素材:しなベニア+漆、布。

壁に直接、弧や矩形をペインティングしました。

1982年 Bゼミスクールという、当時現代美術を講義するアトリエが横浜にあり、夏期講習として銀座の鎌倉画廊(今は鎌倉山に移転してしまいました)でゼミが開かれました。 

当時は、未だ現代美術なるものも存在し60年代、70年代の熱気が美術界には残っていました。僕自身も鎌倉彫の未来に希望を失い、この先どうやっていこうか迷っていた時期でもあり、ここで最先端の美術を学ぶのも良いのでは・・・とこのゼミに参加しました。

僕も含め、その卒業生の雄志を中心に、「自由が丘画廊」にて約1ヶ月半の連続個展
を企画した時の作品です。

今考えるとこの空間を使って、当時活躍がめざましい評論家を呼びゼミを開いたり、約1ヶ月半の連続個展を企画したり結構元気な時代でした。
 確か若者の情報誌として市民権を持ち始めた「ぴあ」にも、この企画を取り上げてもらったように記憶しています。

美大などは、まだ若者の「逃げ場」として機能していたように思います。
この時期、作家は勿論、大学の教授や評論家など現代美術界の蒼々たる方々にお会いでき、その表裏の顔を知ることが出来とても勉強になりました。そして、日本の知的レベルとポテンシャルをしっかり理解することができことも貴重な体験でした。