8月11日                「CRAZY RHYTHM」            

 先日、タイにいる息子に、JAZZのレコードをテープにダビングしてくれないかと頼まれた。

 息子の部屋をがさごそと、段ボール三箱分くらいの中から、指定されたレコードを探し当てダビング・・・・・・・・・・ RED GARLAND のアルバムの中に『CRAZY RHYTHM』という曲があり、それがなんと懐かしいクレージーキャッツの「おとなの漫画」のテーマ曲だったのに初めて気付いた。

「♪タッタラッタータッタタッター、タッタラッタータッタタッター、タッタラッタラッタターターラ♪」

.........「おとなの漫画」......作・演出:河野 洋......出演:クレージーキャッツ.......

『CRAZY RHYTHM』は、ドラムスのシンバルワークが利いたテンポの好い洒落た曲だ。

 急に、知的なクレージーキャッツの笑いをもう一度味わってみたくなった・・・・・・古典落語のようなスタンスで。

 もちろん、カルチャーは生産力を失い終焉してしまった。そして、今はサブカルチャーがベイシックなものとして文化全般を牽引しているのも分かっている。でも、笑いにも音楽のように「カバーアルバム」があって好いのでは・・・・・・・?と願うのだが、どうだろう。

 それにしても、大好きだったクレージーキャッツ(当時僕は、次に生まれてくるときは植木等になりたいと本気で願っていた)が、ドリフターズに追い落とされた時は、来るときが来たといった思いで、とても悲しくやるせなかった。
 今にして思えば、あの時既にサブカルチャーの台頭があったのかも知れない。

 すべての事柄は、移ろい無常に過ぎてゆくのを強く感じてしまう歳になってしまった。

 それでも、ウィントン・マルサレスが、もう「終わってしまった」と思われたJAZZを再生・復活させたように、やがて今の若い世代の誰かが「知的な笑い」を復活させるだろう・・・・「いっこく堂」の例もあるし。

 息子の収集したJAZZのレコードを聴いていると、その音色とともに当時の様々な情景が浮かび、暫し感傷的な気分に浸ってしまう、そんな夏の夜でした。

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