六本木 AXIS 中庭 吹き抜け |
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いや~ AXIS は、今もってモダーンであります。 好評の内、SAVOIR VIVREでの個展『KAMAKURA』が終了しました。お忙しい中御来廊下さった皆様、実にありがとうございました。 歳でしょうか、ちょっと疲れが残っています。でも、やるだけやったという実感を持てているところが大きいです。もうちょっと出来たのでは・・・・という思いもありますが、ここは欲をかかず次の機会にこの思いを譲りたいと思っています。 |
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axis 中庭吹き抜け 倉又史郎デザインの階段 |
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日本の景気は悪く、シケタ話しか聞こえてきませんが、どうして僕の個展はどこ吹く風・・とまでは言いませんが、価格の張るものから求められる不思議な現象も手伝って成績は先ず先ずでした。30年近くお付き合いのあるSAVOIR VIVREにも、それなりに恩を返せた様な気がしています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
axis 中庭吹き抜け |
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個展の直後は、いわゆるエポケー状態で、一旦リセットしなければ・・・・というスイッチが入り、あまり思考が働きません。なのであまり言葉がスムースに出てこないのです。でも、無意識は、次の個展の準備をしています。ここはプロでしょうか。 こんな風に言いながら、暖気運転して次の言葉を探しています。。 |
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今回も、いつものようにSAVOIR VIVREオーナーの車で送迎(実は、オーナーも店長も我が町逗子の住人です)してもらい社長待遇なのでとても楽です。とは言うものの個展が済んだら一息つきたいな~と思っているけど儘ならず、今日も連休なのに仕事です。作品にサインを入れたり、塗り足したり等々で結局仕事をしています。おまけに六本木三つ星レストラン『龍吟』さんの折敷の修理で試行錯誤しています。 厨房に入れば、そこは謂わば戦場で、手際よく、かつ早く器を洗い片づけて収めなければ先輩の檄が飛ぶ。なので器に対しての細かな気遣いはどうしても欠ける。仕方ない。 でもこちら作り手は、酷使されてすり減り、ぶつけられたり、落したりされて角が疵付いたところから水が染み込み大きくダメージを受けた折敷の修復で躍起になる。 折敷の素材は、天然木や合板だと狂いが来て反り上がり、卓の上でくるくる回ってしまう。なので僕はMDFという均質に揃えられた木粉を圧搾して作られた新素材を使っている。これだと先ず反りが出ず狂わない。おまけに漆との馴染みもいい。ただ一般の家庭で使われる分には問題はないが(今までトラブルはゼロです)、頻度高くお店で酷使されると今回の様な修復が必要になる。 |
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修復中の折敷・・・・・水分を抜くためにドリルで細かな穴を開けます |
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「直し」は基本好きです。以前「修繕」でも触れましたが、修理をしていると何処か深いところで癒やされる自分がいることに気付かされます。なので↑の作業も何ら苦になりません。けっこう疲れが残っているはずですが夢中でドリルの穴明けに没頭してしまいます。 夜なべは基本日本酒で一杯やりながらこなすのですが、疲れが残っていて酒を飲む気もしません、美味しく感じないのです。。じっと仕事をこなすのみであります;;; |
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長崎からネットでオーダーを頂いた『獅子牡丹紋彫り大椀』です↑。今回は緑青部を、まるで中国で発掘されたばかりの青銅器の加飾のように一部金色を残し、いい感じになりました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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結局、国会議事堂の「議長席」や「演壇」、そして、後ろの壁に彫られた浮き彫りのイメージを捨てきれず、今回は緑青は止めて、欅の目を活かした摺り漆と胴摺りで仕上げることにしました。合鹿椀としては値が張るものでしたが早くに貰われていきました。こちらの意図をすんなりと理解して頂き嬉しい限りです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
合鹿椀『海の幸』 「調理法:焚・擂・漉・蒸」 「調味料:塩・醤油・胡椒・砂糖」 |
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やはり考古学者のハカセこと常滑の中野さんは、遺跡から発掘された骨片を象った殷墟文字合鹿椀『海の幸』をわざわざ上京して求めて下さり感謝の念にに堪えません。これ傑作です。 近く(麻布十番ギャラリー)で常滑は吉川千香子さんの個展があったので、かねてからのファンであるハカセ(最近吉川邸に行き浸っているとか。。。)と出掛け、僕自身は、作品より本人の方が何倍も絵になると思っていますが、ビールジョッキ?らしき手のトッテ付きのグラマラスな器をゲット。かわいいです。 |
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作:吉川千香子 |
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陶器は沢山作れていいな。。 羨ましい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
SAVOIR VIVRE テラス |
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終わってしまうと個展も、あっという間で、何だか寂しい気がします。SAVOIR VIVREのオーナーと店長も30年の付き合いですが、お互い歳をとったな~という感じで、僕の無意識は、やがてこのgallery も幕を降ろすときが必ず来るんだ。。と一瞬感傷的になったりします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
そう考えると、残された日々をもう少し充実させねばと気合いが入りますが、これまでのSAVOIR VIVREとの30年近いお付き合いも、思い返すと10日間の個展のようにあっという間でした。お互い歳もとるはずです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
今回の個展会期は十日間でしたが、何とも盛りだくさんでいろいろな出会いがあり中味の濃い個展となりました。 20年近く経ったでしょうか北河原ご夫妻にお目に掛かるのは。お二方ともいい感じにお歳を重ねている様子で若い頃より素敵に見えました。芸大の建築学科の教授になられたと聞いているので、毛色はまったく違いますが、宮大工だった僕の叔父の話をしたところ「お名前は何と言いますか」と尋ねられるので「真木建設の田中文男です」と応えたところ「田中先生なら芸大に教えに来ていました。生徒は勿論、よく教授達も叱り飛ばしていましたよ♪」ということでした;;; 「バカ野郎!」・・・・僕もよく叱られました。でも暖かいのです、その言葉が。ああいったタイプの人間は、もうこの後出てこないと思います。 25年ほど前でしょうか、京橋のINAX GALLERY で「継手・仕口」と題するもの凄く評判の高かった展覧会を叔父さんはもった。これは、釘を一本も使わずに建てる伝統工法で、奈良の法隆寺などもこの工法で建てられ今日まで伝わっている。そして、この展覧会は、その後フランスへ渡りパリのポンピドーセンターでも好評を博した知る人ぞ知る日本の誇る展覧会だった。 |
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「田中文男を偲ぶ会より抜粋」 |
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この動画↑↑は、『田中文男を偲ぶ会』の際、叔父と付き合いのあった木場の職人達が叔父を葬送してくれた時の特別な木遣(きやり)です。ちょっと長いので始めを端折って観て下さい。フィナーレは感動ものです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
Roppongi - Hills |
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こんなに長く語ってしまいました。二年振りにトーマスさんに案内されたリニューアル後のアメリカンクラブのことや、SAVOIR VIVREのPCウィルス感染やPCトラブルなど、結構ドラマがあったのですが、このことはまた別の機会に譲りたいと思います。 すっぽりと抜け落ちた僕の卯月ですが、気付けば、目に染みる新緑でカバーしてもらえそうな風そよぐ五月です。 では、では。 |