僕の大好きな鎌倉彫古典文様の一つです。現物には、大分前に神奈川県立歴史博物館で出会いました。
鎌倉彫(彫木漆塗り)は、輪島塗などの蒔絵とは違い工芸史の表舞台に出てくるような秀作は残念ながらありません。茶道具でも所謂”下手物”の類に入れられてしまいます。この笈もコ汚いものでした。けれども、ここに描かれている椿文様それ自体は、何とも愛くるしくチャーミングでしかもモダンです。
この古典文様を僕が再興しなければ、歴史に埋もれて誰からも顧みられることもなかったと思います。そして、この古典文様は、豊かで深い霊感を呼び覚まし、きっとこれからも多くの作品を生み出す力を与えてくれるものと信じます。 |
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