「昔、樫の木だった頃に..........」



size:h 15.0 × d 7.5× w 9.5 (cm)

material:流木(船廃材?)

finish:ブロンズ蒔絵の後に腐食 彫刻部-金蒔絵
流木の中には、自然と人為が渾然一体となっているものが多い。この作品の素材も、よく見るとホゾのような工作があることから、舟材の一部が海岸に流れ着いたものと思われる。
 人為と、摩耗という自然の加工により何とも味わいある漂流物になって転がっていた.............

そのまま飾りたかったところだが、じっと見ていると何か彫ってみたくなった。無意識に「ダサイ」鎌倉彫を何とか新感覚の表現として再生したい・・・・というのがいつもあるので、ここでもよく使う古典文様を使ってみた。

僕が鎌倉彫から学んだことは「古び」を味わうこと、つまり今だけではない過去も含めた時の流れを感じることだったように思う。
1991年制作  横浜 日吉 八橋氏 蔵