銀座「石川画廊」での個展は、好評のうち終える事が出来ました。

終わってしまうとあっという間でした。


嬉しいことに、皆さん僕の在廊日を目指して来て頂いたので、初日の昼飯は夕方6時過ぎ。それまでトイレにも行けずお漏らししそうでした;;; 感謝



久し振りの銀座は、消費税の値上がりとは連動せず賑わっていました。中央通りの歩行者天国の行き交う人々はそれぞれで、右の耳には韓国語、左の耳には中国語、そして真向からは何語だか分からない外国語が飛び込んできます。こうやって日本の今は回っているんだな~と。。近隣諸国とホント仲良くしないと持たんぞ!と思いました。



二日目に偶然、画廊の前をお通りになって入って来られた外国人のご夫妻も、実はシンガポールからの方。日本橋の骨董市にわざわざお見えになったとのこと。そして、「あれが12、これが12、そしてこれも、あれも」という感じで”大人買”なさってお帰りになりました。それにしても「大人買い」ってあるんですね。引き出物なら何十、何百という注文を受けたことはありますが、ふらっと来ての”大人買”は初めてです。
 
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日本に30本しかないというシャンパン.............「石川画廊」のお隣のお店
八丁目にあった頃の石川画廊さんは、凡そ5倍位のスペースがあったでしょうか。でも、七丁目に移って環境が悪くなったかと言うと必ずしもそうはなっていません。僕としても中々の居心地だと感じました。実際、成績もスペースの広さに比例していないことが実証されました。



銀座に関わって35年以上経ちますでしょうか。この間「銀座」は大きく変わったと思います。もちろん、これは「日本」が変わったということと同義です。銀座はある意味日本文化の象徴でもありますし、経済の指標でもあります。
 特に変わったことと言えば、やはり外国人が圧倒的に多くなったことでしょうか。いつの間にかグローバル化は進展していたんですね。最早僕らの国日本の生活が、日本一国では回らなくなっているということになりました。この現実は色々なことを僕らに提起します。



35年前、銀座の端から端まで、つまり新橋側の8丁目から有楽町側の1丁目まで現代美術の画廊巡りをした頃、滅多に”外人”とすれ違うことはありませんでした。それは、日本人気がなかったわけではありません。むしろ『JAPAN AS NUMBER ONE.』と持てはやされた時期でもあります。経済も文化もアメリカを凌ぐと錯覚するくらい元気な時期でした。

以下↓は、僕が大好きなその頃のCMです。結構せかせかしていた様に記憶しているのですが、今見ると何ともほのぼのとしていて、とてもゆったりとした時間が流れています。
銀座・六本木のように、ファッションや宝飾、銀行、そして画廊や飲み屋さんが並ぶ所は”他界”に繋がっている…と言ったのは中沢新一。こういった云わば遊行地は、人間の”糊代”の様な意味を持つもので、僕らの様な職業は正しくその意味で「水商売」だ。


因みに「水商売」をネットで検索すると以下↓の様に出る。

水商売の語源・由来
水商売の語源は以下の通り諸説あり、正確な語源は未詳。

1.流水のごとく収入が不確定な商売の意味から、「水商売」と呼ばれるようになったとする説。
2.芸妓などの職業を「泥水稼業」や「泥水商売」と呼んでいたことから、「水商売」になったとする説。
3.江戸時代、街路などで茶や菓子を供し、人々の休憩所となっていた「水茶屋」から、
「水商売」になったとする説。
主に、「水」を扱う商売に「水商売」が用いられる点から見れば「3」の説が有力となるが、タレント業など
「水」を扱わない稼業にも「水商売」は用いられるため、その点では「1」と「2」が有力と考えられる。




何だかどれも説得力に欠けピンとこない。やはり中沢新一が指摘するように、地下深く掘られた”井戸”が”他界”に繋がっているということと、地下の水脈と金座・銀座を支える鉱脈が、同じ意味で深く掘り下げたところで掘削作業をするというアナロジーで”他界”に繋がっているとする方が何となく合点がいく。つまり「水商売」の”水”は、地中深くに流れ他界から湧いて出る”地下水”の水から来ているという説明だ。


金銀は”お金”に直結し、その魔力は死霊を帯びて人を怪しく魅了する・・・・・。

銀座「石川画廊」前の豊岩稲荷神社
やはり銀座、そして東京は好いですね~。何度も繰り返しますが、僕が仕事場として一番住みたいところは東京は下町深川界隈です。なので今回は宿を木場にとりました。夜フロントお薦めの居酒屋に行きました。かなり年配の女将が人懐っこく話しかけてくるので、ご近所のお話を伺いましたところ、この辺は元洲崎とのこと。そこでWikipediaで調べてみると・・・・・

洲崎(すさき)は、東京都江東区東陽一丁目の旧町名で、ここは古くは「深川洲崎十万坪」と呼ばれた海を望む景勝地。明治期から1958年(昭和33年)の売春防止法成立まで吉原と並ぶ都内の代表的な遊廓が設置され、特に戦後は「洲崎パラダイス」の名で遊客に親しまれた歓楽街であった。


・・・・・とありました。随分と艶っぽいところを選んだもんです。意外と鼻が利くのかもしれません。どういう訳か、女将は自分の方から僕が聴きたいことを話してくれます。48坪ほどの住まい兼お店はバブルの前「銀行が借りてくれ借りてくれと言うから一億数千万借りて今も返し続けている」と元気に話してくれました。それを聴いて、この地で江戸漆器と洒落込むのは夢のまた夢だと察しましたね(おせーよ)。久し振りに聴く江戸弁は、細胞の深い深いところに眠っていた何かを目覚めさせてくれます。

明日の晩も来るぞ~と決め込んでいたんですが、翌日は石川画廊さんにご馳走になり、その翌日は旧友のご馳になり、結局一度きりで済んでしまいました。でも、次の個展も同じ宿に泊まり居酒屋「せんて」に是非寄りたいと思います。

『深川州崎十万坪』..................歌川 広重
ちょっとフリーズしてました。

個展で上京した際、いつもお世話になっている仕事関係先にご挨拶に回りました。兵庫⇒東京⇒福島(会津)⇒茨城(大子)⇒群馬(沼田)⇒東京⇒兵庫の強行スケジュールは流石に疲れ、疲労が残ってどうやらインフルエンザに罹ったっぽいです。個展準備期間中やり残したことが沢山あって、それが気になってゆっくりと休めませんでした。貧乏性ですね~。



いつもの様にゴールデンウイーク期間中は仕事をして、この明けに好きなスケジュールを組みたいと考えていますが・・・・どうなるのでしょうか。急ぎの仕事も詰まってますので、仕事も進めなければなりません。ここは思案のしどころです。。


会津ALTE MEISTER本社玄関前











玄関入口に展示されている『樹々の耳打ち』
今回の個展で嬉しかったことの一つは、乾漆『BC17C』のシリーズがとても評判が良かったことです。自分ではとても気に入っています。でも、まだ実験的な段階の試作です。仕上げをどうするかも試案が多すぎてこれ!と決めずにいます。       
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竹田塗」現地調査
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乾漆『BC17C』片口(ブロンズ)










乾漆『BC17C』片口(火山灰)
昨年、フランスでのパーティーにご招待された葉山のHさんご夫妻が、僕の古文字椀「風味」「旨味」を贈答品に使って頂きましたが、今回も乾漆『BC17C』片口(ブロンズ)を贈答品としてお使い下さるということでした。僕のお気に入りの一品なのでとても嬉しいです。

タイトルに『BC17C』とあるように、これは中国の紀元前17世紀頃に作られたブロンズや土器からインスピレーションを得たものです。そしてこの志向性が、僕の古文字に使われている椀殷墟文字に繋がるものでは・・・・・という穿った指摘も受け、皆さん、ちゃんと観て下さっているんだな~と今更ながら気付きました。感謝。

乾漆『BC17C』ぐい飲み(火山灰)
インフルエンザで?予定通りに事が進まずぼけっとしていた。。

いつもの様に塗の仕事をしながら溜まったポッドキャストのニュースを遡って聞いていたところ、4/29日のニュース(TBS 荒川 強啓デイキャッチ)のランキングに「イギリスの選ぶ世界ベスト50のレストラン」として日本で二店が選ばれ、その中に六本木『龍吟』さんが入っていた。五年連続というから凄い。先日、和生園の黒川君に手伝ってもらった『落書き錫研折敷』も納めたばかりなので自分のことのように嬉しい。
 
 『龍吟』さんと言えば、先日の個展で、その龍吟さんの兄弟子の銀座『鮨 よしたけ』さんから ↓ 『乾漆BC17Cぐい飲み(ブロンズ)』をたくさんオーダーを受けた。石川画廊から近いので一度ご挨拶に寄ってみたいのだが、そこは銀座おいそれとは寄れない。ちょっとHPを覗いてみたところ「銀座で最初に三ツ星に輝いた」とあるので、あの銀座「すきやばし次郎」さんよりも早くミシュラン三ツ星に輝いたことになる。しっかり働いて、次に上京する折には是非とも寄ってみようと思う。

判官贔屓で「ミシュランが何だ!」と突っ込みたくなる気持ちも分かりますが、ここは優秀な料理人を何人も輩出している料亭『青柳』さんを賞賛すべきでしょうか。。



あっ、忘れてならないのは、優秀なお店に僕の作品を使って頂く様な空間を提供し続けている六本木のgallery SAVOIR VIVREさんの存在です。感謝。

魅力的なアイテムが溢れる今、工芸のgalleryはどこも大変だと思いますが、先日の銀座を見る限り「分かって下さる外国人」の方々も確実に増えていると思えますので、マーケットは世界規模として、今まで通り縁の下の力持ちとなって工芸を支えて下さることを願っています。
 
乾漆『BC17C』ぐい飲み(ブロンズ)
 僕も「これに何を盛ってやろう!」と、調理人の方々に新しい冒険心を掻き立てるような「挑戦的な器」をこれからも作り続けていきたいと思っています。


長くなりました。ちと疲れが残って更新が進みませんでしたが、外は風薫る五月、体調を戻して仕事もフットサルも快調にこなせるよう頑張りたいと願うところです。

では、では。