「蕪紋合鹿大椀」
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本日、箱根強羅「ハイアット リージェンシー 箱根」での小展示に向けて納品が済みました。
ほぼ思い通りの出来に仕上がり満足しています。

ずっと休みなしで来たので、ちょっと休みを取って頭を切り替えないとヤバそうです。。



今までは、どちらかというとオレンジに近い洗い朱や渋い古代朱に仕上げたものが多かったのですが、今回は本朱が多いように思います。確かに本朱は、塗の刷毛使いが難しいので無意識に避けていた感はあります。ただ、朱という色には、説明し難い魅力というか何か特別な「力」があるように感じます。
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唐草紋という伝統的な定番のデザインがありますが、これも古さは感じず繰り返し再生するエネルギーを持っているように感じます。その曲線を目で追うと、その視線は途切れることなく無限に続く様に感じます。そこが絶えることなく今日まで伝えられている所以でしょうか。


鎌倉彫出身の僕としては、線ではなく彫で唐草紋を描きたいところですが、ちょっと手間が掛りすぎるので今回はパスです。本当は彫の方が得意なんですが。。 

この瓢箪椀は、大分前に「日本の美術 正倉院の漆器」?(至文堂)に掲載されている朱塗りの椀に惚れ込んでデザインしたものです。後で確認したのですが、実物は、記憶に残っていたイメージとは似ても似つかないものでした。とてもユニークな独楽型のデザインの椀でしたので紹介したいのですが、参考資料が何処かに紛れ込んで残念ながら見つかりません。機会をみてもう一冊古書を購入しようと思っています。

ということで、この瓢箪椀のデザインは、誤解の了解で偶然生まれたものです。最初に木地が仕上がって来た時に、椀のアウトラインと瓢箪の膨らみが丁度上手く重なる気がして瞬時に「よし!瓢箪を描こう」と決めました。
「ハイアット リージェンシー 箱根」での展示は初めてなので、僕らしい作品は勿論ですが成るべく分かり易いものをセレクトしてみました。「漆器」という響きから連想される器は、やはり漆黒の呂色に朱でしょうか。僕としては無地は避けたいので、手間が掛かり採算度外視で蕪や瓢箪、そして椿を描いてみました。

加えて「落書き錫研き折敷」は欠かせません。今回も和生園の黒田君の磨ぎは完璧です。どこに出しても恥ずかしくありません。
漆器は、工芸の中でも単価が高いのでgallery や shop にとって販売が難しいところがあります。ただ、一般的に工芸ファンは陶器から入り、一番最後に漆器に辿り着くと言われていますので、目利きの方が手に取って下さることが多いと思います。

今やアニメにクールジャパンを譲った感がありますが、本家本元は日本の伝統工芸です。ただ、もう少し今の生活スタイルに寄り添う必要はあると思います。僕が本来下地として使われる「錆」を、独自の調合と手法で仕上げとして使うのも、「落書き錫研折敷」などの「落書き錫研シリーズ」も、どちらも日常に使うときに”疵”が気にならないように考案した手法です。

器は、厨房の裏方に入れば、隣には硬い陶器や瀬戸物が来るのが普通です。そういった日常のシチュエーションを考慮に入れて工芸家は制作しなければ、なかなか使ってはいただけません。

手前のぐい呑み(鼎)は、火山灰仕上げです
あまり触れたことがないのですが、蕪の文様は「掻き落とし」といって朱で葉を描いた後直ぐ、漆が乾かないうちにヘラの先で朱を引っ掻き葉脈(=地の呂色)を描きます。一発勝負の即興なのでとてもスリリングで緊張します;;椿紋の葉の葉脈や蕾も同様な手法を使っています。

今回の蕪紋ですが、「なかなか上手くいったけど、何か 。。mumu」と、翌日よく見ると葉の根元の皴というか筋でしょうか、掻き落としを描き落としてしまいました;; シャレてる場合ではありません。速攻面相筆で描き加えました。でも結果オーライでイケテます♪

掻き落とし様の箆






 さて、ここ但馬は紅葉も鮮やかさを増し、いよいよ長い冬に向けて気を引き締め身支度を始める時季となりました。昨年に比べ、いくらか余裕を持って秋の気配を感じる自分がいます。

立冬も過ぎ、例年のごとく、やり残したことは山ほどあるのですが、歳の勢か諦観の境地に居ます。自分のキャパも身の丈で把握出来るようになったということでしょうか。そうなると、残された人生の中で何が出来て、何が出来ないのか峻別する覚悟も出来てきます。

そして今日、市の公募で障害福祉計画策定委員に応募しました。募集人員は2名なので選ばれるかどうかは分かりません。ただ、選出された折には、逗子でのボランティアの経験を生かして、誰よりも生産的で現実的な提案をする自信はあります。

今年も余すところ一月一寸。日々、悔いのないよう時を刻んでいきたいと願うところです。