「鶴」
 
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  本来なら Toda's working で更新する内容なのですが、仕事が押せ押せになって余裕がなくなりつつあるので、、ここ最近に制作したものをちょっぴり紹介します。



この古文字椀は、かみさんのお母さんの実家が造園業をやっていて、そこでの退職祝いの記念品として長年注文を頂いている椀の一種です。
 
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essay +column+
2009 & 2010 Today's image index
 
「亀」
  元々「古文字=殷墟文字」は、甲骨文字から始まって、中国古代で「」尊」と呼ばれるブロンズ製の酒器の底部に鋳造された文字(金文)なので筆で書かれた文字とはその趣が違う。そういったことから今回は、古文字を掻き落としで書くことにして、より殷墟文字の筆致に近い面白みを狙ってみた。



当初、白檀塗り(金属粉を蒔いて乾いた後、その上に透き漆を塗る塗装法)にしたが、透きがあまり良くなかったので、結局炭研ぎして光沢を出して仕上げた(こちらで正解でした)。
 
 
一休荘
 
  仕事とサッカーでフリーズしてました。申し訳ない;;;



先週金曜日、この春オープンする『館・游彩』に関係した作家とgalleryを施工した事務所(鹿島建設)の担当者が招かれ、御殿場の一休荘で「ごくろう様会」があり愛車の mini でで駆けつけました。最近のコンパクトカーナビは、無茶苦茶よくできていてピンポイントで行き先を案内してくれる。でも、この一休荘があまりにもでかすぎて通り過ごしてしまいました;;;;


だって、普通「荘」といったら、精々大きな別荘くらいに思うのが普通だと思うのですが、一休荘は違ってました。東京ドーム2個分もあろうという日本庭園の敷地に茅葺きの東屋が四つ?本館を含め大きな棟が三つもあるのです。普段は外国からの要人をこの日本庭園に招いて接待するそうで、お抱えの調理人が常駐しているというから、何かまったく次元の違う世界に招かれた心持ちでした。
 
本館と井戸
 
  でも、接客して下さったオーナーのY総業さんご夫妻は、とても気取らないフランクな方なので、こちらもリラックスして異次元空間を堪能しました。    
 
東屋と富士
 
 
   夜中の2時まで皆さんと呑み続け、苦手なカラオケも忌野清志郎の「Day Dream Believer」がリストに無いので(酔っぱらって探せなかった)竹内まりやの「元気を出して」で外しました;;いまカラオケは、気持ちよく好きな歌をく歌うツールではなく、みんなで盛り上がるツールなのでオジサンには馴染めません。ここ何年も歌ってないので止めた方が賢明だったかな。。  
   
  食後の1本50万円のフランスワインの味は・・・・・・・その違いが、貧乏人には分りませんでした;;;;  
     
  大きな箱庭・・・・という言い方は可笑しいのですが、日本庭園そのものが、人工的な自然を作為さを感じさせないように、まるで始めからそこにあったかのように構成し表現するわけですから、案外外れてはいないような。。でも、よく手入れされていて落ち葉一つ落ちてません。これはこれで好い感じです。
 
  
 
  この茅葺きの東屋・・・・実は、焼肉ルームであります。窓に則して畳も敷かれています(何て贅沢な)。僕らは母屋で、お手伝いさんが、一つ一つ吟味されたお肉をシャブシャブのタレの入った器に運んで下さるのでした。何だか申し訳なくて、いちいち「ありがとうございます」って言ってしまう僕は育ちが分ります。だからといって卑屈にはなりませんが。



でも、正直こういう方がいないと、日本の伝統工芸なんか風前の灯火です。恐らく今後オーナーは若い工芸家を発掘してどんどん育ててゆくのではと思います。僕らオジサン達が先陣を切るというか、露払いというか、それなりの実績で、これからの「館・游彩」の道筋を付ける・・・・と言っちゃ何だか偉そうですが、日本はもちろん海外に向けても発信し続けることで初めて、この新しいgalleryを作った意味が出てくるというものでしょうか。



galleryという業態が転機を迎えている今、現代の工芸をどう伝えていくか、その使命をオーナーと作家、そして企画者は強く自覚し推進させていかなければならないことを、今回の集いで確認し合ったということになるかも知れません。そうあって欲しいと願います。
   























団 欒
 
  いま、日本の経済は、あらゆる商品が海外で消費されることで回っている。それは、今の日本人そのものの生活水準(≒給与)を維持するには、日本国内での消費される絶対量では賄えない。当然、海外に向けて魅力ある商品を輸出しなければならない。

また、日本では、魅力あるアイテムが市場に溢れている。従って、工芸はかつてのような優位な位置にはない。結果として国内でのマーケットは縮小している。こういった状況の中、工芸も生き残りを欠け海外へ積極的に打って出なければならないと思います。でも、どの国へ・・・・・。



この問いの答えは簡単ではありません。先ずは中国が考えられます。資本主義の宿命として、先々バブルが弾けるとは思いますが、それまでは世界経済をリードし続けるでしょうから輸出先の筆頭にあげられます。その理由は、共通した文化のDNA をもつことが大きいでしょう。

今回の集いのなかでも、最早中国は先が見えているので、次はインドやブラジルでは・・・・という声もありました。BRICs諸国が世界経済を牽引するのは間違いないのですが、日本工芸の理解者に彼らがなるかというと、僕には疑問です。とくに漆工芸品は難しいのではと思っています。嘗ての西洋のようにジャポネスクばりのムーブメントが起きるとはとても思えません。

グローバル化の徹底で、世界がほぼ均質化した段階で初めてインドやブラジルで日本の文化が許容されるのではないでしょうか。それまでは難しいように感じます。従って、それまでは中国が一番の輸出相手国(理解者とはちょっとニュアンスが違います)になるような気がします。
   
霜 柱
   手工芸しかなかった時代には、器物を中心とした工芸は、霽の演出と褻の実用を担う中心的アイテムだったはず。今の時代は、手工芸以外に膨大な生産規模をもつ工場から、人の目を惹くくアイテムが次から次に生み出される。そして、それらを密度高く張り巡らされたネットワークを使って、広大な範囲をカバーする物流のスピードと輸送量は桁違いに大きい。



こういった状況の中、工芸を魅力あるものとして受け入れてもらうには相当な工夫が必要になる。昔のように卸業者に企画を任せ、先方から来る注文を右から左に流す時代は、もうとっくに過ぎてしまった。作り手自らがマネージメントをしなければならない時代になっている。むかしは、こういったことが不得意だからこの世界に入ってくる・・・・という生き方はありだった。でも、今は違う。
   
「館・游彩」..............アイテムセレクト中













二階茶室へ..........
  よく息子と話す..............


「むかしはさ、お金のことなんかほとんど考えずに済んだんだ。それでもなんとか生きて行けたし、そういった生活スタイルに誇りも持てた。人生金じゃないんだよ・・・・と平気で言えた・・・・・でも、いまはちょっと違う。と言うのも、日本の今の状況は、生活の基盤を支えるためのお金が、もの凄く掛る。」

「例えば家賃とか、光熱費、教育費etcそういった生活の基礎を支えるために必要なお金が尋常じゃなく掛る。世界水準でいったら日本の所得は可成り高いレベルにある。でも、普通の生活をするのに最低限必要な経費も突出して高い。なので結局、余裕のある生活をするのがとても難しい国になっている」。

「そういった事情から、生産性の低い伝統工芸の世界で生きてゆくのはとても難しいのが現状だ。だから、地域の地場産業で新規に若い人をは受け入れることは難しくなり、入りたくても”喰えない”現実を前にして敢えて伝統工芸の世界に身を投じる物好きな若者は少ないのが現実だ」。



日本の社会には、未だ未だ古い因習のようなものが残っていて「男は大黒柱として家族を支えなければならない」という無意識が社会の常識を作っている。なので、喰えない工芸や美術の世界に興味を持っていても、男子一生の職業として就くのは二の足を踏む。それ故80年代からこの世界では女性の方が元気だ。その理由は簡単で、社会の常識として女性は仕事で失敗しても"永久就職"はあるし、”家事手伝い”という、男子にはない就職先が用意されている。



男子は、就いた職業で家族を養うのが当然と考える社会の無意識がある以上、喰えない工芸の世界に就く男子は少なく、それが工芸全体の凋落に拍車を掛けている。仕方がない。
     
   日本は輸出で回っている国なので、世界のほとんどの国で黒字になっているが、いくつかの国(10ヶ国に満たない)では赤字になっている。興味深いのは、それら対輸出赤字国が、ブランドとしての伝統的な手工芸をもっているという事実。

例えばイタリア。ファッションはもちろん、革製品など数多くの伝統工芸をブランド化して外貨を稼いでいる。

ブランドとは、しっかりとした質と技術に裏打ちされた神話と、その継続する歴史だといえる。日本の工芸は、質と技術に関しては、西洋のブランドと比べ決して劣らない。ただ、近代化の中での歴史が未だ足りない。そこが、日本の伝統工芸がブランド化出来ない理由の一つだと考えられる。だからといって、じっとただ時間の経つのを待つ余裕はない。



一つヒントがある。白物家電は、最早韓国メーカーにそのシェアを奪われている。ただ、中国や一部のアジアでは、依然として「日本製」は高品質で通っているという。当面、中国は、日本の伝統工芸にとってよき理解者であることは期待出来る。特に、中国には「近代」が、植民地化というその歴史中で抜け落ちているので、日本の工業技術には追いついても、デザインなどの文化的水準に追いつくには、まだ相当な時間を要すると思われる。そう簡単に追いつくことは難しい。そこが狙い目かも知れない。 
  
     
  どぶろくをひっかけながら更新してます♪


グローバル化とは、市場つまり資本が世界規模で拡散し”商売相手”が国内で閉じていない状況をいう。これは、好む好まざるとに関係なく国家を超えた経済活動を志向する。工芸も例外ではない。ここをどうマネージメントするかが、工芸の将来を決定づけることは間違いないが、その手腕を獲得するのが簡単ではない。
 
 












炭研ぎ前の落書き錫蒔 table











 炭研ぎ後
  「 作家とは、マーケットに逆立する存在だ」・・・・・と言ったのは、確か現代美術作家彦坂尚義だったか。。

ものを作ることの中で、その制作中は、そのものが幾らで売れるかなどノイズでしかない。そこの部分はリセットして仕事に取り掛かるのが自然だ。でも、残念ながら作家も現実の中で生きていかなければならない。霞を喰って生きてゆけるほど今の社会は甘くはない。この現実を受け入れつつも良い作品を作り続けることは可能か・・・・・・。

この問いに、先週の video news . com のゲスト波頭 亮(はとう りょう)(経営コンサルタント・(株)XEED代表)は、とても参考になる提案をしていた。このインターネットによるニュース報道は、現存する報道番組で最も信頼出来ると確信している。月額525円なので皆さんにも是非会員になって頂きたい。


要約すると・・・・・・

日本の経済は、常識的に言って良くなる見込みは構造的にないので、経済成長を志向して公共事業などに少ないパイ(国家予算)を使うのではなく、今あるパイを上手く「配分する」指向へモードを変えた方が良い、そして、ベーシックインカムを徹底させて飢え死にしたり、野垂れ死にしたりすることのない、どんな境遇でも最低衣食住(波頭氏は、医食住と言ってます)は保障される社会を構築しないと、日本はお金のことばっかり言う薄っぺらな社会になってしまう。



小泉政権のときのブレーンが、そう言っているところがミソです。
 
   
  ベイシックインカムが整備されると、最低生活が保障されるので、工芸家やアーティストは、お金にならない仕事でも、その魂の声に誠実に応えることが可能になる。伝統の美に胸を打たれてしまった魂に応えることも可能になる。
 お金が一番の関心事である社会では、こういった魂は死滅する。そして、交換可能な風景が何処までも続く社会になってしまう。




今進めている仕事の写真をアップしようとしたところ、お気に入りのデジカメのレンズが曇っているのが気になっていたので分解整備することにした。

このカメラ↓もう7・8年使っている。HP用なので300万画素で十分だ。他にも高画素のデジカメをもっているが、撮った画像を順次送って確認するための回転ダイヤルの操作音が「ぽわん・ぽわん」と何とも気持ちいい。。そのため捨てずにずっと使ってきた。けれどもこのところ撮った画像がハレーションを起こして雲が掛ったようによくなる。レンズをみると内側にカビ。もうここは、”修理”でしょう;;;
 
マル激トーク・オン・ディマンド 第566回(2012年02月18日)

分配社会のすすめ

ゲスト:波頭亮氏(経営コンサルタント)
 
 アメリカのリサーチ会社ピュー・リサーチセンターが2007年に世界47カ国を対象に行った世論調査で、「自力で生活できない人を政府が助ける必要はあるか」との問いに対し、日本では38%の人が助ける必要はないと回答したそうだ。これは調査対象となった国の中でもっとも高く、欧州の先進国や中国、韓国などはいずれも10%前後だった。伝統的に政府の介入を嫌うアメリカでさえ、そう答えた人は28%しかいなかったという。

 この調査結果を聞いた経営コンサルタントの波頭亮氏は、日本では「人の心か社会の仕組みのどちらかが明らかに正常でない」と考え、経営コンサルタントの目で日本のどこに問題があるかを分析し、独自の処方箋を考案した。

 それが氏が著書『成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ』で提案する分配社会のすすめだ。

 波頭氏の主張は明快だ。少子高齢化が進む日本には、もはや大きな経済成長が期待できる条件が残されていない。にもかかわらず、政府は経済成長を目指した的外れな政策を採り続け、結果的に経済がほとんど成長しなかったばかりか、その間、国民所得は増えず、貯蓄率は下がり、貧困層は拡大し続け、結果的に社会不安ばかりを増大させてしまった。それが「困っている人がいても助ける必要はない」と考える人が世界一多い国になってしまった背景だと波頭氏は言う。

 そして、これまでの成長を目指した政策に代わって波頭氏が提唱するのが、公正な分配政策だ。波頭氏は、これからは日本はいたずらに成長を追い求めるのではなく、すべての国民がほどほどに豊かさを享受できる成熟国家を目指すべきだと言う。そしてそれは、現在40%とアメリカに次いで世界最低水準にある税と社会保障の国民負担率を、イギリスやドイツ、フランス並みの50%に引き上げるだけで、十分に実現が可能だと言うのだ。

 経済学者ではない、敏腕経営コンサルタントが提唱する重症日本の処方箋とはどのようなものか。ベーシックインカムの導入まで視野に入れた分配論を展開する波頭氏と、今日本がとるべき針路とは何かを考えた。

波頭 亮はとう りょう
(経営コンサルタント・(株)XEED代表)
1957年愛媛県生まれ。1980年東京大学経済学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社主任研究員などを経て1988年独立、経営コンサルティング会社(株)XEEDを設立、代表に就任。著書に『フェッショナル原論』(ちくま新書)、『日本への進路-「成長論」から「分配論」へ 』(ちくま新書) など。
 

















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   予想通りのカビで、でもレンズクリーナーで拭いたら綺麗にとれた。



どこか何となく寂しいとき、どうやら修繕モードに入るらしい。修理作業に、何故だかとても癒やされる自分がいます。。
   
かみさんのギブス用の靴
 
   昨日は、雨の中サッカーの試合があったのですが(この歳で雨中でサッカーは勘弁願いたい;;;)かみさんが足を骨折。でも仕事は休めないので送迎とあいなりました。

かみさんは足が長いのですが、メタボなので重心が上の方にあり無茶苦茶バランスが悪くよく転けます;;捻挫のつもりでいたようですが、見た感じ蒼馴染みがあって浮腫があります。「これはマジで骨折してると思うから医者に行けば・・・・」と整形外科を薦めたら骨折でした。↑↑こんなチャッチイギブス用の靴で¥8000。実質¥24000でしょうからカンガルー製のスパイクが買えちゃいます♪


歳ですね。     僕自身も、そして僕の周りのサッカーフレンドも、皆ケガをかかえて騙し騙しプレーし続けています。ケガとどう付き合うか・・・・それがシニアの鬼門です。



さて、あと数日で三月です。えっ、て本当です。また桜が見られるのはいいのですが、早すぎるでしょう、時間の経つのが。そして、この四月はSAVOIR VIVREでの個展「KAMAKURA」があります。それから『館・游彩』のオーップンも重なります。


SAVOIR VIVREでの個展は、「彫り」がテーマですのでヤタラ手間が掛ります。でも、僕しかこの課題を引き受けられる奴がいないので大変ですが何とか形にしたいと思っていますが・・・・どうなりますでしょうか(他人事か?)。



最近、仕事がヤタラ楽しいです。

 サッカーの仲間は定年過ぎて嘱託だったり、全くのリタイヤだったりで仕事から実質離れている輩が多いのですが、僕は現役です。「漆藝は60過ぎてからだ・・・」と二十代の時そう思っていました。漆の世界で一人前になるのは、恐らく六十歳すぎてからだろう・・・・・と思って今日までやって来ました。なので、現役でいる自分しかイメージ出来ていません。退職してリタイヤなんてまったく考えられません。多分生涯現役だと思います。僕がサッカーを続けているのも「仕事は体力だ」と若いときから合点しているためです。

人間仕事をするにも体力が落ちてくると途中で萎えます。心技体とはよく言ったもので、いい作品を作るのにも最後は体力勝負です。僕たち工芸家は、それを身体で覚えています。



何とかSAVOIR VIVREの個展も『館・游彩』も成功させたいと願っております。


では、では。。
 
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