・・・・・・・

言い忘れてましたが、対話形式や質疑応答を挿入するのも大いに結構かと思います。
脱線とか道草食うとかしながら、ボツボツやっていきましょう。

個人的には、これから始めることは何にしろ、死ぬまでやり続けるというつもりで始めようと思ってますので、
先が長いと言えば長いわけだから、延々と脱線し続けるのも一手ですよね。

そんなわけで、よろしくお願いします。

8/29 笹山

工芸の終焉

by sasayama
中野晴久さんの報告によると、常滑の土管は2004年に新たな生産を終わらせたとのこと(「2005年 常滑まつり」より)。僕などには、まさしく「近代的窯業の終焉」を物語るものと受け止められます。

それで思い出したのだけれど、1980年代の前半に僕は常滑で居候を決め込んでいて、「近代的窯業」の現場の空気にどっぷりと浸る日々を送っていました。「現代の陶芸」が、土管を作って「近代的生活」のインフラストラクチャーに貢献してきた「近代的窯業」の上に成り立っていると考えるようになったのも、その時の常滑での体験のさ中においてであったし、また「陶を通して政を見る」という格言を覚えたのもこの時でした。中野晴久さんともこの時に知遇をえました。

僕の見るところでは、「近代的窯業の終焉」は1980年代前半頃からはっきりと感じられてくるようになりましたが、「土管の新たな生産を終わらせた」ことは、終焉のプロセスも終点に至ったことを告げるものであると思います。

(常滑ラボhpより)

それに代わって、経済的基盤を文化サービス産業部門に求めていくのが、これからの「陶芸」の在り様ではないかということです。
 これが意味することは、「近代的窯業」を成り立たせていた「生産―流通―消費」に基づく市場の上に「陶芸」は成立せず(平ったく言えば、商品としてのやきものの社会的需要はなくなる、もしくは特殊的に限定される、ということ、つまり、「やきものが売れる」ということは今後、極く一部の特殊現象としてしかあり得ないということです)、むしろ陶芸教室のような文化サービス産業に経済的基盤を求めて、「新しい陶芸」を創り出していくだろうということです。

観点を違えて言えば、これは「陶芸のアート化」ということでもあります。それならば、今までにも陶芸はかなりアート化してきていると言われるかもしれませんが、そのアート化が従来よりももっと徹底的に、あるいは本質的に促進するということです。

わかりやすく言えば、油絵や水彩画を描くようにやきものが作られるということです。したがってそれは「工芸としての陶芸の終焉」ということでもあります。更に、「工芸としての陶芸の終焉」は「工芸そのものの終焉」を暗示しているようにも思えるのですが、いかがでしょうか。

話が少し先走ってしまったようですが、しかし、千葉の陶芸はそのうち面白くなってくると思います。
 ものすごく面白いものに僕は出会ってしまいました。それは今のところとても小さな蕾状のもので、まだ誰も気がついていません。ここでも今は紹介することができません(数ヶ月のうちには紹介できると思います)。

というようなことで、「千葉の陶芸」から始まった話はここで一区切りとします。
返 信(azuma)
了解!

元気そうで何より。

「工芸そのものの終焉」・・・とても面白く拝見。そして、同感です。

>むしろ陶芸教室のような文化サービス産業に経済的基盤を求めて、
>「新しい陶芸」を創り出していくだろうということです。

この点も異論はありません。

僕の居た鎌倉彫は、戦後間もなくこの様な惨状?になり、いち早く鎌倉文士(小林秀雄・川端康成・大仏次郎など)の提案で、それまであった鎌倉婦人の中でサロン化していたお稽古を教室として格上げし、僕の職場のその業界のドンが彼らの協力で株式会社を立ち上げ今に至っています。

 ただ、その中に居た僕としては、その様な現実がクソ面白くもなくまた、当時(今も)のアマチュアは、プロのコピーで見るべきものもなく、なのにそこでの運営は、プロ以上の政治力がものをいうといった惨状でした。

近年のアマチュアの作品を見ても、とてもじゃないけど面白いといえる代物はありません。プロ(鎌倉彫のプロはいませんが、お教室の運営で生活している人達≒95%)の方々は推して知るべしです。新しい作品を創って勝負しようなどといった元気もありません。

なので、陶芸がアマチュア産業化するのは、時代の趨勢で誰にもその流れを
とめることは出来ないと思いますが、その中から果たして面白いものが出るの
か・・・・いささか疑問です。

でも、昨日ラジオで面白い話を聞きました。ジャニーズ事務所をはじめ、大手のアイドル事務所が、こぞって明治座などの興行成績が落ちている劇場と契約し、年々減少する劇団に代わり演劇を公演する動きが出ているとのこと。
 
今演劇の劇団は、「儲からない」からそんなところに「若者が行かない」という流れになり退潮著しいとのこと。これは工芸と同じ現象です。

大河ドラマは、ここ数年主役をジャニーズ事務所から輩出しており、阿部寛がつかこうへい劇団で揉まれ「化けた」ことや、最近では菊川 玲が同じ様な状況になったとのことを受け、アイドルのスキルアップも経験値を上げれば可能と事務所が判断したようです。

昔、吉本さんが「郷ひろみだって、場数を踏んで歌い続ければ、結局歌の上手い演歌歌手より上手くなっちゃうんだよ。だから、アイドル歌手だからといって馬鹿にしちゃだめなんだ」と言っていたのを思い出します。

という訳で、今丁度中野氏に、たまには砕けたノリで往復書簡もいいのでは?とお誘いのメールをしたためていたところです。

yahoo ! のツールを使うと三人で書き込み話し込みできるツールがあるのですが、その方法が好いのかどうかここでは判断できかねます。日時を決め(1時間くらい)時間を限定してメールでやり取りするといった方法もありますが。

ご意見お聞かせください。

とりあえず、原稿ありがとう。次も楽しみにしています。

では。

東 日出夫 
http://urushi-art.net

PS
このメールのやりとり結構面白くない?
もったいないのでWEBにアップしていいですか。
もしOKなら早速アップします。もし、加筆したいと
ころがあったらコメントを下さい。リンクを張って
注を添えます。
では、よろしく!
9/29 azuma

アップ、OKです。

とり急ぎ。    9/29 sasayama