一区切りの正月 |
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2005~2010 常滑レポート index |
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愛知県史の中に資料編として常滑・渥美窯を中心とした1冊を加えるので、その常滑の担当になるようにという電話を大御所からいただいたのは、かれこれ20年ほども前のことだったように記憶する。 それから、いろんな所に調査に出かけ、資料を集め、さらには研究会などに参加しながら研究の面でも少しずつ新しい要素を加えてきたのだった。そして、漸く最終コーナーを回ろうという段階になった。いささか感無量といった感じだ。 |
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A4版で800頁強という大部な本になる。おかげで年末年始休みも返上の校正作業であったのだった。常滑焼が考古学の対象であることを知ったのは小学生の頃のことだが、本格的に関わったのは大学に入ってからだ。はや40年に近い歳月が流れた。 その頃にご指導いただいていた先生方は、すでに鬼籍の人となられて久しい。そして、その当時勉強していた先生方の書かれた論文など、今読めば随分ツッコミどころ満載なのに驚かされる。 |
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それでも、研究のフロンティアを開拓していこうとする心意気のようなものは感じずにはいられない。資料の制約を想像で補い、あるいは定説を無批判に受け入れて自説を構築されているところに、新たな資料の登場があって、僕はその先生方の基盤を崩しているということになる。 こうやって時代は変わっていくのだということを痛感する。そして、今これだけのものをまとめあげてしまうと、次の世代は意気消沈とは言わぬまでも、かなりやりにくさを感じることだろう。基盤を崩すほどの資料が現れる可能性も小さくなっている。 |
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常滑市民俗資料館 |
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そして、この仕事を進めながら育ててきた子供たちも愈々、一人暮らしを始めることになった。心配してたらきりがないし、自分の経験からしても若いときに一人で暮らす経験は貴重だと思う。 赤ん坊のころから目いっぱいに関わって来たのだから、もうそろそろ開放してくれても良いころだ。そして、これまでのいろんなシーンが思い出されてくる。とても豊な経験をもらったように思う。 |
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これから先、どうやって生きていくのかがけっこうシンドイ世の中であることは間違いないのだが、まずは一区切りといったところだ。そして、新しい時代は新しい水夫が切り拓いていくのが世の常である。 古い水夫は新しい海の怖さを知っている。古い船に乗り込むのは古い水夫じゃないだろうなって歌詞にしびれていたのは中学生の頃の事だ。古い水夫は新しい水夫に自分はどうやってここの辿り付いたのかを教えることはできる。 しかし、新しい水夫になることはできない。それが古い水夫の宿命であり経験を持ってしまったことによる限界でもある。 |
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![]() ページ最初の動画は「畑で燃やした草の燃え残り」・・・・だそうです。。何とも幻想的(HP管理者記) |
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