振り返りつつ  
毎週90分の講義を木曜日に2回やり、月曜日の大学院のゼミに客員のような形で参加する生活が始まって2ヶ月が過ぎた。当初考えていたよりもはるかに忙しく、なかなか畑にも通えない。

講義の準備がなんといっても一番時間の掛かる作業だが、どれほど学生諸君に届いているのかと問えば、はなはだ心もとないのが現実だ。
 
常滑レポート index
 06/24   振り返りつつ
 夢のような
名前の世界
予定調和
かめら
論文提出 
 こんびに
小鮒釣りし
 論文提出
前近代・近代の彼方 男と女 
異 形 
ファール 
しみじみ
子どものころ
渥 美
飽和点 
世界
青い鳥
田舎暮らし
 日記
 自画像
人類史的転換......
美しき都会
 暗黙知
感動せんとや
稔りの秋に
バベルの塔の物語 
若者たちと
蝉時雨聞きながら
 行く末の記
過剰なるものども
 梅雨入り直後
笛を吹いてはならぬ 
 晴鳶堂の記
 桜咲く
 若者三人
忘我に導かれる事 
立春 
一区切りの正月   

2005~2014  常滑レポート index
世の中は極度に情報化され、受け手は細分化されたテーマの情報を分化した集団で深く共有する傾向にあるように思われる。大学でマンガがカリキュラムに取り上げられ、コミュニケーション力を身につけることも重要な教育だとか。旧来の文学部的情報は埋没気味だ
と感じる。

いうまでもなくアイドルやゲームといった領域では学生たちの情報量の足元にも及べないのである。よって、上から目線で学生諸君に対する事はない。叱ることもしない。
   
先生の講義は自由で楽しいなどという感想を書いてくる学生もいる。なにごとも、やればやっただけのことはあるのであって、やらなければやっただけの事を得られないということである。まさに自己責任ということになろう。

そんなこんなしつつも今月は鎌倉に出かけて平泉や福島、関東、伊豆の中世考古学仲間と大倉幕府跡の井戸から出土した幕府成立期とおぼしき一括遺物の検討会に参加。2泊3日の旅となった。、先月は久しぶりに東京、日大文理で開催の日本考古学協会の総会で近世考古学のセッションを聴き、4月には越前一乗谷の朝倉氏館跡で開かれた花見の酒宴にも泊りがけで参加している。
   
その合間にも平安時代の灰釉陶器の検討会で浜松や三好に出かけ、守護所のプレシンポジウムを聞きに小牧に出かけたりと、あちらこちらに顔をだしている。そして、昔からの懐かしい顔や、新しい世代とも新たな結びつきが出来てくる。

こういう場を求めてこれまでやってきたのかもしれないなどと思ってしまう。そして、多分鎌倉の、ひいては東国の「かわらけ」研究の新しいページを開くお仕事にガッツリと参画することになりそうだ。かなりなキーマン的ポジションである。
 
 
振り返るとずいぶんいろんなことをやってきた。30代かと思われる若手研究者から、直接お話ができて感激ですなんて言われるとリップサービスとは認識しつつもまんざらでなかったりする。

そして、自分がやってきたことを振り返ると、あちらこちにらに大きな穴が開いていることに気付かされる。大学院でのゼミで特にそれを感じるのだが、どうもその穴を繕う仕事ができるかどうか。無理かなあとは思いつつ、問題が存在しているということだけは、常に意識していよう。そして、そういう環境に身を置いておきたいと。
     2005~2014  常滑レポート index

 page top