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ロシアがウクライナに侵攻した。誰もが驚愕したが、事実とはこういった形でやって来るのだろう。

『感染症と世界史』の指摘を読むまでもなく、パンデミックは感染症という病が伝搬する事象で済む話ではないことは、コロナ禍も二年以上が経った今リアリティーをもって迫ってきた。今回の侵攻も当然リンクしている。
 ただでさえコロナでスタグフレーションが進み、ガソリンをはじめ様々な物価が上がっていた中で、ウクライナ危機はそのダメージを助長する。僕の周りの風景は、もの凄い分かり易い形でリスクを顕在化してきている。

世界の構造が諸共変わり始めた今、そう言えば40年前吉本隆明さんは、資本主義や国家の終焉を指摘していたなぁと当時の講演を聴き直してみた。何と既にスタグフレーションという語彙を使って日本の資本主義について言及していた。

(朝日新聞デジタルより)
YouTubeで『一月万冊』を視聴し始めて丸一年経っただろうか。進行役清水有高氏と安冨歩東大教授とのやり取りは、ここに来てコロナの話題から離れ(日本の感染対策が酷過ぎて)安冨さんの専門分野である経済にシフトしてきている。中でもビットコインという仮想通貨の解説は面白い。

今まで流通してきた貨幣という通貨システムが、最早機能不全を起こし、日銀が象徴するように迷走し始めてきたのも、国家というシステム自体がきちっと回らなくなっている証拠でもあるということ。金融機関自体が、リスクを避けるためこの仮想通貨(暗号通貨)を使い始めていることも象徴的な事例として挙げていた。

面白いのは、仮想通貨(暗号通貨)のやり取りが消費と生産を同時に進めているという、新しい金融を含めた経済の姿だ。そう、40年前に吉本さんが、消費社会というのは、消費という視座からみても生産という視座からみても同じ社会を言うという指摘があった。別の言い方をすると、生産とは遅れて来る消費、あるいは物理的にも時間的にもズレている消費に過ぎないという意味。
 この事態が、2022年現在では消費と生産が同時に重なって行われるまで時間差や空間差が縮まってきている事象と言える。
阪神淡路大震災の直ぐ後、消費理論を引っ提げてフランスの思想家ジャン・ボードリヤールが来日した。その時、紀伊國屋書店の企画でジャン・ボードリヤールと吉本隆明との対談がセッティングされた。二人の会話は、その関心がズレていたこともあってかみ合っていないのだが、今となっては記号論を武器に論陣を張っていたジャン・ボードリヤールより、「消費も生産も同じだ」という吉本さんの視座の方が、資本主義が終わろうとしている今を先取りした指摘ではなかったか。

そして、今や瀕死の資本主義や国家という在り様にとどめを刺すのが、当に新型コロナウィルス( COVIDO-19) になる。

(写真:ブルームバーグ)
3月7日現在、原油価格1バレル140ドル。ちょっと前に130ドルでビックリこいたのにあっという間。150ドルもそう遠くないのでは。。これ当然ガソリン価格の値上がりに止まるだけではない。全ての物価を押し上げる。ただでさえコロナで社会は傷んでいるのにウクライナ危機が追い打ちをかける。

日本人にとってウクライナは遥か遠い国だったが、こんな風に身近になるとはゆめゆめ思わなかった。
 僕らはウクライナについて殆ど知らない。今日「一月万冊」(コメンテーター安冨歩氏)を視聴していたら『物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 』(中公新書) を取り上げていた。
 ウクライナの歴史(特に第二次大戦前後とその後)、それは悲惨で過酷な独立への意志の集積。大国からの侵蝕、併合、吸収、そして、それからの自由の闘いでもあった。
 
ウクライナは、同朋でもあるソ連のスターリンからの迫害で1000万人、独ソ戦の煽りを受けての犠牲者が1000万人と、スターリンとヒトラーという独裁者によって2000万人の犠牲者を出している。そして何度となく独立運動を展開してきた。なので、今回のウクライナ危機でプーチンに屈することはないと思う。

すっかりコロナどこ吹く風の勢いだが、まさしくパンデミックの実相を僕らは目の当たりにしているのだろう。自分が生きている内に世界戦争が起こるとは考えたこともなかったが、福島の原発事故も同じ様な感想だったので、何が起きてもおかしくない状況だ。

コロナ前、さあこれから全面展開だ!と意気込んでいたのだが、まさかこういった状況になるとは。。新しい作品の進展も鈍るし、サッカーやテニスの活動もたたらを踏むし、対面でのコミュニケーションも取れずにいるので、精神的なバランスをとるのに四苦八苦している。
 
ベルリン陥落
 
  いわゆる「近代戦」の原型はナポレオンに始まると言われているが、そこで目指されたものは近代国家。そのために「国家」という共同幻想を必要とし、それを支えるナショナリズムと軍隊を整え、他国を聖戦の名の下に先進国は侵略を繰り返してきた。その国民国家が、今コロナを切っ掛けに終わろうとしている。

歴史の大きな転換点にパンデミックがあるとされているが、恐らくパンデミックは引き金を引くスイッチのようなもの。戦争や天災と同時にやって来るというのは、僕ら人間には見えない因果なのだろう。そして、普段はみなくて済む社会の粗も露見させ、その意味では閉塞した世界の全てを浄化するという意味でアンビバレントではあるが「幸い」なのかもしれない。
 
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