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essay +column+
2009 --2016
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昨年は、仕事と修士課程の通学の両立で汲々とした年となってしまい、長らくこのhttp://urushi-art.net/ にアクセスして下さった方々には、物足りない思いをさせてしまったと思います。とにかく、身体が一つしかないので、仕事と学業のどちらかを選択すると、どちらかが停滞するという構造の中でうごめいています。

本年は、修士論文の仕上げの年となります。昨年同様更新は少ないと思いますが、出来うる限り工夫して継続できればと思います。画像のみの時もあると思いますが、しばらく凌いでいただければと願っています。

 亀 ........ 「KOTOBUKI合鹿椀」
昨年は、ブレグジット(イギリスの EU 離脱)に始まり、トランプの大統領選挙の勝利で全く先が読めない社会が生まれ、こちらも様々な事例を深める余裕もなく毎日が推移するといった具合でした。ざっくり言うと、現実に起きている様々な事に対して、余りにも多くの、そして難しい事例が多過ぎて、即応することがほぼ不可能というか、キャパを超えてきたのだと思います。そこで人々は、それらの事例に感情がついていかなくなり、理屈より感情を優先する気分(=ポストリアル)を志向するようになってきているといった実感があります。

今年は、急速なグローバル化の反動から、ポストリアルの傾向がますます強まり世界に伝搬するでしょうから、先進諸国は特に内向きになって「世界」という括りの関心を放棄し、中途半端に解放された途上国は、今以上に混乱してテロも増えそうです。行先のなくなった避難民は路頭に迷い右往左往することをどう手当てするのか、とても難しい情勢です。

金浦金毘羅山(........たぶん古墳の跡)
 僕は今、兵庫県立大学大学院「地域資源マネジメント研究科 」に通学しています。何を研究しているかというと、人口減少が続く山陰の過疎地において、地域に眠っている資源(鉱山の跡地や珍しい地質等の地理的条件、そして固有の文化的行事等)を掘り起こして如何に過疎化の勢いを遅延させるか....といったことになります。こういった言い方をすると、院の先生に叱られるかもしれないのですが(取り立てて「過疎化」を手当てするための研究をしているわけではないということでもありますが......)院の設立趣旨は、やはり山陰(裏日本)といった名称にも出ているように、「経済的に日の当たらない地」が、中央からどう自立して経済そして文化を回していけるかの研究機関と言っていいと思います。

日本だけでなく、地球規模でも中央(欧米先進国)とローカル(開発途上国)との関係や、その構造的な問題はとても似ています。

そして、中央とローカルという括りでいうと、僕の所属する伝統工芸(前近代の生産様式)と、製造業(第二次産業)やサービス業(大三次産業)などの、近代化の恩恵を受けて機械化で生産性を上げることが可能な産業との、構造的な問題もよく似ています。


IEON CM
 そう、久し振りの工芸ネタですが、いつも買い物する IEON でレジを済ませ、カートを押して帰ろうとしたところ、エスカレーター下の大きなモニターが目に入りました。7~8年程に、わざわざ厨子屋での個展最終日にいらして「龍吟さんにDM出しました?」と尋ねて下さって以来お会いできていないので、ご本人かどうかは判別できませんでしたが、僕の折敷や乾漆をお使いいただいている『鮨よしたけ』さんが IEON のCM に出ていたので、暫く眺めてニタニタしてしまいました。知り合いが横を通ったら「この御鮨屋さん、僕の作品使って下さっているんですよ」って伝えたかったのですが、先ず IEON では、知り合いに会ったことがないので残念でした。

昨年、弟弟子の『龍吟』さんが、日本航空の特別席用に料理を提供することになったとメディアで知りました。恐らく、そのことに刺激されたのではと思った次第です。伝統的な調理の世界も、いくらミシュラン三ツ星に輝いたとしても、伝統工芸と同じく生産性は低いので、付加価値を付けて売れたとしても大企業の収益に比べたら知れているので、色々知恵を使って新たな可能性を模索することは大切です。僕自身、とても刺激を受け勉強になります。