かれこれ15年程経つだろうか................。かみさんが、介護の仕事の付いてからの月日です。

僕のかみさんはケアマネージャーなので、このところ連日報道される介護事業や社会保険庁の不祥事は他人事ではない。

社会保険庁の年金の記載漏れに関する報道を聞いていると、ヨーロッパなら暴動だよな〜と思う。
 お上指導で近代化を遂げた日本の貧しさか。本来なら、怒らなければならない場面なんだが、情けないというか、悲しいというか、プロジェクトXを毎日見続けなければならないほど、僕らの芯の部分が傷つき、日本のイメージが落ちてしまった。

お隣中国では、今、知的財産権を著しく侵害する事業が百花繚乱、手の施しようのないくらい巷に溢れている。日本人、特に若い世代は「とんでもない!」と思うだろうが、嘗て日本も同じことをしていた。なので欧米から見れば、この日本も似たようなものだ。

(社会保険庁の年金相談臨時窓口 asahi.com より)
サッポロビールをはじめ、ブルドックソース、アイデアル等、今日本の企業が海外の投資家のTOB(株式公開買付)にあっていることはご存じの通りだが、一事が万事、社会保険庁の運営事情をみれば日本の力量を見通すことが出来る。なので、経済最優先でバブルまで来た成金の日本攻略は、赤児の手を捻るより容易い。

そもそも20年近く前((1989年)日米構造問題協議の時点で、アメリカは日本の社会構造全般をMRI(核磁気共鳴画像法)で透視するように完璧に把握している。このことを吉本隆明は当時「二度目の敗戦だ」と言ってのけた。

欧米の先進諸国から見れば今の日本なんて、資本主義というリングでバブルという強烈なパンチをくらってダウンし、必死に起きあがってふらついているボクサーの様なもの。もう隙だらけ。経済はイキがっていてもシステムがお粗末だから、そこを突けば勝負は直ぐつくと足元を見られている。

「失われた十年」で、ほんと日本は、経済ばかりか自国の文化や尊厳までも失ってしまった。それを皆、無意識に気付いているからこそ、ここに来て白州次郎など過去の遺産を引きずり出して来ている。威勢のいい六本木ヒルズやミッドタウンが建っても、僕らの心象風景は、敗戦後の茫漠たる東京に立っているかのようだ。

(MRI画像  wikipediaより)
今の介護施設は、単位時間あたりの報酬額が4千円(家事介護は2800円)ちょっとで、訪問介護のヘルパーの交通費から賃金、厚生保険、さらに一般管理費(車や施設の光熱費等の維持費)を埋め合わせなければならない。ヘルパーにいたっては、実質介護にあたっている時間以外の、介護者宅に行くまでの往復の交通費も保険報酬内で支払われることはない。つまり施設側の持ち出しだ。更に今年になって行政からの報酬額は減額されている。そんな厳しい今の介護保険制度のなかで、何故30社以上の業者がコムスンの買収に名乗りをあげるのか?

それは、介護事業の中で赤字の訪問介護などを除く、月々億単位の支払いが可能な超ハイクラスな階層を対象とする、おいしい老人施設の参入に向けた情報収集にある。

かみさんの勤める施設は、もともと宗教法人で、日本で初めて米国の宣教師を招き入れ様々なサポート施設を造ったところなので、所持していた土地を切り売りして戦後60年以上赤字の連続で今日まできている。なのでケアマネージャーにもかかわらず、かみさんの給料は「マネージャーをケアーするのか?」と突っ込みたくなる程低い。

しかし、大手の介護保険事業者は、もと建設業者等も多く、公共事業が頭打ちだから他業種に鞍替えして「利潤」をあげよう・・・という姿勢で、そもそもの出発点が違う。勿論、利潤をあげなければ倒産するので、利潤をあげることそのことは間違いではない。でも、利潤の先に何を見ているか・・・・そこが問題だ。
政府は、どうせ時間が経てば日本人は忘れるだろうと、国会の会期を延長しようといった参院選に向けた姑息な策に出ようとしている。野党も予算国会で会期の延長を叫び続けている経緯もあって、単純に会期延長を反対できないでいる。。。
根本的な打開策は、介護報酬の引き上げ意外にないのだが、それらを管理する担当行政側が、この体たらくじゃいったいこの国の未来はどうなるんじゃ、と誰しもが思うだろう。
練馬高野台桜湯園(2007年1月オープン)
東京都練馬区
入居金 : 945万円
月額利用料金 : 23万8500円
特徴 : 介護付き
三鷹桜湯園(2007年2月オープン)
東京都三鷹市
入居金 : 945万円
月額利用料金 : 23万8500円
特徴 : 介護付き
成城桜湯園(2007年3月オープン)
東京都世田谷区
入居金 : 1575万円
月額利用料金 : 24万9000円
特徴 : 介護付き
(「賢い老人ホームの探し方」より)
上の画像は、『介護施設』で検索してヒットした「賢い老人ホームの探し方」に掲載されていた、極々一般的な老人ホームです。

つくづく老後は「お金だな〜」と気づかされます。

僕自身は、「自己責任」で貫徹されたアメリカ型より、皆で負担し合う欧州の社会保障制度の方が、俄然日本にあっていると思うのだが。。。。

小泉・安倍とつづく、宮台真司いわく「アメリカの尻嘗め政権」は、もう既にアメリカ型に梶を切ってしまった。

みんな食べるのが必死で、EUの社会制度もアメリカの社会も糞もないんだよな〜。

さて、どうしたもんでしょう。。。。   

制度を実際に仕切る省庁がきちんと機能しているなら、僕は消費税をEU並に 
15%代にあげて、社会保障の足りない分を補完すればいいと考えているのですが、何ぶん今の儘では、私事に奔走する官僚に日本の未来を任す訳にはいきません。

さて、どうしたもんでしょう。。。。

民主党が自民党より良いということではなく、今の日本の隅々に行き渡った既得権益を撤廃すると言う意味で、参院選で与野党を逆転させ、後に政権を交代させる以外にないのでは。

そう思いませんか・・・・?