孤 独  
北京大学が学生600人のDNAを解析して2割ほどの人が孤独のDNAを持っているという事を明らかにしたというニュースをネットで目にした。詳細は分からないので勝手な解釈だが、自分もそれを持っているように思う。

いろんな方面からお誘いをいただくのだが、このごろはとても腰が重くなって来たように思う。集団の中に入りたくないという気分が強くなってきた。あるいは老人性欝というのかもしれない。
 
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2005~2015  常滑レポート index
集団から離れて別の天地を求めるというのは、人類の出アフリカ→地球全域拡散に通じるものだろうか。縄文社会が小ぢんまりとした集落しか営まないという事にも関連するのだろうか。

家の子供たちは友達をいっぱい持っていて週末ともなると夜通しくっついていたりするのだ。まあ、自分も若い頃はそれに近いところがあったようにも思えるのだが小・中・高の友達だった連中ともよほどでなければ会うことがなくなった。
 
大学時代の友とも会わなくなって久しい。そして、それが淋しいというわけでもない。一人でだだっ広い畑の中に雑草と戯れているのが、なんとも幸福を感じるのだもの。などと言いつつ、SNSを通じて全国の知り合いとやり取りしていたりもする。

学校の講義も行くし大学院のゼミにも顔を出している。市民講座などの講師も安請け合いして、のこのこ出かけていったりもする。何が孤独の遺伝子だって怒られそうだ。集団から離れようとしつつも何らかの形でつながっている。
   
なんのかんの言っても孤独に耐えられるものではなさそうだ。ただ、群れることを嫌い畑の野良を楽しみ疲れれば軽ワゴンの荷台に積んだ座椅子に寝転び読書に耽る。帰って晩御飯を作って家で酔っ払うという日常が理想郷のように思えているだけなんだな。

世に言う引き籠もり君たちも、意外にネットで威勢の良い事いってたり、ゲームの世界ですごい人になっていたりするのだろう。案外都市的な街にいることで隣近所の目から自由でいられる。隣近所との密接な交流も悪くはないのだろうが、そこにはそこなりの息苦しさがある。
 
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これから、どんどんと根無し草化していくだろう自分が予測できる。それは旧石器時代のキャンプ暮らしへの回帰なのだろうか。周りに満ち足りた環境があり、しかも集団のストレスが掛からないような規模の緊密な小集団による定住などというのは所詮ユートピアの幻想であって実現などしようはずもない。あるいは核家族というのが、その現代版だったのかもしれないが、それも崩壊しつつあるようだ。

家族を作らない若者は確実に増加している。彼らの孤独を支えるのは何になるんだろう。そういえば同村の小学校の同級生男子で独身者が4人はいるな。僕の世代からすでに核家族の崩壊が始まっているたのかもしれない。