備 前 | ||||||||||
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かれこれ10年ぶりで、備前伊部の地を訪ねた。前回は家族旅行をかねた家内の仕事がらみ での訪問であったが、今回は備前市の教育委員会から呼んでいただいた。国史跡の南大窯 を新たに北大窯・西大窯と含めて国の史跡として指定されたことを記念するシンポジウム のパネラーの一人になった。 | ||||||||||
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同じパネラーとして前回の備前訪問で御邪魔した金重友邦さんが居たのも奇縁というか必 然というか。史跡の活用といったことが一つのテーマではあったので少し早くについて暑
さのぶりかえした伊部の町をぶらぶらと歩いてみた。 少し整備されすぎてしまった感がなくもないが、そこここに、これはと思える景観がある し、ずいぶんリッチな感じのする町である。小ぢんまりとまとまった町とその近くに50メ ートルを超える窯跡がある。これを歩いて散歩するだけでずいぶん楽しい場所になる。 |
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もし、金があるなら電線の地中化などが行われるとさらに素敵な空間になるようにおもっ たのであった。それにしても室町時代から江戸時代にかけて使われてきた窯が遺跡として
のこっているのは羨ましい。常滑は大窯の密集地域に近代化の波が押し寄せ飲み込まれて しまった。 翌日、高校の修学旅行で来たことがあるようなないようなという程度の記憶しかない後楽 園と県博を訪問。県博の展示に水の子岩からの備前焼一括資料を見ることができてうれし い。そして、後楽園。 茶室やら能楽堂、滝があって島があって八橋が架かって、といった具合で御大名の庭には 趣向をこらした装置がなんでもある。 そして、誰の目にも美しく映るようにできている。 偏屈者の目からは深みに欠けるなどということにもなろうが、それはそれで楽しめるので あった。 そして、こういう空間には観光客がぞろぞろとやってくる。さすがに京都や奈良、鎌倉な どといった所は輝きが違う。 ただし、金ぴかものよりくすんだ燻し銀をも美とする文化を この民族は持っている。常滑や伊部をおとづれる観光客がそこに光を観るとすれば、後楽 園のそれではない。 |
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後楽園から岡山駅までぶらぶらと歩いていると県立美術館があった。ふらりと入ると世界 の面の企画展示。アフリカとニューギニアのものが中心であったが、このコレクションが 素晴らしいというよりない。なんとも胸にせまるものがあるのだが、これは神々の姿であ るからなのかしら。燻し銀系ではある。 | 常滑市民俗資料館 |
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往復書簡
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