長者武家屋敷跡表門 |
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未だ肌寒い春の金沢。 第二回金沢卯辰山工芸工房実践講座のため講座開講日より早めに宿をとり、前回廻り切れなかった長町武家屋敷跡から訪ねる。 今回は出発前日の夜中まで、講座用のサンプルの彫をしていたので電車の乗り継ぎが悪く、日本海側の舞鶴ー敦賀ー福井ー金沢という、ほぼ在来線を利用しての旅となった。と言っても、所要時間は、京都廻りほとんど変わらない。たぶん赤字路線だろうから座席も敦賀ー金沢間の特急を除いてガラガラで、のんびりとした「ザ・電車の旅」という贅沢を味わった。 車窓から見える山陰は、駅前だというのに廃屋となった空き家や耕作放棄地が目立つ(複雑だ)。金沢に近づくにつれ家並も個性がなくなり、新建材を使ったどこにでもある風景になる。まっ、都会に近づくということなのだろう。 |
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石川県立歴史博物館(いしかわ赤レンガミュージアム.......... 加賀藩当時の石で造られた上水道の石樋) |
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この講座の集大成として、この秋、銀座一丁目の「dining gallery 銀座の金沢」(金沢クラフトビジネス機構運営)において「東日出夫氏と金沢の工芸作家による作品展」が企画されている。今回は、そのための試作品やアイデアを持ち寄って、山田節子さんと僕とでコメントを挟むという流れだ。 僕は、厳しい工芸界において、なかなか手を出せない(手間を掛けられない)「装飾」が、今後プレミアム(付加価値を上げる)な作品を作るうえで欠かせない…という内容の話を引き受けた。 ただ、このご時世で、手間を掛ける仕事を勧めるのは気が引ける。しかし、日本の伝統工芸が、今後もその質を落とさず、継続して発展してゆくには、一方で生活工芸を、他方でたっぷりと手間と時間をかけた、密度の高い仕事を続けてゆかないと先はない。 |
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松風閣石畳 |
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あまり手を掛けられない状況の中、非効率な装飾を勧めるには、それなりの理由がある。 …… と、ここで厨子の蝶番付けに手こずり、集中し過ぎで頸椎をおかしくしました;;; 大分間が空きましたが続けます…… |
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松風閣庭園内の古木 |
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今、何故装飾なのか… 市場原理が貫徹する高度資本主義社会では、経済効率を無視して制作するのは難しい。しかし、人間としてのバランスを考えると装飾を意識することは、表現の幅と本質を保持するうえで重要な構えでもある。 ・日本人が不得意なプレミアムな領域 バブル期と違って、現在の伝統工芸の於かれている状況は厳しい。当然、作り手は経済効率を優先して「装飾」はリスク要因にカウントされ敬遠されがちになる。ただ、成熟社会をむかえた日本においては、グローバルな意味でも付加価値性を上げブランド力を上げないと伝統工芸の凋落傾向に歯止めがかからない。ミニマルな表現は、それ自身否定はしないし重要な表現領域の一翼を担っているが、人間の表現の全てを覆う訳ではないし、その先にブランド化が保証されているものでもない。 工芸家が、生活を含めた生業として継続的に表現を続けるとしたならば、ミニマルな作品だけではブランド化は難しく、長期的なマネジメントを立てる意味でも、日本人が不得意なプレミアムな領域であるブランド化にとって、「装飾」を積極的に取り入れ表現の幅を広げることは、個人としても産地としても整合性がある。(実践講座概略資料より抜粋) |
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21世紀美術館 |
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既にゴールデンウイークも過ぎてしまいました(僕はゼミも授業もあったので関係ありませんが)。今年は修士の論文を仕上げなければならない年なので、町の公民館の図書室?で論文を読んだりレポートをまとめたり一日中詰めたりしています。キャンパスの研究室は、当然環境は整っていて申し分ないのですが、何せ遠いのです。往復二時間は時間の無駄なので仕方なく公民館に出掛けるわけです。 初日・二日目と貸し切り状態だったのに味を占め、引き続き利用したある日、外に出て昼食を済ませて戻ってきたところ、図書室は歌声喫茶に様変わり;;;村のあちこちから集まったと思われる可成り年季の入った年輩のご婦人ら十数名が「北国の春」~「庭の千草」に至るまで大凡数十曲を手拍子を入れながら大合唱 🎶。「歌詞ノート、ヒャッキン(=100円shop)で買えばよかったのにコーナンで倍もした Gahaha----!」(おばさん A)。 次の日も同じような状況でした。 それにしても女性は人生の楽しみ方を心得ていらっしゃる。僕も修行の境地で、大声での合掌も笑い声も何のその、大して気にもならずにPCと睨めっこ。ネットで資料を収集したり、データーを書き込んだりと、お陰で充実した時間をもてました。 ということで、金沢での実践講座は引き続き夏の八月に開催されます。僕は、それまで7月にある修論の中間発表に向け全力投球となります。HP更新も儘ならないので研究内容の要約でもアップしようかと思案中です。あまり期待なさらずお寄り頂ければと願っております。 |
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21世紀美術館 |