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そろそろ、恒例の六本木SAVOIR VIVREでの個展です。

今回は東 日出夫 『小椀展』ということで、肩に力を入れずに楽しく制作できました(勿論、未だ制作し続けていますが;;;)。


上の画像の古文字は、「手」偏に雷で殷墟文字の「擂(する)」になります。胡麻を擂るの「擂る」です。

今回の個展では、「食」を中心に据えた古文字(殷墟文字)での表現を試みてみました。

定番の魚・鯛・蝦などの食材はもちろん、蒸す・煮る・擂るなど調理の動詞や、食を通じた人との関わり、そう「お福分け」なども描いてみたかった。

「食」に関しての文字を探る上で、書店でお料理本を探していたら、かみさんが「これがいいんじゃ・・・」と辰巳芳子さんの著書「味覚日乗」を差し出した。

この著書は、人間にとって、その生命の根幹に関わる「食す」ることに関して、愛情に満ちた視点で溢れ、今では忘れ去られてしまった「お福分け」や「摘み草」などを思い起こさせて
くれて、とても参考になった。感謝。

「風=(鳳)」



「味」
さて、DMの画像の古文字は、風味の「風」です。

Today's image「薫風」でも触れたが、白川静氏によると、「風」は元々鳥の形をした神で「鳳」と書き、風神と考えられ、その風神が各地に出かけて行き、人々に影響を与えて風俗や風物が生まれるという。

「かぜ」の意味は、空気の動きによってその意味を表現したのではなく、神聖な鳥の姿や龍のような姿をした霊獣によってその意味を示しているという。

「福」
上の画像の文字は、「お福分け」の「福」の字です。錫粉を蒔いたばかりなので文字の周りに粉がくっついている状態です。


「福」の字は、
=酒樽と、示=神を祭るときに供え物を載せたりする机(祭卓)の形であるから、神前に酒樽を供えて祭り、幸いを求めることを福といい、「さいわい、神のたすけ、たすけ」の意味に用いるという(白川 静「j常用字解」より)。


鶴亀・福笑い・蝦鯛などラッキーワードもこの時期いいのだが、本当は、もうちょっと人間くさい文字も使ってみたかった。

例えば、「凶」、「禍」、「苦難」、「邪悪」、「嫉妬」、「間抜け」とか、生身の人間がもつネガティブな面も含めて「人間」となるので、こういった正負を併せ持つ人間像を、いずれ表現として是非醸成してみたいと思っている。

「踊」

鯛や平目の(舞)踊り


(飲)(兵)(衛)
殷墟文字は、もともと亀の甲羅や、尊や鼎(三本足の青銅器)の底部に描かれた文字なので、そのサイズは極めて小さく、せいぜい2cm角程度だ。なので、今回の古文字の大きさは、やや大きい程度でオリジナルに近く、その意味で描きやすく、とても楽しく描くことができた。

というわけで、今回は「食」にまつわる文字を中心に殷墟文字を揃えてみました。

「お福分け」や「舌鼓」、そして、飲兵衛・食意地・食道楽・食い倒れ・鍋奉行へとつづきます。。。

(五霊神社境内 am 11:23)
今年もあっと言うまでした。

19日搬入です。


もう少し作品を増やしたいので、仕事にもどります。

では、では、会場で。。。。