ロリー |
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このところ思うところあってテレフォン人生相談を YouTube で聴いている(もちろん仕事をしながらです…ご心配なく;;)。 僕が期待しているパーソナリティーは、50年以上前、浪人中に深夜放送(文化放送セイヤング)のパーソナリティーをしていた加藤諦三で、絶妙なコンビの回答者は大原敬子になる。 聴くのは、25年振り位になるか…・ウーンと唸ってしまったのは、中学生の息子が、何もかもやる気をなくして無気力で困ってるといった相談者への回答だった。いろいろ質問をしていくと、お終いの方で「実は息子が小学生の頃、可愛がっていた犬が亡くなり、そのことが相当ショックだったようで、それ以来好きだったサッカークラブも辞めてしまい、勉強にも身が入らず中学校へ入ってからも無気力な状態は続いている…」といった父親の説明。 僕自身は、愛犬の死は確かにショックだけれども、それほど大きな傷となって心を支配するまでのことではないのでは…という理解だった。しかし、回答は大きく違っていた。人はもちろん、ペットである犬や猫、そして小鳥でも亡くなってしまった喪失感は想像を超えるもので、息子さんのその気持ちを理解することが重要だ…出来ればお母さんがその時添い寝をしてあげて欲しかったというもの。 |
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曜介 8歳? |
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そして、子供が犬を飼いたいということの意味は「寂しい」ということだとも指摘していた。確かに。。 トップの画像は、長男曜介が4年生の時の誕生日(12/24日生まれ)に「犬が欲しい」ということで飼うことになったロリー(メス)です。今から思い起こすと息子が一番孤独だった時の様な気がする。地域のサッカークラブに入ったのもこの年で、同じ小学校の生徒はゼロで、他の子どもたちはほぼ同じ小学校区。しかも1年生から続けている気の知れた仲。これは僕に似て感受性の強い息子にとっては可成りきつかった筈だ。 犬を飼ってよかったこともある。一度きりだったがロリーが子供を6ッ匹も産んでくれたこと。これは、二人の子供にとっても大きな学びになったと思う。ロリーは本当に献身的に子供を育てていた。子供がウンチをするとそれを食べ、お尻をきれいに舐めていた。このことを毎日息子たちは目にしていた。これは大きい。 |
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耕介 2歳 曜介 6歳 |
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結局、ロリーは、満十歳になる1月ほど前に急性毒物中毒で亡くなった。長男曜介は当時大学二年生。仏教学科に進んだので我が家の庭の隅(息子の部屋の前)にロリーの亡骸を埋め、お経を挙げ二人で弔った。いま振り返ると息子はその後、円形脱毛症になり学校を休みがちになっていた。それを見かねて母親はSAVOIR
VIVREの知り合いが運営するバンロムサイ(タイのHIV感染者児童施設=出産時に親から感染してしまった子供たち)へのボランティアを勧め1年間休学した。このことは、今記憶に沈んだものを拾い上げながら書いている。 今考えると大よそ頓珍漢な対応だったと思う。僕は変にかみさんをリスペクトしていて彼女の言うことにあまり異論は挟まなかった。当時の自分に深い自信がなかったこともあったように思う。 以前コラムでも触れたが、長男曜介は、3才にも満たない頃、流れる雲を見て「あっ、風・・・」と呟く感受性をもって生まれた。そのことは<自分を引き受ける>で触れていますので良かったら覗いてみて下さい。当時の僕は、咄嗟に「あっ、拙い!」と息子の中の自分をネガティブにとらえていた。 |
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当時、曜介が送って来たバンロムサイの画像 |
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今回、人生相談を200篇ほど聴きましたでしょうか…。15年ほど前にも感じたことですが、もう一度子供を育ててみたいなぁということ。でも、それは今だから言えることで、二十代・三十代の人間は、誰もが未熟で親になれるような成熟度はないのが普通なのでしょう。だから、結局叶わないこと…。 今回、テレフォン人生相談から学んだこと…それは「居なくなってしまうこと」ということをひとは終生、了解はもちろん、理解すら難しいのではということ。宗教や哲学は、そこを埋めるために生まれたものなのだが、実際はそれすら難しいのでは。。 このところ、中学生の頃通った日曜学校に又通ってみようかなぁとネットで近くの教会を検索してみたりしている…けど、人口減少が下げ止まらないここ但馬は、「お知らせ」の欄に大きく献金が謳われている。興醒めするが仕方がない。ご近所の名高い寺でさえ住職も居なくなっているくらいなので、キリスト教の教会は尚更なのでしょう。いっそネットで牧師さんとでもやり取りした方が実りがあるかも知れない。。ちょっと前に聴いた吉本さんの「ヨブ記」の講演が余りにも深いので、もう一度、信者の立場ではなくキリスト教を学んでみたいと思った次第です。 |
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葉山マリーナ 2002年? |
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ずっとセルフコントロールという意味で続けてきたことがある。それは、僕の場合、体調が多少優れなかったり、気分がブルーの時は、逆に身体に負荷を掛けたりして(走ったり、サッカーの独り練習、そしてテニスの壁打ち等)汗を流すと嘘のように晴れた気分になるのです。殆どハズレはありません。つまり、生きていく中で余りにも難しく、考えてみても回答が浮かばないことに出っくわすと、もうお手上げです。そういった時の処置が‟逆もまた真なり”で、僕の場合、負荷をかけることで乗り越えることになります。人間って単純だなぁって思います。 ‟居なくなるということ”との折り合いもそういったことになるのでしょう…了解や理解を超えた事態なのですから。あっ、これは先日亡くなったSAVOIR VIVREの宮坂オーナーと被ることですが、それだけではなく、僕の周りに、いつ鬼籍に入ってもおかしくない先輩方が沢山おられるということもあると思います。そういった方々が、いつの日か‟居なくなってしまう”ということを無意識にシミレートしているような気がします。いきなりのショックから身を守る術でしょうか。。 最近思うのですが、人って(人だけじゃありませんが)亡くなった後も生き続けているように感じるのですがどうでしょうか。返って生前よりも深く思い起こされるというか、濃く亡き人が立ち上がってくるというか…。その意味で亡くなるということは、無くなることではないと素朴に感じます。 |
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この歳になると、この厄介な自分のこともある程度分かって来て、長所短所も了解できてくる。流れる雲を見て「あっ、風・・・」と呟く感受性を、弱さのメタファーではなく何にものにも換え難い、豊かで優しい宝の様な感受性だと気づく。僕の母親は、そういったところを愛でて良く褒めてくれていた。劣等感を持っているうちは、こういった宝物を大原敬子さんじゃないが「指の間から、さらさらさらさら溢してきた」ように思う(息子に対しても....)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
先日発刊された金浦誌(古地図を使って表裏表紙のデザインを担当させて頂きました) |
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歳をとるということは、悪いことばかりじゃないなぁと思う。もちろん、昔の様にがんがんラケットを振り回してボールを打てなくなる。先週も調子こいてコーチとやり合ったら膝に水が溜まった;;;。でも、マジでやればリフティング500回を今でも超す。あっ、そういうことじゃなく等身大の自分を自然に受け入れられるようになってくるということです。 何十年も涙を流すことを、それこそ弱さのメタファーと勘違いして抑圧してきたことを、歳を重ねることで自然に解放できてくる。これは、とても楽になれて精神衛生上いい。まっ、抑圧するエネルギーが枯渇してきたとも言えますが。。 |
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縄文貝塚(豊岡市?) |
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母親との間にあった不本意なわだかまりも、いつの間にかやんわりとしたものになり許せている自分がいる。これも歳の勢かな。親という課業も余り割の合うものじゃない。 ということで、27日夕刻、金沢クラフトビジネス機構の講座を終え帰宅しました。連日の猛暑から、ちょっと判断を誤りハーフパンツでの出で立ちで講座に参上。身体を冷やして体調が可笑しくなりました。その勢で、翌日金沢の中古物件を一件だけ下見し、午後はホテルで山田節子さんお薦めの「陰翳礼讃」(谷崎 潤一郎著)をkindleで読み耽っていました。久し振りの読書だったので、何とも贅沢な時を持つことができ、これはこれでありだなぁと好い夏休み。 明日、変態台風?が東・西日本を襲うそうです。皆様におかれましては、くれぐれもご注意されます様! |