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お陰様で何とか無事に博士課程前期を修了し、先月末修士号を取得しました。

正直長かったです。その分、修士論文を仕上げる中で、特に芸術祭全般や「ボーダレス・アート」に関してかなり深めた研究ができたことは、最終章をむかえるこれからの人生に活かせるものと思います。

2015年春 キャンパス
いつでもそうなんですが、過ぎてしまうと、それが直前の出来事だったような感覚をもちます。そう、昨日院に入学した様な感触がどこかに残っています。

最近の量子力学によると、未来も、現在も、過去も同時に存在すると考えられるそうです。同じ意味で、将来が現在や過去を規定するとした実存主義の感覚は今もって頷ける気がします。

そして、先週は既にあっさりと仕事モードとなり、昨年に続き「金沢クラフトビジネス機構」の第三回講座(参加者は、ほぼ卯辰山工芸工房出身者)で春の金沢へ。

犀川(金沢)
この地に山陰から訪れると、もう雲泥の差がある。裏日本を在来線経由で来ると途中敦賀から特急に乗り換える。経験上自由席など空席がある訳がないのを知っているので指定席を予約するのだが、事情を知らない旅行客は、嘘っ!ていう感じで通路に びっしり立ちん坊状態で気の毒だ。

市内は、銀座の様な国際色豊かな配分で旅行客が分布している。世界各国から満遍なくいらしているようにみえる。

兼六園から卯辰山を望む 
講座の参加者は9人。前回の参加者が半数。新しい参加者に fumm といわせる青年が入ってきたことがちょと新鮮。 fumm の中身は❝関係性❞? いや、彼の関心ごとが「関係性です」というフレーズに何か新鮮さを感じたという訳です。今時だなぁというか、いい意味での時代の感受性の先端を行っているのでは.....という期待を持たせるのです。

この三年間、特に修論完成に向けた 最終年度は芸術祭の研究が主だった関心ごとだったので、そこでは近年(2000年~)トレンドとなっている地域型芸術祭を題材に研究を深めてきた。

この「地域型芸術祭」とは、それまでの芸術祭というか展覧会のスタイルが、作家の制作した作品をホワイトキューブ(美術館のこと)に展示し、それを観客が鑑賞するといった、言わば一方向性のものだったものから、作品を制作する作家と地域住民やボランティア、展覧会の主催者やプロデューサー、そして行政が相互に連関し協働して制作運営にあたり、加えてその成果物を単に展示するだけに留まらず、観客がその作品に触れたり、何らかの形で関わるといった双方向性をもつものをいう。

つまり、作品を媒介とした人々の「関係性」そのものが主役となり、そのことが文化資源となるといった構造をもつのが、欧州発の新しい表現スタイルの地域型芸術祭です。そして、同じスタンスに自覚的である若い作り手が講座の参加者にいるということは、僕にとっても学びが大きいと今から期待しています。

犀川(金沢)
 
院を正式に修了して未だ一週間ほどですが、もうすっかり学生気分は抜け全くの仕事モードになっている。
 修士論文に向けた研究はことのほか楽しく充実した時間をもてたが、院で教わることは新鮮さに欠け正直レベルも低い(エコ学科一部を除く)。比較しているのが吉本さんやミシェル・フーコー、そして現象学(ハイデガーやメルロ・ポンティ)だったりするので無理もないのですが…ここ毎日、以前と同じ様な生活スタイルに戻ったことでなおさらそう感ずる。

手作業の強みで耳が空いているので作業中YouTubeで AI や最先端のビジネスモデルを視聴すると、この三年間が浦島太郎状態だったことに気付き愕然とする。AI に関していうと国立情報学研究所の新井紀子教授の人工知能「東ロボくん」研究開発プロジェクトのコンセプトが興味深いというか深刻だった。

このプロジェクトを思いついたきっかけは、AI は0と1の組み合わせで演算を進めることなので、そもそも数学的営為になる。ということは、物事の「意味」を解いている訳ではなく、単に演算することが優れている(今では人間より遥かに)ということだけなのだが、これだけでも多くの職業を人間から奪うということの危機をどう分かり易く伝えるかにあったという。
 
 
丹波氷上の「花筏」
 
もしAI が東大入試に合格しないまでも東ロボ君がMARCH (明治・青山・立教・中央)、DORITU(同志社・立命館)、 KANKAN(関西学院・関西)に入学できる偏差値57を二年続けて出したことで、トップ1%の職業は無理としても、トップ20~30%までの能力の職業は、今後ロボットに取って代わられることを証明してしまったことになると新井教授は仰っていた。

重要なのは、そのとき大方の人々は、トップ1%以下のところに所属している訳で、果たして仕事へのモチベーションが持続できるのかという難問とどう向き合うのかということ。これは、500万、600万の学費を回収できないのに大学に入る意味があるのかという事と同義になる。こういった事態でも前向きに仕事に就くにはどうしたらいいのかを考えるため、東ロボ君を始めたということだ。

いやはや、知らないうちに世の中とんでもない状況になっていたことにびっくり。

ただし、ロボットは人が人を好きになることの「意味」は理解できない、つまり好きになることの意味をロボット=数学は解けないという事は事実なので、そこは救いか。。でも、劣化が激しい人間が、人を本当に損得を超えて好きになるのかどうかの方が怪しい状況だ......
 
 
丹波氷上「花筏」
 
さて、入学前に通っていた古文書教室の先生も大分ご高齢になられたので、先生のお持ちの膨大な資料を前々から 電子化したいと思っていた。今年は六本木SAVOIR VIVREの個展や金沢での講座も控えているのですが、ここは大義をとって「kitakinki-komonjo.com」のドメインを取得し重要な資料から web にアップすることを決め動き出した。

昨日、院の後輩を連れ立って三年振りに教室に出たところ、院の講義とは比較にならないほど深く興味深いお話が聴けて、これはもう森田先生の解説を含めて一日も早く official web site を立ち上げねばと気を引き締めた次第です。

 
 
氷柱 1/27
 
 ほんの二ヶ月ちょっと前 ↑ の様な寒さだったのですが、いつもの様にここ但馬にも春が来ました。

今回 AI が「意味」を解さないということに触れましたが、「人が人を好きになる」という事実の中身は、いろいろな意味で濃い様です。

以前、スーパーモデルの様な姪っ子が、特待生(高校)のクラスでトップの成績の男子に告られたものの「人が人を好きになることの意味が分からない....」と相談?を持ち掛けられたことがありました。彼女も家族のことで幼いころから苦労をしてきた娘なので、その時の僕の回答は「1体1で対面しているだけでは、異性を好きになることの意味は分からないかも知れないよ…もう一人の異性、あるいは同性が、二人の関係に関わってきたとき、好きということの中身が分かるかも知れないかな。。」でした。

まるで AI との会話の様でしたが、人間といえども「好きになる」ことの中身は謎で、そう簡単には掴めない様です。対幻想を強化するのは、もう一人の他者の存在がものをいうのです。実は、対幻想を成立させるには鼎幻想へと進化する必要があるのではないでしょうか。。 AI にとって、混乱極まりない感情が戀愛という在り様だと思います(あまり分かったようなことは言えませんが....)。

大分日常が戻ってきました。この web site の更新も以前通りに戻れそうです。多少のリニューアルを進めてみたいと考えていますので今後ともよろしくお願いいたします。
 

金浦地区の花見(金比羅山)
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