激変した時期に重なります。食べたこともない食物?を口に入れては吐き、入れては吐きを繰り返しつつ、厳しい環境に適応するため七転八倒していただろうことが推測できます。

(胎児の顔:受胎34日目)
上の画像は、その2日後受胎34日目で、鼻窩が外鼻孔と口に分かれ、鼻がすぐ口に抜ける両生類の面影がみえます。補足ですが、三木氏によると、ここに発生学的な兎唇(みつくち)の始まりがあることを指摘しています。

(胎児の顔:受胎36日目)

「胎児の世界」(中公新書より)
やがて胎児は、36日目に移り、その相貌は原始爬虫類と重なり、ちょうど3億年前に古代緑地へ上陸を完了したころか。。。

(羊水と古代海水・・・・『胎児の世界』より)
因みに、ネットで「悪阻(つわり)」を検索しましたが、この様に深い解説はどこにも見られませんでした。三木 成夫氏は、知る人ぞ知る、その世界では凄い方なのですが、ちょうど思想界の巨人・吉本隆明・・・・と言った具合に、その凄さが常人を超えているのでマイナーな世界に追いやられているのかも知れません。

さて、『胎児の世界』(三木 成夫著)ですが、あまりにも深く常識を超えた著作なので、すべてを紹介したくなりますが、スペースが足りません。興味をお持ちになった方は是非お読みになっていただきたいと思います。生涯にわたる名著5冊の中に必ず入れたくなること請け合いです。

ことしもはや五月。ちょっと例年になく雨が多いような・・・・。そんな天候に沿うように、僕のまわりも少しだけ変化がみられます。。。

(五月の五霊神社・大銀杏 pm 4:23)