Mushikui 錫研き厨子 (錫高蒔絵)

( photo by Zushiya )
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Mushikui 厨子(錆び)
Mushikui 厨子(錫研き)
Mushikui シリーズの一環です。

作家活動をスタートしてこの30年間、自分の表現の根幹を通っていた理念は・・・・「今」をどう摑むか・・・でした。具体的には、ダサイ鎌倉彫を現代にどう復権させるのかというテーマです。最近は、ちらほら錫を使って表現する作り手も出てきているようですが、30年前は全くいませんでした。この「錫」という素材と「錆」(=漆+土)という素材が、仕上げ方によっては「今」を摑むのに優れて適しているとした直感は、今ではそう間違ってはいなかったと思っています。


厨子とはいえ、大きく変化している僕らの生活スタイルは、従来型の所謂仏壇では、その居場所をなくしています。それは、ちょうど伝統的な鎌倉彫が、時代に取り残されている現状と同じです。そんな、今の風景のなかに違和感なく、自然に佇むような厨子があったらいいな。。という想いから生まれたのが『Mshikui 厨子シリーズ』です。



今回は、Mushikui (虫食い)というより、「書」の筆遣いに近い感じでトリマー彫刻をしています。筆圧が、トリマー彫刻の凹の深さに対置しているような気がします。

(Mushikui-ju)

(front)






(side)









(open)







(stand)










( close-up )
size:w40×h32×d26(cm)
inside:
w38×h29×d23(cm)

仕上げ:トリマーにて彫刻した後に、錆でディティールを付けてから高蒔絵の手法を使用。凹の部分は、錆び仕上げ。
     
<内 側>:錆び刷毛目
<外 側>:布着せ錫蒔絵仕上げ

本体:MDF

MDF・・・微細で均質に粉化された木材を圧縮したもの。
      無垢板ですと空調を効かせた現代家屋では、どうしても狂いが来てしまいます。その為、狂いを避けたいデザインのものに使っています。

       【音の歪みを抑えるため、高級スピーカーに使われています】


※ 錆び仕上げ=土と水で粘度状にしたものにうるしを混ぜたもの。本来は下地に使われる。
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