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essay +column+
2009 --2016
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  六月に入ってしまいました。ご無沙汰です。

三月初めに、地域の名所?を村の長老たちと巡った際、耕作放棄地にひっそりと佇む漆の古木を見つけた。六月に入って、もう直ぐにでも掻ける。しかし、ここに来て難問が・・・

それは、この樹が誰のものか特定できないのだ。つまり、誰の所有地に自生しているのか不明で、役場にデータを取り寄せて、先日土地に明るい地元の畳屋さんの知り合いの測量士にご足労頂き、図面を見て境界柱を探してはみたものの、放棄地だけあって枯葉や腐葉土に埋まって肝心な個所が見つからないのだ。
 
概ねは、地区所有の範囲に生えているのだが、境界を示すポイントがすべて見つからないので確定したことにならない。厄介なのは、隣接地が漆に興味がない所有者で、漆を掻くことに理解はないということ。

院の授業でも、この地が「農」で数千年、数百年回ってきているので、土地への思い入れは、僕ら都会で育った人間には理解できない深いものがある。僕ら素人が、差し挟める領域ではないのだ。

さて、困った。。
 … とここでお知らせ。先日銀座の厨子屋さんから連絡があり、六時間にも及ぶ NHK の取材があり、山田節子さん(松屋銀座工芸企画)ナビゲートで「箱」をテーマに厨子が取り上げられ、6/9(木) NHK WORLD (海外向けにクールジャパンをネット配信する番組)にて放映とのことでした。

はじめは、TV放映とばかりだと思っていたので、ご近所でお世話になっている畳屋さんや元区長にお伝えしたものの、あまりTVを観ない僕としては、局をお知らせできず難儀しました。マスコミの取材は、撮影6時間放映5分・・・ということもままありますので、僕の厨子が映るのも1~2秒程と、あまり期待せずにご覧ください。

詳細は以下↓になります。(詳しいPDF FILE はこちら
 
リンク先は以下↓になります。6/9(木)の予定がご覧いただけます。

DESIGN TALKS::::http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/designtalksplus/201606020600/ 
 ちょうど、地元金浦の漆塗り恒例行事が6/25(土)に決まったことを受け、今年は特別講師として「やくの木と漆の館」館長の漆のお話を聴けるということで、老人会の会長も動員をかけ、例年以上の参加者が見込まれます。僕としては、マンネリ化を避けられるので、館長にはとても感謝しています。なので今年は端役に徹しようかなと。。
 
 NHK WORLD ですが、当初銀座厨子屋さんから連絡を頂いたとき、すっかりTV放映とばかり思っていたので、ネット配信と聞いてアクセスするまでが手こずりました。関東の友人は、毎週月曜日の『YOUは何しに日本へ』を観ているということで、失礼ながら以前はそれ程ネットリテラシーがあったようにも思えなかったので、そのことにまずビックリ。続いて自分の田舎者化が進んだことにも気付かされました。
放映内容は、ナビゲートなさった山田節子さんのご配慮が随所にみられ、どのアングルでも僕の厨子がカメラに収まるようセッティングされていたことに驚くと同時に、それは遠く兵庫へ転居した僕へのエールと解釈しました。感謝

そして、映像に映った山田さんが、年々素敵になっていくのをみて、ひとは歳を重ねることで、その中身(やってきたことの歴史)が表に滲み出るものなのだと改めて感じた次第です。

この映像、当然ですが、オンデマンドでいつでもご覧いただけます。以下↓にアクセスして頂き http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/designtalksplus/
NHK WORLD On Demand DESIGN TALKS plus を選択してください。内田繁さんのお厨子の画像が表示されるところです。
 
昨日、お世話になっている地域の畳屋さんから電話で「新しく見つかった漆の樹の持ち主が、好きに漆を掻いていいと言っている」 との連絡をもらいました。ご夫妻で畑作業をしているということなので、善は急げとご挨拶に。。
とても漆掻きにご理解のある方で、この地を選んだのも、そこから見える風景が好きで、特に目の前にあるねむの木の花が好きだとおっしゃっていました。絵の趣味もおもちだということで、そういったこともあってご理解いただけたものと感謝する次第です。これも何かの縁なのかなぁと来年が楽しみです(今年は、いろいろな意味で準備不足で難しいと判断しました)。
 
中央の樹が漆です.......分かりませんね;;;
地域の長老が案内して下さった漆の樹は、今回残念ながら掻くことができませんでしたが、その話から派生した今回の漆の樹との出会いは、また新たな展開を予感でき幸運でした。

梅雨にも入りました。ここ但馬は、山陰というくらいですから、晴れより雨の方が年間を通じて多いので陰性な気候風土です。これにも大分慣れました。ちょっと思慮深くなったような気もします。

ということで、引き続き地域の話題もお伝えしたいと思います。では、では。 
 
漆の樹のある森