漆の植栽 11/17..........11:00
 
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昨日、今日と、ご近所夜久野町にあるNPO 丹波漆主催の第二回「うえるかむまつり」が快晴の中催された。

一日目は、「西日本の漆搔きさん、大いに語る-漆搔き座談会」と銘打ち、阿波漆を代表とする徳島とお隣岡山県からそれぞれお一人、そしてお隣福知山夜久野町からNPO 丹波漆を代表として一人と、計お三方による鼎談となった。



僕自身は、今年初めて「漆搔き」なるものを夜久野町で体験させてもらい思いも掛けない発見がありました。今回、夜久野町以外の漆搔きさんの話を聞き、同じ西日本でも、気候風土によるものなのか、それぞれ違ったスタンスをお持ちで意外だった。


「漆の苗を植えるとき、しっかり土を踏み固め土の間にある空気を成るべく出すことで、50%のから90%に生育率が上がる」等、阿波漆を代表する徳島県から参加なさった方のお話しはとても具体的で、難しい漆の木との向かい合い方が真摯で感動ものでした。
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今回の鼎談を聞いて、日本産の漆を取り巻く状況は、予想はしていたもののいよいよ厳しさを増してきていることを実感しました。これは漆を搔くことで生業を持つ所謂漆搔き職人だけに言えることではなく、伝統工芸と呼ばれてきた業態全体が抱える共通した問題でもあり、やはりな~と言ったところでしょうか。


もう何度も繰り返し言われてきたことですが、僕らの所属している工芸界が延命するには、付加価値性の高いものを作り、謂わば新しいブランド化を個人としても組織としても構築するしかないわけです。成熟した先進諸国で「工芸」なるものを続けるには、高い人件費に見合った価格を付けない限り淘汰されるのは、グローバル化の中で生きてゆく以上自然の摂理です。


こういったシンポジュウームに参加するといつも同じ問題を感じます。「大変だ大変だ!」と念仏のように繰り返し称えるわけですが、殆どの企画の側は勿論、参加者の中に「もう一つの現場」(本当はこちらの問題の方が要です)である経済(マーケット)の専門家の参加がいないことです。これでは実のある話に展開しません。こうなったらいいのにな~といった「お願い」に終始してお仕舞いです。

僕の植栽した漆の苗
伝統工芸の地場産業が、凋落傾向にある流れは止まる気配はありません。どこも例外なく右肩下がりです。僕の所属する漆工芸界も焼物や他の伝統工芸界と抱える課題は重なります。一次産業とも同じ課題が被るでしょうか。この課題に対して積極的に生産的で目から鱗の指摘をする論者が藻谷浩介さんだ。今伝統工芸の未来に対して勇気と夢の描ける意見を言っているのは彼ぐらいしか見あたらない。



その藻谷さんが、最近『里山資本主義』なる著作をNHK広島取材班との共著で出した。早速電子書籍で読んでみる。『デフレの正体』とは一味違ったというか進化した指摘がそこにはある。僕はこの六月から兵庫に転居してきたわけですが、タイミングが良いことに藻谷さんは、このところお隣岡山県やお近くの山村での事例を出して『里山資本主義』を展開なさっている。お陰でとても親しみを持って読み始めることが出来た。


一つ事例をwikipediaより抜粋して紹介すると・・・・ 


里山資本主義

「里山資本主義」は藻谷とNHK広島取材班の造語である

2013年7月に発売された『里山資本主義 日本経済は安心の原理」で動く』が反響を呼び、発売3ヶ月で16万部を突破、作家の佐藤優や歌手の加藤登紀子が推薦し、首都圏だけでなく本の舞台となった中国山地など全国で売れている。

藻谷が唱える里山資本主義は、「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、あらかじめ用意しておこうという実践」である。藻谷は安心のネットワークとお金が地域内を循環するのが「さとやま」であり、これが未来をつくるサブシステムであると述べている。ただし、里山資本主義は、マネー資本主義の否定では決してなく、都会よりも田舎暮らしのほうがいいという単純な話ではないとしている。また、藻谷は「里山資本主義の考え方は、現在のマネー経済だけでなく、日本社会が抱える地域の過疎化、少子化と急激な高齢化という問題を克服する可能性も秘めている」と述べている

藻谷は「普通に真面目で根気のある人が、手を抜きながら生きていける社会が、里山にはある。里山の暮らし方は世界に通用する」と述べている

他にも藻谷さんのコメントが紹介されています。

参考までに「月刊日本」 http://gekkan-nippon.com/?p=5798

 
僕自身は都会大好き人間で非エコロジストなので、藻谷さんがニュアンスとして後ろ向きになっちゃったのかな~と思えなくもないが、真意は恐らく成熟社会の望ましい方向を指南しているのだと思う。そういった視点でみると、お隣の「やくの木と漆の館」のスタッフの方々と接してみて感じることと妙に重なるのです。、確かに都会人から見て金銭的には決して豊ではない訳ですが、明らかに幸せそうだ・・・ということ。恐らくこの感じ方を藻谷さんは指摘しているのだと思う。

つまり何を持って「幸せ」とするかの尺度が、今まで僕らが持ち続けていたそれと次元というか位相が違っているということ。。僕自身はそう豊かな家庭に育ったわけではないので、言ってみればお金がないということは何となく不安も多くなる。「お金より大事なものがあるじゃないか」と言われても、そりゃそうだけど何だかな~と、正直負け惜しみのように受け取ってしまったりする。


加えて、僕の住む朝来市の人口推移を見ると減少傾向は止まりそうもない。仕事が少ないので若い人達が外(都会)へ流出しちゃう訳です。その若い人達が『里山資本主義』を読んでこの地に残るか・・・というと難しいと思う。僕自身未だ読破していないので今の段階では半信半疑です。この著作を読み切ったとき、僕自身の中でどう価値観が変わってゆくのか楽しみでもあります。
ということで小休止。


そう、この http://urushi-art.net guest 「常滑レポート」でもお馴染みの「晴鳶堂」こと、元常滑資料館館長中野晴久さんが目出度く来年から愛知学院大学で考古学の教鞭を執ることになった。

昨年、事もあろうに日本六大古窯の一つに挙げられる常滑で、その出自を資料として残すべき資料館が実質閉館し、中野氏も一公務員になった。ちょっとあり得ない出来事で驚いたと同時に伝統工芸の実相を見た思いで妙に納得したりもしました。でも勿体ない事も事実で、折角の常滑そして中野氏個人のリソースを何とか活かせないものか・・・と思っていた矢先の今回の知らせは、ある意味収まるところに収まったというか理に適った有り様でした。

既に三十年来のお付き合いで、淡々とある意味順調に学芸員を務めきると思っていたところでしたが、想像以上に伝統工芸の凋落は厳しいものがあったようです。

常滑やきもの散歩道............2012..11.10
 
そうこうしているうちに、空家活性化補助金制度による工事実施確認に県の職員が見えた。これで漸く最終確認が済み何ヶ月後に補助金が支払われる運びになる。長かった;;
安かったとは言え古民家を購入、その後水回りやトイレの水洗化等々で予想外の出費は痛く心細い。暫くつましく暮らさねば。。


そんな中、SAVOIR VIVRE店長からオーダーの連絡が入った。昨年秋一月掛けて龍吟さんの折敷の修理をしたが、嬉しいことに、その折敷も評判が良いようだ。なるべく早くに仕上げて欲しいということですが、こちらも溜ったオーダーをこなすことに汲々としているので、急遽「やくの木と漆の館」スタッフの方や、今仕事を手伝って貰っている漆搔き職人竹内君に下地を請け負って貰うことで何とか納品時期を早めたいと思っている。
 

「龍吟」さんの折敷修繕...........2012年10月
 
ところが、ここでちょっと厄介なことが・・・・・・。


「やくの木と漆の館」のスタッフは全員女性、それも皆若い。なので僕の工房で仕事を手伝って貰うのは、漆搔きの青年が来ている時に限られる。つまり、ここは田舎なので妙齢の女性が我が工房に自由に出入り出来る環境にはない。まっ、都会でも問題になるかも知れませんが.........。そこで、青年と重なる日取りを組みつつお手伝い願うといった配慮が必要になります。ちょっと面倒ですが、急ぎの仕事なので、ここは仕方がないでしょう。


先日も青年が居るときに合せ、お二方のスタッフに仕事の打ち合わせに来て頂いたが、早速翌日「あまり見慣れない車が止まってましたが、どなたのお車?」とご近所の元気なおばさんに突っ込まれました;;;来たなっと、ここは狼狽えず「いやいや仕事を手伝って貰っている青年の車です♪」とやり過ごしました。何しろこの村には若い女性はゼロですから無理もありません。しばらく放っておこうと思います。勉強会を兼ねてこういった機会を多くすれば、その内慣れるでしょう。。

夜久野高原温泉..........pm 10:00
狭い作業場で一緒に作業をしていると、どうしても風邪がうつってしまう;;運命共同体かな。。


暫く三人で作業する日もあるので、日曜日はムロを拡張。気温も可成り低くなってきたので内側を20mm厚の発泡スチロールで囲ったところ、300Wの電熱器で丁度良い湿度と室温を保持できた。
 一汗かいたのと、ちょっと風邪気味だったので、ご近所の夜久野高原温泉にゆっくり浸かったところ大分気分もリラックスできて良い感じです。



そして、タイヤ交換の季節。


愛車ミニは、オートバックスでスタッドレスタイヤに交換・・・・と思ったが、なんとナットを換えるソケット11/16インチがないという;;仕方がないので、先週特注のソケットをネットで購入し、盗難防止用のナットキャップを自分で外してから店に持ち込み無事交換(流石にミニのホイールは高いので二組は持てません)


軽トラは、どういう訳か3組ほどスタッドレスタイヤを持っていると言うことで、漆搔きの竹内君から運良く頂いた。感謝。そして先日、自分でタイヤ交換。久し振りの車整備は何とも楽しい(これも風邪の原因か。。)
   
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国道9号線 
山肌はすっかり山吹色に・・・・・。


意外にも、漆の木は一番最初に紅葉し葉を落とす・・・・と、漆搔きの竹内君から聞きました。



みなさんの周りはどんな風に季節が移り変わっているのでしょうか。。


風邪にご用心。


では、では。