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一部の椀を除き、年内の納品はあきらめた。。。



この秋の九月に仕上がってきた木地を、それ以前のオーダーをこなしながら年内に仕上げるのはちょっと無理だった。つまらないミスが重なってきたので、ここは焦りは禁物、気分転換も考慮して年内の納品はあきらめた。すみません。



今月頭に更新したこのページだが、そのとき触れた経済危機が実感としてドスンとやってきた。物言えば唇寒し・・・だが、こういったときこそ、それぞれが、それぞれの立場でものを言ってゆかなければだめだと思う。



宮台真司が言うように、もはや日本社会は底が抜けてしまったので、落ちるところまで落ちて、そこでやっと事態に気付き、あとはそこから這い上がるしかないのだろう。そのとき日本人の本来の体質が表に出るしかなくなってくる。成人になるまで、選択の自由がほとんど保証されずに来て、いきなり『自己責任』などというフレーズを突きつけられても狼狽えるだけだし、それは最も日本人にそぐわない。

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気が付けば、日米構造協議以前にあった「一億総中流化」という風景は、僕らの周りからあっさり消えた。そして、何も悪いこともせずに、まじめにコツコツと働くことだけでは生きてゆくのが難しい社会が目の前にある。こういった事態は、どう考えてもおかしいし間違っている。



超高度化した資本主義を先陣を切って体現したアメリカだが、そこでは、実態としての経済を捨て、無から有を生む・・・・いや、無から無を生む構造の中で、虚業としての金融で回してきたわがだが、そのあまりにも上手くできた金融システムがバブルで弾けた今、日本はやっとアメリカへの無条件な追随は危険なことに気付き始めている(のか?)。

(五霊神社 手水舎 am 9:04)
10年ほど前だっただろうか、文京区は団子坂の本郷図書館森鴎外記念室で吉本隆明の講演があった。テーマは『農業について』だったように記憶している。
 なぜ農業なのか、そして講演内容は・・・・・・覚えていない;;;記憶にあるのは、吉本さんがめっきり年をとってしまい、椅子に座りながらの講演だったということ。

ショックだった。。。



この講演会の数年前、確か吉本さんは、伊豆の土肥だったか戸田だったかで溺れたのだ。そのダメージが想像以上だったようだ。



いつもそうするのだが、質疑応答で吉本さんに質問した.........



.........農業について.........自分の引き出しを目一杯開けても、農業問題のリソースがない;;;仕方がないので、当時読んでいた『哲学の東北』(中沢新一著)の「無から有を生む農業」というフレーズから無理くり質問の切り口を探った。



吉本さんの返答はこうだった・・・・・・



「農業といえども無から有を生む訳ではなく、有から有を生んでいる」(土中の要素を吸収して実を付けたりするという意味です)。

「製造業が有から有を生み、更に社会が進展して第三次産業を代表するサービス業などは、有から無を生んでいる」「そして情報産業は、最早無から無を生んでいる」......



(五霊神社 手水舎 am 9:05)
ハッとして思い返すが、今回の金融危機や金融破綻を含む超資本主義(このフレーズは吉本さんの造語です)のことを指摘していたのだ。


無から無を生むことで回ってきた超資本主義の臨界点が見えてきたことは、’80年代の「マスイメージ論」の中で既に指摘し分析しておられたわけだが、とうとう来てしまった。



そして最早「派遣切り」などというフレーズまでが飛び交っている。そぐわない。日本にはこういった風景は、まったくそぐわないのだ。革命や暴動という手段にうったえるのもそぐわないが、だからといって、住む家もない人が出ていることを放置することも日本人には似合わない。
一昔前だったら、地域がセイフティーネットとして機能していた。グローバル化の波に飲み込まれ、今では地域は空洞化してしまった。辛うじて家族が残っているが、それとて厳しい状況の中危うい。宮台のいう「社会の包摂性」を担う役何所が消えてしまったのだ。欧米のようにキリスト教会のボランティアという有り様もない。日本の寺は何をやっているのか・・・と突っ込んだところで期待できない。



さて、どん詰まりの日本だが、僕は案外落胆していない。このところ息子(長男)が明治維新当時の状況が面白いらしく、司馬遼太郎を読み耽っているらしい(お陰でけっこうサボりやがる)。僕は、寂しい日本人へのヨイショとクスグリが多すぎるので読む気にならないが、若い世代は、負け始めた日本しか目にしていないので、明治の気骨がいかに凄かったかを再確認している様子だ。そう言った読み方なら司馬も良いかな。。と思い、熱く語る息子の明治もおもしろく聞ける。




今年、神奈川歴史博物館で企画された「ハマヤキ」展で、明治の工人の世界視線によるポテンシャルの高さに度肝を抜かれたが、そういったリソースを僕らのDNAは蓄積してきているはずなのだ。

先週の『マル激トーク・オン・ディマンド』
■ 第403回(2008年12月20日)
見えたり、金融資本主義の正体
ゲスト:小幡績氏(慶應義塾大学大学院准教授) http://www.videonews.com/
でも結論で述べれれていたが、アメリカ型資本主義(高度資本主義)が終わった後、世界を牽引するのは、当然アメリカではなくEUでもなく、中国他のブリックス諸国の登場はまだ早く、何だかんだ言って最も安定している経済状況の日本しかないのだ。
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12/30 年の瀬
晩秋
志ん生と小林秀雄
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草食系男子
タモリの弔辞
山本モナが好きだ
since 1999
結婚と人生を振り返る?
ハマヤキ
CMのこと
「つわり」のこと
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空間の偏り
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春の予感
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上方『銀花』
個展間近です
おめでたい覚悟
元 旦
だとすると、日本自体がしっかりしなければ、それこそ世界が持たない。この際日本は、その位、自分たちを買い被って良いと思う。そして、その期待に添うべく、広義の社会文化基盤のレベルを上げて行かなければだめだ。当面、政界再編で全国津津浦々に、官僚とそれにぶら下がる族議員が構築した既得権益のパイプをブチブチに切って、行くべきところに税金が回る様に組み替えることが先決(全ての予算も一般財源化して情報公開すること)。



アメリカ頼みの外需依存の体質から脱却し、内需振興しかなくなった日本だが、住むところもない労働者が巷にあふれ、三分の一の労働者が非正社員と言う状況で、このまま持つわけない。治安は悪くなる一方、自殺者は毎年三千人じゃなく三万人を軽く超す日本。イラク戦争でのアメリカ軍の死者が4000人規模ということを考えれば、今がどういった状況なのか想像がつく。



来年は、厳しいけれども変革の兆しがはっきり見えてくる年になることは間違いない。


身体を鍛えて事に望むとしましょう。


(五霊神社 大銀杏 pm 1:55)
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