前回の 漆の考古学 は、続々・明日香・斑鳩 に迫る勢いでアクセス頂き感謝です。


やはりこのサイトは、ウルシが主たるテーマになるのだな~と当たり前のことを再認識しました。




さて、いよいよ鹿児島は white gallery での初個展が来月に迫りました。今年は震災で春の個展(SAVOIR VIVRE)が来年に延期になったので、それなりに作品のプールはある。なので一月前だというのに意外とのんびり構えている。それでもある緊張感を感じているのか、気分転換をして頭を個展モードから切り離した方がいいのかな~と思う瞬間がある。そんな時に打って付けなのが僕の場合『修理(repair)』になる。ほんと貧乏性なので、じっとしていられないタチだ。



ネットを回遊していたら古着 Harris Tweed のヘリボーン柄ビッグサイズをヒット。以前から知っていたショップだったが、今回は特別にビッグサイズのものをアメリカから仕入れたとあったのでラッキーだった。数十点のなかから良さそうなものをじっくり選んで(これが楽しい)ゲット。届いたものは、ほぼイメージ通り。


どういう訳か古着が好きだ。安いというのもあるが、それより気楽にリラックスして着ることが出来るところがいい。僕が今持っているウェアーで一番のお気に入りは、30年以上前表参道の地下の古着屋で見つけた冬用コートだ。裏地に昔の高島屋のロゴが刺繍してあるところも気に入っている。「古川」とのネームも入っているが別段気にならない。厳寒の条件下でないととてもじゃないが汗だくになるので着たまま電車など乗れません;;真冬しか着れないのがもの凄く残念です。。今思い出したのですが、地下のお店で物色していたら黒柳徹子に会った。彼女もこの店の常連だとか店員が言っていたような。。。



お気に入りのコートは、濃い紺色で生地も厚くしっかりしていて重い;;でも¥2000也だった。当時はお金もなかったので工夫しないと好いのもを手に入れることはできなかった。今オーダーしたら20万近くはするとおもえる代物だ。でも古着なので気楽に着られる。そこが好い。
 
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目に見えないほどの虫喰いの穴があります・・・・とのこと。見つけた。即 repair モード。かみさんが昔使っていた毛糸がウォーク・イン クローゼットにあったはず。。。物色して探し当て、さっそく修繕に取り掛かりました.......


こういうのは得意なので毛糸を選んでチクチクやってみたものの上手くいかない。。気付いたらφ2mmほどだった虫食い穴の周りがボコボコに膨らみ収拾付かなくなってしまった;;;手芸店に行ってアイロンでのり付けする優れものをゲットしたが手遅れ。



.................Um~mmmmmm。             これしかない!エルボーパッチだ。運良く、ほんと運良くエルボーパッチを張る位置に虫喰いがあったのだ。よっしゃ!っと以前 15年以上使い込んだセリエ A のインテルミラノのバックの修理に使った革が残っていたはず・・・・・。これをエルボーパッチに!
       
 

革用ポンチ











インターミラノのディバック.........修繕中











革の穴あけ用ポンチと牛革バスケットボタン










老眼鏡は必需品です;;
5・6年前までユーザー車検を20年続けていた。その理由も今にして思えば古着じゃなくて古い車が好きだったから。超新しいもの好きの自分と古いもの好きの自分が矛盾なく同居している。この精神構造を突き詰めると深い発見があるかも知れません。

 ユーザー車検を止めたのは、年々修理出来る箇所が少なくなり整備がつまらなくなったから。部品の交換では整備とはいえない。でも、その頃の勘が役に立つこともある。先日もかみさんの車(僕の車は持ってません)の始動時にキュルキュルと悲鳴のような異音がするので「これはファンベルトの緩みだな・・・」と読んだ。エンジンルームを開けて(久し振り)レンチでボルトを緩めハンマーでダイナモを叩きながらベルトを張り直した。

運転席に戻りキーを回しエンジン始動。 異音ナシ。 われながらアッパレ♪



車もジャケットも同じだ。以前、車の下に潜っていたとき「整備士になればよかったかな。。」とよく思ったが、ジャケットを修繕しているときも「テーラーになればよかったかな。。」と同じように思う。

Harris Tweed です♪































 
世の中から捨てられそうになった用済みのものを再生するという作業は、けっこう実存を満たしてくれます(ちょっと大袈裟;;;)。



今、右足の麻痺でサッカーが出来ずにいる。いえ、この7月の県リーグ戦でCBのボールをかっさらってキーパーと1対1になったところで横からハールされた際、もんどり打って転け腰を撲った。自分としては上手く回転して転んだと思っていたが甘かった。腰痛は治まっても右足の痺れと麻痺が取れずにいる。大分よくなったので先週から漸くリハビリのウォーキングを始めたが、踵を着くと途端に爪先が路面に落ち、パタンパタンと夜道に寂しい足音が響く。



サッカーが出来ないと鬱っぽくなって何事もネガティブになり、いろいろなモチベーションが無茶苦茶落ちる。こんなに長い間ボールが蹴れないことは初めてなので尚更だ。復帰は無理なんでは・・・と、ふと不安が過ぎる。

そんな自分は古着のメタファーなんだろうか。。  こじつけ・・・いや、たかがジャケットの修繕ですが結構癒やされます。諦観でしょうか、段々段々不安が遠のき自分が落ち着いていくのが分かります。
 
20年前に手放した愛車 VW Type Ⅱ.........逗子マリーナにて
 
 上の画像は、20年前泣く泣く手放したVW Type Ⅱです。実はこの車は貨物でして、そのため定員が3人と法律で決められています。当時、子供のサッカーコーチをしていたのでよく遠征に行きました。そうなると3人しか乗せられないのは不便です。おまけにバックドアのウィンドウが小さ過ぎてチョロチョロうろつく子供を轢きかねません。それに72’製だったので遠出するとオーバーヒートを起こします;;そういった様々なデメリットで手放しました。車雑誌で「売りたし」と載せたら富山から業者が買い付けに来て確か82万円で買い取られていったと記憶してます。NHKの美術の方から¥58万で譲り受けたので損はしていませんが、結構いろいろ手入れをしたのでとんとんでしょうか。



古い車を乗るのは初めてだったので、エンジンはもちろん足回り、特にブレーキは不安でした。そこでエンジンを除き全てばらしオーバーホールしました。前輪はディスクブレーキだったのでマスターシリンダーは勿論、ディスクそのものも完全分解し、他にもキャブレター、デストゥリビューターはもちろん完全分解整備しました。楽しかった~♪



すべて無茶苦茶錆びていたので結局命拾いしました。当時、整備の専門書10冊はマスターしていたと思います。
 ご近所でいろいろ分からないことを聞いて世話になったバイク屋さんのオヤジさんに「うちに勤めてたことにしてやるから整備士免許とりゃーいいだろ」とまで言ってもらいました。エンジンルームを覗く目は多分
だったと思います。
 
 






 
 僕は変わり者なのかな~と思ったりもしましたが、この間スエーデンの人たちは家も自分で建てると聞きました。なのでイケアの家具はすべて自分で組み立てることになっているらしいです。恐らく車の整備も自分で当たり前にやると思います。


実は、VW Type Ⅱのエンジンがシンプルなのは、「持ち主は自分で整備する」・・・がコンセプトで作られたドイツ車らしい車なのです。僕はこの理念も気に入っています。



でもワンボックスの小さな電気自動車が出たら買おうと思っています。電気自動車は部品が少なくシンプルに出来ているというので、きっと整備が楽では・・・と想像できます。
 10年ほど前、田園調布にあったギャラリー仲摩さんで個展をした祭、今では時の人になった電気自動車の生みの親である慶応大の清水浩先生(当時は筑波大教授でした)が見えて「電気自動車が出来上がったんだけど1億位で売らないとペイできないので何とか付加価値を付ける意味でダッシュボードを漆で仕上げられないか」とマジで頼まれたことがありました。ここは僕よりカメラなどを漆で仕上げていた経験のある会津の坂本さんを紹介したことがあります。その後はどうなったのでしょうか。。



大分話が逸れました。



そう、修繕でした。

オリジナルのボタンは一応革のくるみですが、大分傷んでいたので牛革バスケットボタンに交換しました。

 
大分古着感が出ていてちょっとヨレヨレだったのでクリーニングに出した。


仕上がりが待ち遠しくて仕方がなかったが、今日仕上がって帰ってきた。ぴしっと仕上がって気持ちいい。けどせっかく付けたエルボーパッチの革の色が褪せて帰ってきた;;これはこれで良いかな・・・と思ったがあとあと引きずるかも知れないので染め直すことにした(何でも揃ってます♪)。

革染め液と色落ち止め液








 
いい感じに仕上がりました。さほど手間は掛りません。はい。。  エルボーパッチやボタン付け、そして染め直しを入れたら新品を買った方が安い? ・・・・ それを言っちゃ~おしめーよ。  

クリーニング前









クリーニング後
 
いい感じに修まりました。



個展前なのにこんなことばかりしていると思われても何なので、現在進行形の仕事を・・・
 

楠 Bann








真鍮版








錆を研ぎ磨き終えた真鍮版
 
今一つ物足りないな~と、ずっとぶっ転がして於いた『楠古典紋彫り Bann』に真鍮版を象嵌しようと錆び付いた板を砥石と炭で研ぎ鏡面のように輝きを取り戻す作業です↑↑。朝5時起きで仕上げました。考えてみたら、これも「修繕(repair)」ですね。。



この板に固い金属で落書しようと始めは考えていたんですが、もう一つの案が浮上してきています。それは、アクワチント(銅版画の手法)の腐蝕剤を使ってアブストラクトな偶然柄を出そうかな~・・・と言う案です。今日一日中考えを練っていたら強く腐蝕する良い方法を思いつきました。この案を一晩寝かして明日やってみようと思います。おやすみなさい。。。











五霊神社境内








 
結局、他の仕事が入って真鍮板は未だ細工出来ていません。



そうこうしている間に秋も大分深まってきました。歳とともに指数関数的に時の過ぎる速さが増してゆくように感ずる今日この頃です。


そして例年の如く大工牧野からの季節の便りである銀杏が届けられました。そういえば先月到来した台風で五霊様の銀杏が境内一面に落ちていましたが、いつもなら先を争って拾うはずが、今年はそのままに放置されていました。銀杏拾いを季節のメタファーと感ずる方も少なくなってきたのでしょうか。。
 










 
そして、常滑のハカセこと中野さんから、いつものラッキョウが届きました。ここはもう日本酒に限ります。やっぱしSAVOIR VIVRE 元スタッフの池田さんの器が日本酒にはぴったしなので、なみなみと注ぎ、それをを引っかけながら更新しています。はい。



「修繕」の話題も長くなってしまいました。みなさんも、そろそろ飽きてきたのでは・・・・(僕は飽きることなく前々から気に掛けていた別のジャケットのボタンを付け替えました;;) 。次回の話題は「新エネルギーがアートを変える」です。美術好きの方でなくても結構面白いお話になると思いますよ。



請うご期待。
 

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では、深まる秋を存分に満喫して下さい。  page top