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朝一(1日の始動時)イグニッションキー(スタートアップキー)を回すとギャッギャッとギアを噛む音の後エンジンが掛かる。走って仕舞えば、その日1日はエンジンは快調。これって無茶苦茶感じ悪い。ヤフオクで¥5000で競り落とした整備マニュアル本は、からっきし役に立たない。結果、ネット検索することになる。 いくつもの関連事例がネットには満載だ。どうやら、経年劣化でスターターがお陀仏か、あるいは中の一部品が摩耗して故障の原因になっているらしい。 僕のシエンタは2008年製で14年も前のものだが、走行距離は65000km程。となると、部品の摩耗ではなく経年劣化と踏んだ。つまり、中のグリスが涸れたか、さもなければ汚れや塵でマグネット、コイル類のどこかが接触不良を起こしているのでは。。 |
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コロナじゃなかったなら安い(といっても二万円程)リビルド品をヤフオクで購入し交換するのがベストだと思うが、スターターのOH(分解、洗浄、グリスアップ、腐食箇所の磨き、組み立て等)は、ネットで検索する限りでは、そう難しくなさそうなので、ここは昔取った杵柄で、久し振りに車の下に潜り込んだ。 ジャッキスタンドは、ジャッキアップが面倒なので、お隣のご主人に頂いたリフトシャーシ(整備作業用の櫓?)に車を乗せ作業開始。 寝板に横になって車の下に潜るのは快感。先ずは、バッテリーの(−)ターミナルを外してと…。 手がデカい!部品が混んでいてラチェットが思う様に操作できない‼︎ やっとのことで取り外しfwoo;;;…。 分解は常に簡単。スターターの構造は、そこそこ複雑。というかユニーク。 化石燃料を燃焼させて、そのエネルギーを動力にする現在のガソリン車、ディーゼル車は、気の遠くなる様な非効率で且つエネルギーロス(熱や摩擦抵抗等)が多い。複雑で面白いと言えば、そう言えないこともない。けれども、エンジンの始動の構造は、アホみたいに馬鹿げた初動から始まる。先ず、バッテリーからの電力を使ってスターター内にあるモーターで小さなギア(径2.5cm程)を回す。 |
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この軸には径5cm位の銅線を巻いたコイルが収まっていてモーターとして動作し、一瞬エンジン本体の大きなギアにシーソーの原理を使ってスッと差し込まれピストンを動かす。一旦ピストンが動いてしまえばスターターの小さなギアは邪魔でしかないのでスッと引っ込む様に造られている。それをエンジンの始動の度に繰り返す。 大方、自動車エンジンを始めとする機械類は、ピストン運動を基軸にするので、ある意味セクシャルだ。そもそも車の下に潜り込む行為って擬似的な性行為に近くないか…。それが好きな私目は、根っからの助平ということになるかな(当たっているけど 話が逸れた。 で、このスターター、エンジン始動時に電気的に動かすための仮の回転機で、エンジンが回り始めたら役割を終え、後は次の始動まで静かにしている代物。14年経ったら中のグリスも涸涸に乾く。案の定パサパサのカスが底部に引っ着いていた。 回転を担う小型モーターはコイルに4極 のマグネットが電極の接点として働くが、一時も通電が断線しない様バネで圧力がかかる様にできている。走行距離65000kmでは削れた様子はなく、只の汚れなので研磨用スポンジでピカピカに。 大した手間ではないが、14年という歳月は結構な汚れを残していたので、クリーナースプレーとブラシで除去。気持ちいい! |
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各部品の動きと働きを繰り返し確認した後グリスアップ。電極部には活性剤を噴霧。 一番の難関は、コイルに設置された円柱の銅板に接触通電させる四つのマグネット電極の根元にバネがあり、常にマグネットがコイルに接触する様に圧を掛ける構造になっているので、この四つの電極を同時にコイルに嵌め込のに工夫が入る。ネットには、配線を束ねるのに使われるナイロン製のクリップを代用し、バネを押し下げたところで巻き付けて止め、組み立て後にクリップをカットして収める方法が紹介されていた。でも、僕は持ち合わせがない。 … 棒状のヤスリで1、2極は嵌め込めるが、3つ目で×。ここで思案。ソケットレンチのソケット25mmに一旦仮に噛ませる策。ちょと手こずったがスコンと4極同時にセットアップ。あとは外回りの汚れを洗浄し組み立て完了! 一番難儀したのはOH(オーバーホール)ではなくて車への取り付けだ。設置箇所が狭く僕の古いレンチ(35年もの)は、ガタつきと遊びが多いので柄の振り幅がギア1刻み分もない。根気よくカチッとギアを一ヶずつ回して漸く完了。 バッテリー(−)ターミナルを接続し、もうどきどきモンでキーを回した…。 グッ…グッ… シーン。。 あれ?配線を間違えたか? |
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最初からやり直し 同じ手順でとり外し(難儀さは変わらず)分解。その前に、一応ネットで分解された部品配列を確認… えっ!肝心要のシーソー状の樹脂の部品を付け忘れ💦 基本中の基本の欠如で、余りに情けなく、これじゃ命を預ける車の整備をする資格はない!と泣けてきた。 6時を回って辺りはすっかり暗くなりだしたので、早々に取り付けないとやばい! 半ベソをかきながら同じ手順で組み立て。自分が信用できないので、スマホに保存した分解時の画像を印刷し、一つ一つ比較しながら組み立てた。 我が家の駐車場は旧街道に面しているので、真っ暗な中、脚を道路にはみ出して寝転んでいると、通行人やドライバーもきっと呆れ顔だろう(●´ω`●) やっとのことで取り付け、バッテリーの(−)ターミナルを付けて運転席へ。。先ずは祈りながら深呼吸「頼むから掛かってくれ.....」 |
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ボン! 一発で気持ち良くエンジン始動。やった!! 自分を信じた自分を褒めてやりたい。自分でやれることは自分でやるの精神を通した自分を誇りに思う(少し大袈裟)。 今回のスターターは、自動車整備のなかでも動力装置(エンジン)に直結するパーツなので間違いは許されない。なので、整備工場は、整備と称する「交換」を実施しているのだろう。人件費が一番高い状況では、OHなどしたら、それだけで何万にもなってしまう。 久し振りの整備は、楽しく、そして学びの多いものだった。 おまけ 実は、組み立てミスの後、慌てて取り外す際、うっかり3kgもあろうスターターを顔面に落とした 注意一秒怪我一生! ヾ(@⌒ー⌒@)ノ |
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