Today's image index 2019
06/01  絶対的座標
 源氏物語
 平成
 厨子展へ
 「銀座の金沢」
仔犬の夢を見た
 AFC Asian Cup 2019
迎春
  謹賀新年


 Today's image index 2018
  飛鳥斑鳩
工芸×霊性
徒然に(鎌倉彫とのこと)
常滑レポートとの13年
kitakinki-komonjo.com
修理
金沢CBA商品開発講座 
居なくなるということ 
 2018 FIFA W-CUP
追悼 宮坂 SAVOIR VIVRE  オーナー
秋の個展へ 
お絵描き 
セクハラ
ヨーコさんの❝言葉❞ 
博士課程前期修了
修士論文完成
修士論文執筆中  
謹賀新年


  Today's image index 2017
2017年を振り返って 
第8回 がっせぇアート展
「椀と碗・その景色」 
カズオ・イシグロ
長谷川泰子
 第三回金沢卯辰山工芸工房実践講座
 修士論文中間発表
アートへの関心 
「がっせぇアート」
地域資源とはⅡ
地域資源とは 
第二回金沢卯辰山工芸工房実践講座 
蓬莱紋合鹿椀
豪雪
新年


Home index 

essay +column+
2009 --2019
Today's image index


 
個展も近づいてきて余裕もないのですが、ここはどうしても言って於かなければと。
 いつもながら radiko でラジオを聴きながら仕事をしている。25年間?聴き続けていた「荒川強啓デイキャッチ」があっけなく終了してしまったので、その分もっぱら文化放送「大竹まことのゴールデンラジオ」に埋め合わせてもらっている。

木曜のパートナー光浦靖子と金曜のパートナー室井佑月がいいなぁと。大竹さん共々嘘が少なくて信用できる。

番組中、何度かニュースが入る。僕が所属していたシニアサッカーチームが川崎だったということもあって、先日起きた痛ましい通り魔事件(無差別殺人)は他人事ではなく耳をそばだてて聴いてしまった。
新聞は、読む時間もないので朝日と毎日のデジタル版で、300page/月/¥1000という契約をして読んでいる。先ず300 page 読むことはない。その毎日新聞デジタル版で精神科医の片田珠美さんが今回のような犯人の精神構造を「拡大自殺」と名付け、単なる個で完結しない犯罪心理を分析している(「拡張自殺」の方が実相に合っているように思うが、まあいい)
 そして川崎の事件だが、大竹さんはまともなので、そのコメントに違和感はないのですが、流れで聴いている他の番組のコメンテーターやリスナーの投稿には、違和感を覚えることが多い。
 
  こういった凄惨な事件が絶対悪であることは言を俟たないが、全て個人の資質に起因する事例で、事件を起こした犯人とその生い立ちや時代背景を見るまでもなく、何ら同情を示すものでも憐憫を感じるものでもなく有無を言わさず悪だと断言する…・といったゲストコメンテーターの意見には呆れて口をあんぐり開けてしまった。

そして、これ何処かで見たことのある光景・・・そう大分前に光市で起きた母親と乳児の二人を殺害した未成年の犯人に対して、元大阪府知事橋下徹さんが叫んだ「光市母子殺害事件弁護団懲戒請求事件」のデジャブだ。
僕の中では、橋下さんのような立ち位置を「絶対的座標」と名付けている。つまり、誰もが否定しようがない分かり切った非道に「これは悪だ、許せない」と悪のオウム返しのように視聴者を煽る愚。ケッ、へたれ!と突っ込んでしまう。

誰も川崎での51歳の犯人や光市母子殺害事件の犯人を無条件に擁護する奴なんているわけがない。それを承知で弾劾してみせる振る舞いはさもしいの一言。絶対的勝利が保証されている事象に念を押すことなど男のやることじゃない。っていうか、男ってほんと女々しい(この表現女性に失礼)
今回の事件や光市の事件も、100%家族や地域のサポートが貧しかったことで起きた不幸に決まっている。10000人に一人位は、このハンディを乗り越える偉人もいるのかも知れないが僕には無理。対症療法としてマスコミが、こういった事件に対して、新しい防御態勢をどう構築するのかに触れるのは間違いではない。実際、日本の状況は、そういったことが急務に成ってしまったことも事実。
でも、同時に触れなければならないのは、一杯一杯で回っている家族や地域を「周り」がどう手当できるかだ。オリンピックも結構だけど他にやることもあるだろうと言いたい。

そして、今後こういった事件がテロのように突発的に繰り返されることが予想される。

マスコミは、短い時間で事件を伝えなければならないので、分かりやすいところを切り取って断片的に伝える。ほぼ<点>だ。でも真相は<線>そして<面>あるいはもっと複雑なはず。
 光市の事件にしても残虐な殺害シーンを伝えるのが精一杯。実際はその前がある。少年は毎日執拗に繰り返される父親のDV(母と本人へ)の中で育ち、そのことが原因で自死した母親の現場の第一発見者で当時小学生だった…この事実は、予定調和で進むニュース報道が霞むので伝えられることは少ない。
溜飲を下げることを旨とする・・・これが日本の報道の現実。ということは、社会が一杯一杯だということ。そして、被害者に寄り添うとは、一方的に犯人を断罪することで被害者感情の手当をすることではなく、なぜ「拡大自殺」なる非社会的衝動が生まれ、そのことが個を超え出て不特定多数の他者に向かうのかをきちっと解析しようとしなければ、被害者はもちろん、その家族や関係者もこういった惨劇を了解できない。

日本は元々ヨーロッパ先進諸国のような被害者のPTSDからの救済プログラムが貧しい。同様に、加害者の更生プログラムも殆どないに等しい。それは、こういった犯罪が、社会に向けられた<負の表現>だと言った認識が余りにもなさすぎるためと言える。すべて単発の事故・事件として対応しているのが現実だ。

残念ながら、今後同じ様な事件が繰り返される土壌が整っているので新しい防犯体制の構築と並んで、こういった加害者を生まないような社会的包摂性をどう醸成するかが日本の課題だが、オーム事件の麻原彰晃を死刑執行で事件諸共闇に葬って無かったことにしてしまう社会では先ず期待できない。シャドウ・データー(=負のリソース)も社会的に貴重な資源だといった理解を持たないと、また事件は繰り返される。
 
   
いろいろなところで社会的劣化と出会う。特に影響力の大きい社会の上層部、あるいは幹部に劣化が目立つ。

僕は、自分の持分で最善を尽くすのみ。 

久し振りに社会事象に触れてみた。個展準備で余裕はないのですが、ここに来て大分自分らしさが戻ってきた。多分、迷いなく仕事に邁進できているからでしょうか。

先週からテニスラケットを握っていない。個展間近となって流石に余裕がなくなってきた。もっぱらウォーキングで凌いでいるが、昔のような無理をしないように努めると、今まで気付きもしなかったご近所の四季の移り変わりにハッとさせられて、これが結構楽しい。

ということで、次は、個展(第三回厨子展)の準備段階の作業風景を伝えられたらと思います。いい社会にしたいですね。

では。
top