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足利市立美術館『浅川コレクションの世界 創造へともなう眼』を観た。
浅川邦夫氏(1932- )は、日本における現代美術ギャラリーの草分けの一つである南画廊(1956-79)に、開業から12年あまり勤め、その後2003年まで、自身が設立した画廊春秋(1968-2003)を35年にわたって経営しました。画商として生きた半世紀のあいだに、様々な作家に出会い、作品が生み出される場に立ち会いました。それに伴い質・量ともに破格というべきコレクションが形成されました
このたび700点に及ぶ浅川コレクションが当館に寄贈されました。寄贈を記念して開催する本展では、現代美術の名品はもとより、氏の眼に触れ手元に残した国内外の近現代美術作品も展覧いたします。いずれも氏の愛惜してやまぬ珍しい作品ばかりです。本展により、浅川コレクションの全貌が初めて明るみに出ます。この機会にぜひご覧ください。

(足利市立美術館HPより)

三木富雄《EAR No.104》1965年 アルミニウム、鉄、アクリル・シルクスクリーン、合板
あまり規模の大きくない一地方の市立美術館の企画だったので、余り期待せずに出掛けてみた。ところがである・・・・

僕がこの世界に入って間もなく、現代工芸が現代美術の枠内で動いてきたことに気付き、その時代のコンテンポラリーな表現を掴むには最先端のファインアートを抑えないと駄目だと知った。それからは徹底して現代美術をリサーチし自分でも表現してきた。当時は70'代後半、ミニマルアートが終わり現代美術の解体期にあたる。

上の画像は、'70年代注目されていた三木富雄の『耳』シリーズの作品である。当時は、どこが面白いのかさっぱり?だった。しかし、今じっくり眺めると耳という器官の造形も、凸と凹の構成が複雑に入れ替わっていて形象としてもおもしろく、またアルミという素材もこの形を表現するのにぴったりな気がする。そして何より耳という器官が母体の中で最初に完成することと、人の最期にギリギリまで働き続ける器官であることとの関係で、耳が持つ意味は感覚器官の原始を司る「人間」のメタファーでもあることに気付いていたであろう作者に感服する。
80'年代始め、工芸に関わらず美術のコンテクストを把握しておかないと、新しい表現は出来ないことに気付き、積極的に現代美術を取り込み関わってきた。ザックリいうと文化は、各時代の思潮(正確に言うとエピステーメ)に規定され、近・現代で言えば「科学的志向」に当たる。

僕にとっては丁度鎌倉彫宗家博古堂を退職し作家になるべくスタートを切った頃、'60年代、'70年代の現代美術は未だ熱を帯びて伝わってくるものがあり、今回の「浅川コレクション」は丁度この時期に重なる。久し振りに300点余りの作品を食事を挟んでじっくりと鑑賞。

懐かしい。しかし、当時とは若干違って観えてくる。あれから四十年、こちらも大分美術のリソースに厚みも出たのだろう。

 先日の朝ピンポン.......当時の友人がひょっこりみえた。それもあって、このところ'80年代までの美術をメールで熱く語り合っていた(特にミニマルともの派に関して)。美術に何を見ようとしたいのか、あるいは何を託したいのかで見解も可成り違っていて面白い。

宮迫千鶴
僕が緑が好きなこともあってか宮迫千鶴さんの絵が記憶に残った。彼女が逗子市の市民大学講座の講師としてみえた際(確かフェミニズムの論客上野千鶴子との対談でマスコミにも頻繁に出ていた頃だったと思う)質疑応答でのやり取りで、変にフェミニズムの怨念のようなものがなく生産的なやり取りが出来た。とても感じの良い方だったが、数年後に癌で急逝してしまった。

今回、全ての蒐集作品が展示された訳ではないので、この後残りの作品に出会えるのが楽しみでもある。
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