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2008年春、突然一通のメールを頂きました。それは、ある博物館の学芸員の方からのものでした。1998年からなので、かれこれこのホームページを開設してから13年目になりますが、これほど熱の籠もったお便りを、今までもらったことはありませんでした。



何度かのメールのやり取りで、彼女が学芸員として様々な企画を展示する際、いつも気を付けていることがあります・・・・と綴られた一文で、僕は、彼女が”本物”だと直感しました。



いつも、仕事をする時、特に展示解説パネルや広報の
原稿を書く時など、祖父母や両親のことを考えます。

彼らのように、ほとんど初等教育しか受けていない人にも
わかってもらうには、どうしたらいいかと…。
芸術や美術を、知的上流階級の人々だけのものにして
しまう風潮にも、従いたくないのです。

貧乏でも、学校に行っていなくても、時代遅れでも、
悪趣味でも、俗っぽくても、ちょっと病的でも…
自分を卑下することなく、芸術を身近に感じて生きてゆく、
そのための答えが工芸という領域には隠されている気がします・・・・

(『越前通信』より)
工芸家の僕としては、これから更なる活躍を期待していたのですが、彼女は、あっさり博物館を退職なさり、その後とある地方の寺へ嫁がれました。
 もったいないな~と感じたのは僕だけではなかったと思いますが、そこは人生の分からないところで、もったいないと思うのはこちらの勝手です。この後、一介の学芸員では体験できない充実した人生が待っているやも知れません。



でも、もったいない。

彼女ほどの説得力ある文体と企画力のある才を、このまま放っておくのは勿体なさ過ぎる・・・・・ということで、昨年お子様を無事出産されたのを計って、ダメ元で僕の WEB への投稿を依頼してみました。



「書く」ということの怖さとともに、その深い充実感を知ったものにしか「書く」ことの素晴らしさは、理解できない・・・・



必ず引き受けて下さる・・・・・。
個展直前、多分熟慮なさった末でしょう、引き受けて下さるとのメールが届きました。


メジャーとはいえない僕の web site ですが、流石にアイドルのブログのアクセスには遠く及びませんが、堅い内容の割には意外なほどアクセス数は多い。十年以上続けていれば当たり前かも知れませんが、一時のブログの流行も冷めた今、何とか続けてこられたのも、熱心な読者の方々が、飽きずにアクセスして下さる故と感謝する毎日です。



とは言え、プロバイダーにアップしたファイルだけで既に8000を超えている今、十分とは言えないこの web site も、もう少し使い勝手を良くしたいと思っています。

そして、何より常滑の民族資料館学芸員の中野氏にも投稿を頂いて既に七年以上経ちます。余程人が善くなければ、とっくに退却されているはずです。そういったハカセこと中野氏の今までの労に応える意味でも、新企画『越前通信』の参加を機会に、もう一段深化した、これからの web を何とか提案できたらと思案する毎日です。
 
(『越前通信』より)
お寺の行事は、僕らの知らない世界ですので、さぞご苦労なさっていることと思いますが、佐藤さんには、育児と家事、そして最近は、地元の役所の依頼で民族資料の整理などを手掛けておられるとのことですが、その合間を縫って、肩の力を抜いたところでの「もの書き」を願っています。


それでは皆さん、益々活躍の場を広げる中野氏(先日、地元の大学の博士課程に合格したとの連絡が入りました!)の『常滑レポート』とともに、新企画『越前通信』も何卒よろしくお願い申し上げます。
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