NHK「 ひるのいこい」 作曲古関裕而
 
この曲を聴くと、僕らの無意識にある「日本の原風景」が立ち上がってくる。そして、その地は南ではなく東北だ。

この曲を作曲したのは、戦中戦後を通して偉大な功績を残した福島県出身の作曲家古関裕而。今この地は、震災の被害に曝され、おまけに原発事故の影響で何十年も掛けて作り上げてきた果物や野菜、そしてお米などの「福島ブランド」農業も失おうとしている。



今回の震災で失ったのもは、僕らの想像を超えて大きい。それは、僕たち日本人の根幹を支える「原風景」そのものを津波と共に持ち去られたことを意味する。
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「新日本紀行」   テーマ曲    冨田勲

 
僕にとっての「東北」は、謂わば空気のような存在で、特段注視することもなく自然とそこにあるといった位置にあった。普段気付きもしないで美味しい野菜やお米を頂いていたように思う。天災は、本当に忘れた頃にやって来る。ついさっきも被災地に大きな余震があった。



今度の地震と、度重なる余震で、僕らはやっと感覚を含めて世の中が”変わった(チェンジした)”ことを実感し始めている。
 そもそも地震には、活動期と静穏期の周期性があり、戦後復興期や高度成長期、そしてバブル以前の好景気は、幸運にも静穏期にあたっていたという。今回の地震以前に中越地震もあり、既に活動期に入った日本では、東北のみならず、ずっと叫ばれ続けている東海大地震も、ここ20年~30年には、必ずあることは確率的に分かっていると専門家は警告している。
 
 
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「新日本紀行」   テーマ曲    冨田勲
 
不幸なのは、地震だけでないということ。津波に加え原発の事故による放射能漏れが、僕らの無意識にボデーブローのようにダメージを与えている。
僕の信頼するは、二週間以上前から今回の原発事故が、政府や東電の発表によるような「レベル5」はでたらめで、国際評価尺度(INES)の暫定評価で最も深刻な「レベル7」に限りなく近いと伝え続けていた。そしてついに、頻繁に続く余震の報道と列んで先程、経済産業省原子力安全・保安院は、今回の事故がようやく「レベル7」にあたることを公式に認めた。


独占企業であったにもかかわらず、東電は年間1000億円近い広告費を掛けている(普及啓発費1000億は除く)。これは何を意味するのか・・・・・。


マスコミ報道は、報道ステーションも、朝ズバッも、ミヤネ屋も、NEWS23も東電がスポンサー・・・ということは、つまりこの事故を正確に報道など出来ないと言うこと。ネットを見れない世代の方々は、今もマスコミ報道に頼るしかない。困った。本当にまいる。
 
   
今週は、仕事は勿論、自分の所属するシニアサッカーチームの official web site 立ち上げのため、あっちもこっちもと雑多な作業を進めているので、Today's image は、少しずつ書き足すことを続けますのであしからず。



済みません、ずっとフリーズしていたわけではなかったのですが、ようやく15日にシニアの official web site (http://senior-kawasaki.com)を立ち上げ、細かくチェック修正してたもんで自分のHPの更新は今日になってしまいました。数百人のメンバーをサポートしなければならないので、掲載する情報も半端じゃなく、加えて間違いがあったり、個人情報の扱いにも神経を使います。



何故川崎なのかというと、実は僕の住む逗子市は、人工が58000人ほどですので、シニアのサッカーリーグを立ち上げる規模がありません。つまり、シニアのサッカー人口そのものが少ないと言うことです。そういった事情で、四十代の時は横須賀四十雀、五十代は横浜のチームにお世話になりました。


六十になってもサッカーチームがあるのは、県内でも川崎市の他7地域に過ぎません。お隣の横浜にも六十雀チームは1チームあるのですが、どちらかというと川崎の町の雰囲気が好きというか、どうやら無意識のレベルで親和性があると言った方がいいかも知れません。


未だ作家として全く喰えなかった頃、川崎港にあった日立造船にアルバイトに行っていたことがありました。朝4時起きで通勤し大きな貨物船の船底に潜って海水に溶けた船底の鉄くずをバケツですくい清掃する作業でした。体力勝負のきつい仕事でしたが、当時で¥8000の日給は、もの凄く魅力でした。そんなことが、僕が川崎を選ぶ無意識かも知れません。
そう、東北でした。


ちょっと時間をおくと「東北」に思いを馳せるというより、どうやら震災を契機に日本そのものに思いを馳せていることに気付きます。


僕は、人を見ることにも国を見ることにも同じ視線を注ぐ姿勢を持ちます。それは、人も国も負と正を併せ持っていて、どちらに振るかで違った様相を呈するということです。つまり、悪と善両方を絶対値としてみることで、人も国もその実相をかなり正確に掴めると言うことです。日本の持つポテンシャルは、たぶん世界のどの国も認めるところだと思います。ただし、その意味するところは両義的です。



世界に誇る工芸や美術、そして文学・芸能を含む文化、そしてものづくりは、間違いなく世界トップレベルでしょう。でも、一方で”神風特攻隊”という、今ではイスラム諸国で珍しくない自爆テロの原型は、世界で最初に日本が選んだ超ヒューマンな戦法です。そして、世界で始めてサリンを蒔くという無差別テロをやってのけたのもわが国日本です。



そして、先進諸国の報道に見るように「世界で始めて国が公認して人為で放射能を放出した」テロ国家になったのも今回の震災のもたらした事実です。僕らの国は、そのベクトルが負の方へ振られたとき(大抵は緊急時)途轍もなく大きな犯罪的行為をいとも簡単にやってのけます。
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国のポテンシャルの大きさは、ドイツも同じです。彼らもそれが負に振れたときアウシュビッツであったような凄惨なホロコーストを正義の名の下でやってのけます。日本とよく似たメンタリティーです。でも、もの凄い意識の高いヴァイマール憲法を制定したり、EUを構想し現実化したりする正のポテンシャルも大きいです。



そういった理由から、今回の人災である福島原発の事故から見えてくる日本の実相は、戦後ドイツとはかなり違います。ドイツのような徹底した敗戦の検証をスルーしてきた結果が決定的です。 FUKUSIMA を世界一有名にしてしまった今回の原発事故は、日本人全体が背負っていかなければならない十字架です。そして、根本的な問題で、地方と都市部の経済格差が第一次産業を主な糧としなければならない東北や、その他の”地方”が抱える問題でもあり、ほぼその地域に原発は建設されています。



地震のあったその日、福島原発には約1000人の関係者が業務に当たっていたといいます(現場に残ったのは、 fukusima 50 と呼ばれる50人)。第一、第二原発を併せて、2010年7月時点で東電の社員約1850人、 関連会社や原発メーカーなど下請け企業の社員約9500人が働いているそうです。ということは、原発の周辺地域に落される「お金」も相当大きいはず。第一次産業が殆どの地方では、雇用の確保は大きな問題です。福島原発の裏側には、こういった地方の問題が根深く横たわっています。
 

「雨にも負けず」        

雨にも負けず、風にも負けず

雪にも、夏の暑さにも負けぬ、

丈夫な体をもち

慾はなく、決して怒らず、

いつも静かに笑っている

一日に玄米四合と、味噌と、

少しの野菜を食べ

あらゆることを、

自分を勘定に入れずに

よく見聞きし、分かり、

そして忘れず

野原の、松の林の陰の、

小さな、萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば、

行って看病してやり

西に疲れた母あれば、

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば、

行って、怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば、

つまらないからやめろと言い

日照りの時は涙を流し、

寒さの夏はおろおろ歩き

みんなに、木偶坊
(でくのぼう)と呼ばれ

(ほ)められもせず、苦にもされず

そういうものに、私はなりたい

作:宮沢賢治
 
「北国の春」
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東北・・・・エネルギー政策を抜本的に見直して、徹底したエコ都市を被災地に再建して欲しいと思います(風車や太陽光パネルで敷き詰めてほしいところです)。 間違いなく日本という国の絶対値は大きいです。なので世界が驚くような復旧は予想外に早く達成すると思います。でも、本当の意味での復興の道は、今回「想定外」でスルーしかねない”人災”としての原発事故を日本人一人一人が、東電や官邸の情報発信を鵜呑みにせず、そして、東電のスポンサーで覆われたマスコミ報道をしっかり監視するリテラシーを持たなければ、また先の戦争の繰り返しになることを肝に銘じなければならないと思います。



もうそろそろ、次の更新は普通~の話題にしたいな..........



忙しい、忙しいと言いながら、朝まで掛かったシニアのHP立ち上げの後、フラフラッと寄ったアダルトサイトの料金請求画面を削除するのに四苦八苦した東でした~;;;