はーと落書き万葉小厨子



 


とにかく文字が好きです。英字・音符・象形文字・エジプト文字・数字・殷墟文字、そして落書きに至るまですべての文字が好きです。ここでは、リョービ・秀雄英訳の万葉集より大伴家持の歌を描きました。

振仰而 若月見者 一目見之 人乃眉引 所念可聞

振り放けて 三日月見れば 一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも

As I turn my gaze upward
and see the crescent moon ,
I recall the trailing eyebrows
of the woman I saw but once.


材質:ヒバ、金粉仕上げ(一部緑青色の緑青仕上げ)
外寸:H7.5×W12.2×D10.0cm
内寸:H3.3×W9.0×D6.5cm
 編集後記
都心の狭いマンションの一室で、大切な小物を仕舞ったり、亡き祖母が遺した指輪を入れたりする「聖なる小部屋」のような厨子があったなら......そんな想いから創ったのがこの小厨子です。SAVOIR VIVREの個展の際、愛猫の厨子にぴったりで、可愛くて反則だ!との賛辞をもらいました。人間だけでなくペットと寄り添う生活も今では当たり前の風景です。特段「居なくなった人」に限定して制作したのもではありません。現に「お嫁に行くときに娘に持たせる」とお求めくださった方もいらっしゃいます。作者としては、生死を超えてひとの傍らにあったら何かほっこりするものであってほしいと願っています。