古典資料01

椿紋笈

    

(椿紋笈 室町時代)

解 説

 笈とは、主に修行僧が行脚する際、仏教の教典等を入れるための背負子の事をいいます。笈の中には、手の込んだ装飾が施された高価なものも多い。
 ここに描かれた文様は、当時としては珍しくかなり図案化され、簡潔に表現されている。当時の図案としては、写実的な表現を取らないところがかなり特異で、重層的な彫刻部の凸(+)と凹(−)彫法も、相当深く錬られている。加えて、その重なりは極めて次元が高く配置構成されている。

             

 上記した解説にあるように、室町時代に考案された図案とは思えないほど、この笈のデザインは斬新でモダンである。只でさえ下手物扱いされている鎌倉彫にあって、何とか洗礼した図案として現代にリメイク出来ないだろうか・・・・?
 そんな素朴な願いから、古典の現代への復興を狙った作品です。

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