久々比神社
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晴れ間を縫って「久々比神社」まで初詣。

昨日は、大雪のあとの雪掻きに一日潰れました。天気予報によると、この先はずっと気温が下がり大雪が続くとのことで、意を決して兵庫大学院キャンパス近くの「久々比神社」まで遠出しました。遠出と言っても、40分程で着きます。キャンパスまでの道は、いろいろ試したので4ルートほど頭に入っています。今日も初めて通る道を何本か使ってみましが、方向感覚は良い方なので、ほぼ正解でした。

「久々比神社本殿」とありますが、実は本殿はこの裏側にあり、これは舞殿になります。本殿は舞殿の横を迂回して直ぐの真後ろにありました。ちょっとびっくり。察するに、降神の義の流れで、そのまま舞殿から本殿へと舞ながら移ったのでしょうか。。いろいろとイメージを刺激されます。

この辺の神社は、然程大きくなくても大体舞殿が併設されてあるのが一般的です。民百姓にとって祭りの行事は、田の神、山の神を迎い入れる度に、舞とともににぎにぎしく、そして熱く取り行われたのでしょう。
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舞殿と本殿
本殿は、入母屋造りと呼ばれる小さくてとても品格のある出で立ちをしています。いろいろ調べてみると・・・・

入母屋造の屋根は、上部においては切妻造(長辺側から見て前後2方向に勾配をもつ)、下部においては寄棟造(前後左右四方向へ勾配をもつ)となる構造をもつ。日本においては古来より切妻屋根は寄棟屋根より尊ばれ、その組み合わせである入母屋造はもっとも格式が高い形式として重んじられた。


・・・とあります。特に桧の皮を一枚一枚積み重ねたと思われる屋根は、硬質な瓦屋根とは違ってしっとりと柔らかな風合いで、どことなく古代から続くと思われる日本的なものを伝えます。
 
本殿
本殿に至るまでに割拝殿(通り抜けできる拝殿)と社殿が直列に並び、そこが更に古式ゆかしい佇まいを醸し出しています。こういった造営法に出会ったのは初めてで、何となく古典的な様式美を守っているように感じました。

社殿内..............外に見えるのは割拝殿








由緒ありそうな神輿
逗子に住んでいた時は、毎日の様に地元の五霊神社に寄っていました。この神社は、小さいけれども頼朝の父 義朝が、邸宅(沼浜亭)の鎮守として勧請したのがはじまりではないかと伝えられているほど由緒正しい神社でした。けれども、久々比神社ほど伝統的な様式美を遺すものではなく、とても簡素な造りでした。市内には、他にも幾つかの神社がありましたが、どこも同じような様子でした。

但馬に移って可成りの数の神社を訪ねてみました。何かと忙しくアップできずに眠っている画像が山ほどあります。そして、この地の神社は明らかに関東とは違います。この事実をひとつとっただけでも、僕が育った東京の下町や、首都近郊の新興住宅地の文化とは全く違った風景が見られて興味津々です。そして、それらは院の研究テーマにしたいくらい魅力的です。
大抵の欄間は、一枚の無垢材を彫りこむので表面が面一で揃っています。ある厚みの制約の中で、如何に立体的に見せるかが工人の腕の見せ所になります。この本殿の龍は、そういった欄間の約束事から離れ、ほぼ丸彫りの立体的な彫法になって前面に突き出ています。加えて表面に緑青が噴いているので元は、金色に輝くブロンズ粉で加飾されていたと思われます。その点もユニークです。もしかすると制作時期が、その他の獏や獅子と違っているかも知れません。龍以外は、とても素朴な、ある意味稚拙な彫り物になっていますので。。

何度か修復工事もあったと記されていますので、きっとそれぞれの時期で作風が違ってしまったのでしょう。
察するに、関東の神社も古くはきちっとした様式を保持していたのかも知れません。都が江戸に遷り、結果として多くの人々が都に流入することで地価も沸騰し、然程由緒のない神社は、本殿以外は手放してしまったのかも知れません。逆に、江戸に遷都される前の関東は、武蔵野と呼ばれる野っ原でしかなかったので、人口も少なく、それ故元々神社も少なく、江戸で最も古いとされる神田明神でさえ、本殿以外は、後から創建されたものと記録されていることからも分かるように、京の都の様式をほとんど継承した様子がありません。

当たり前ですが、但馬の神社と武蔵野国の神社とはまるで違います。この地には、まだまだ由緒ある神社が数多くあるので、これからゆっくり訪ね歩きたいと思います。楽しみです。