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たぶん今、一生分の映画を観ている。

昨年の今頃は、韓流にはまって「韓国すげーなぁ」と感心したのと同時に、「邦画しょぼい」と決めつけていた。昨年の韓国映画にしろ、今年の邦画にしろ、どちらも映画を見るきっかけをもらったのが videonews.com の映画特集。今年は、神保哲生さんお薦めの邦画「糸」(瀬々敬久監督)と、宮台真司さんお薦めの英映画「秘密の森の、その向こう」(セリーヌ・シアマ監督)。

「糸」に出演していた小松菜奈という女優さんの演技にうたれて、彼女の出演した邦画、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」、「さよならくちびる」、「さくら」、「余命10年」、「恋は雨上がりのように」と観た。納得の演技。
 で、共演した男優北村匠海にハッとして、こちらも「君の膵臓をたべたい」、「君は月夜に光り輝く」、「勝手にふるえてろ」、「サヨナラまでの30分」、「思い、思われ、ふり、ふられ」、「さくら」、「明け方の若者たち」、「あやしい彼女」、「星降る夜に」と続けて観た。
それなりの数を観てくると、細かいところは気にならずに全体の流れを追うようになる。思春期の青いロマンスが多いので、昔で言ったら「愛と死を見つめて」のような反則気味の”死に落ち”が雛型になっている。やはり「死」はドラマのフックになっている。

以前の自分だと、ここで白けて突っ込んだと思うが、今はどうやら観る視点が違っているようで甘いシナリオの筋にも目を瞑れる。で、気付いたのだが、昨年観た邦画「ドライブ・マイカー」で、あまりにも展開がたるいので、海外で賞をとった訳を原作者が村上春樹だったからじゃ・・・くらいに感じていたが、どうやらそうとも言えず良い悪いは別にして、日本社会そのものが「たるい」んだなあと。つまり、高次に複雑で成熟した社会になってしまった日本の姿がそこには反映されているということ。
確かに韓国ドラマのシナリオや俳優の演技は素晴らしい。ただ、日本のドラマが単に社会が劣化したがために劣化したというような単純なものじゃないなぁと。

こういった、昨年にはなかった邦画や俳優への理解は、それなりの数の邦画をみてみないと気付くことはなかったと思う。
 小松菜奈、北村匠海の流れで共演者で引っかかった俳優を追いかけると、吉高由里子、森七菜、伊藤 沙莉といった俳優にも出会う。特に「ラストレター」で森七菜が演じた、姉を恋する先輩への恋慕の演技は圧巻で、あぁこれが、新しい日本の自然さの表現なんだと気付かされた。

そう複雑なのだ日本って。森七菜の「ライアー×ライアー」にしても、もの凄く複雑な状況で生まれる人と人のコミュニケーションだったり感情だったりする。興行成績を考えたら、こういったテーマは外した方が・・・といった懸念が生まれるくらい、日本社会の現実は複雑で成熟してしまった。それを演技しなくてはならないのが、今の日本の俳優になる。
で、気付いたことがあって、今回取り上げた俳優の内、可成りの数が子役出身というのにも驚いた。代表格が、「桐島、部活やめるってよ」の神木隆之介。かつては、子役で成功すると、大人になってからは賞味期限切れで潰れてゆくという常識があった様で、今は所属事務所も様々なリソースを活かして、大人の演技が出来るようなしっかりとしたサポートをするようになってきているのかも知れない。その方が、先行投資を回収できるので事務所側の利にもかなっている。
ということで、他にもアニメ「天気の子」やファンタジー「鎌倉物語」、「今夜、ロマンス劇場で」、「海街diary」、「チチを撮りに」と続き、昨日も米画「シンドラーのリスト」、今朝は「しあわせのパン」を観た。そして、六時間の長編作「水俣曼荼羅」を数日掛けて観る予定でいる。ここ数か月で、一生分の映画を観ることになりそうだ。

「水俣曼荼羅」に関しては、「一月万冊」で東大安冨歩教授が、藤原新也著「黄泉の犬 」を紹介し麻原彰晃に関連付けて興味深い話をしていたことによる。その話とは、熊本県は水俣市近隣の八代市出身の麻原彰晃とその兄が、チッソの水俣病患者であるにも関わらず水俣病の認定を受けれなかったことと、その家族が役所に住民票受理を拒否され村八分に会ったこと。さらに患者は、チッソで回る水俣周辺にあって「アカ」と呼ばれ不可触選民の様な差別を受けていたこと。それらが回りまわってカルマの様に後年地下鉄サリン事件を起こしたという仮説。
とても説得力のある藤原氏の仮説故、もう一度水俣病とは何だったのかを知りたいと思い「水俣曼荼羅」を観ている。

ナチスにしろ水俣病にしろ、そこで展開される様は、人間って元々狂った存在だということをあからさまにする。映画もその一部を担っている。もう少し徹底して映画を観ていこうと思う。
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