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源氏物語が面白い。

この歳になって源氏物語に「出逢える」とは思いもよらなかった。GWの連休もなく個展にむけた仕事に明け暮れる毎日なので、流石に本は読めず、もっぱら youtubu での視聴になる。便利な世の中だ。手作業が主なので耳は空いてる。なので吉本さんの講義や宮台真司(デイキャッチャーズボイスが終了して宮台ロスに近い)TP人生相談、E-テレ「100分で名著」、そしてサッカーのトーク番組等ありとあらゆるジャンルを渡り歩いている。何とも有り難い職業に出会えて今更ながら感謝。

吉本隆明183講義は聴きすぎて重くなって来たので、いろいろ検索をし突き当たったのが『源氏物語』(54帖全て視聴できる)。

これ千年も前の、世界で最古の小説ということに先ず驚愕。僕は理系だったので現代国語も古文も極々いい加減にスルーしていた(高1のときの担当教師がクソだったこともある)。そもそも浪人するまで小説を手にとったことなどなかった。
吉本さんもよく言っていたが千年前位じゃ人心は然程変わらないのです。きっと縄文人も恋をしたり嫉妬したりしていたんだろうと思います。ただ現代人より遥かに純朴だったろうことは確かでは。それが証拠に、最近赤面する子供や若者に出会ったことない。小学校時代の同級生で、一度も口を利いたことがなかった無口な娘がいたけれど、今でもホームルームだったか、みんなの前で頬を染めている初な仕草を思い出せる。という僕も赤面恐怖症になったことがあります;;

そう源氏物語でした。
 
何とこの小説に登場する人物は500人ほどだそうです。それぞれが違った個性で描かれているって凄くないですか!
 作者の紫式部は結婚後3年程で夫が死去し、その後「源氏物語」を書き始めたというから相当若くして執筆したことになる。それでいてこれ程までの人間描写が出来たということは、紫式部が人間の内面を深く広く読み解き理解していたことになる訳で只々唸ってしまう。
youtubu で検索しながら視聴していると、多くの方々がこの一大名著に触れていることを知る。なので、つい脱線することもしばしば。面白いのは瀬戸内寂聴。ずっと以前は、凡庸な女流作家位の認識にしかもっていなかったが、どうしてどうして、これがケラケラ笑ってしまうほど人の心を掴むのが上手いので感心する。吉本さんも晩年は、あれだけの人々を惹き付ける彼女の説法を認めていた(昔は論述する作家には入っていなかった)。実際「吉本隆明183講演」で扱う源氏物語の切り口より瀬戸内寂聴の捉え方の方が面白い。

どの道、人間とは原生疎外と純粋疎外という心的領域で成立する…などと言われても多くの人を救えない。第一このフレーズ(吉本さんの三大著書の一つ『心的現象論序説』)に感化されたという人間に生涯一人も出会ったことがない。たった一人この僕自身しか救われたと言い切る人間はいなかった。

もちろん、多くの人が寂聴さんの真意を理解できているかどうかは疑問だが、でもそんなことは大した問題じゃない。分かったと錯覚させる力の方が、多くの人々の解かれることのない人生の謎や苦痛から一時でも開放させる。誰も人生の意味など分からないのだから…。
それにしても女性は逞しい(寂聴さんは、女性は薄情だと仰っしゃいます;;)。花から花へ舞移る蝶のように、女から女に移ってゆく光源氏を只々待つ局達の精神力たるや如何ばかりか。不倫の権化のような寂聴さんとは対局にあるような立ち位置。本気で心を交わしたら心が病んで身がもたないのと、女の性(生)が究極受精にあるという裏付けもあっての強さなのだろう。その証として寂聴さんが出家したのも五十一歳にして更年期を実感したためと吐露している。エロスと言うかリビドーの枯渇を感じ恋愛が面倒くさくなったと回想しておられる。もちろん、こういった言い方はしておられません。僕の解釈ですが大方間違ってはいないのでは。。何だかマンマで拍子抜け...... ?

何点かアップした源氏物語絵巻だが、この大和絵は作者不明とされている。しかし、実は女性が描いたのではと昔受けたBゼミ夏期講習で現代美術作家彦坂尚嘉が言っていた。その訳は、男はこんなにも野放図で大胆(図々しい?)な構図や描写はできないということ。成る程と思う。当時、紫式部がこれだけの文学的表現を遺したのだから、絵画の世界で同じ様なポテンシャルの女性がいたと考えるのは理に適っている。
 
当時の貴族たちは絵を嗜むのも教養の一つと考えられていた。ただし、貴族は中国伝来のモノクロの墨絵が一般的。女官とのやり取りは、何も短歌に限ったことではなく、絵のやり取りで心を通わせてもいた。彩色画はプロの絵師が担っていたと言われるが、あれだけ豊かな心情をもっていたら、世界に色を付けてみることなど訳なかったはずだし、第一その方が自然で正直だと思える。当時の女性が漢字を用いることを禁じられ、女文字(仮名文字)で書くことを強いられていたが、教養ある女性は当たり前に漢詩を読めていたことからも、彼女らの深く豊かな色絵描写の可能性を推察できる。
 
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