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そうそう、何か大きな事件について触れるのを忘れていたと思ったら・・・・・思い出しました。宮崎 駿監督の引退宣言です。
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2009 & 2012 Today's image index
  そこで、お約束「僕の宮崎アニメベスト3」をあげてみます。

第一位:「となりのトトロ」

第二位:「千と千尋の神隠し」

第三位:「天空の城ラピュタ」
実を言うと、ここ数年の宮崎アニメは観ていません。絵柄も含め余り惹かれるものがなかったというのが本音です。なので、あまり語る資格はないのですが、傑作は僕が子供達と見た昔の作品の中にあると思えるので、その範囲で触れてみたいと思います。


第一位の『となりのトトロ』は、作品の良さというより、僕と息子達の時間がこの作品を媒介にして、深く、濃く重なっている作品なので、その点ちょっと私的な要素が強すぎるかも知れません。でも、その点を差し引いても優れた作品だと思います。


先日、毎晩聴いているラジオ大阪「News Tonightいいおとな」でアンカーマンが宮崎アニメに触れ、糸井重里を初めとするコピーの素晴らしさを指摘していました。そして『忘れ物を届けに来ました』というキャッチコピーが宮崎アニメを最も象徴するコピーだという指摘に僕も合点しました。
 
僕らは何を忘れたのか・・・・・。


電線の上をはしる猫バスを犬が吠えるシーンがあります。当然猫バスを彼らは見えているわけです。もちろん、子供達には猫バスは見えています。


ちょっと話は飛びますが、僕が今一番信頼出来ると思うニュースメディアに http://www.videonews.com/ があります。第646回マル激トーク・オン・ディマンド(2013年08月31日) で「霊魂と肉体: あの世とこの世を分かつもの【Part1】 」を放送しました。この回は、無料放送なので是非ご覧下さい。


内容は、矢作直樹氏(東大病院救急部・集中治療部部長) をゲストに向え「臨死体験」や「幽体離脱」、そして「憑依」など、ちょっと怪しい内容が取り上げられています。亡くなったお母さんと、霊媒師を通して会話した話等、普段僕らが真顔では人に話せない「霊」とか死後の世界などを真面目に扱っています。



つまり、僕らは日常をスムースに送るために「常識」を刻一刻上書きしながら毎日を送っているわけです。これは常識という分りきったプラットホーム(社会基盤)を強固にし、かつ効率よく回るように働きます。でも、このことによって第六感など、多くの受容器というか感受性を失います。
滅多に”怪しい話”をすることはないので、ついでに怪しい話を連発してお話しすると・・・


僕、空中浮遊したことがあるんです。それは小学生の4・5年の頃で自宅でのことでした。隣に姉がいたので「今、僕浮かんだよね!」って聞いたところ「うん!」と、ちょっと申し訳なさそうに同意してくれました。姉の同意はちょっと怪しく、同意を懇願した僕に同情票を入れてくれたのかも知れません。でも、僕自身の記憶では、1mほど浮かんだ空中から畳の目を確認出来たことを覚えているので(これは上空からの視線でした)幻覚ではなかったような。。



段々、HPに載せる内容には相応しくないような感じになってきましたが、怪しいな~と思われる方は飛ばして下さい。

それと、以前お話しした事があったかも知れませんが、ドイツで個展を持ったとき、それまで旅行嫌いで国内はもとより、海外など行ったこともなく初めての欧州でした。

案の定、電車の切符の買い方も分らず自動販売機にお金を入れて料金ボタンを押しても切符が出てこない;;;延々と繰り返したところで、はたと行き先までの料金ボタンを押して、それから料金を入れるというなんとも合理的なシステムに気付きました。日本と全く逆なんです。
 
旅行好きの方なら、そう言ったことが新しい発見で”面白い!”となるのでしょうが、僕にはただのストレスで混乱するばかり。周りは知らない人だらけで心細いったらない。多分笑みを持って人に聞けば親切に教えてくれたと思います。でも、ドイツの地に降り立って間もない僕は、度胸がなくそこまで出来ませんでした(情けな!)



そんな毎日で、四・五日経ったある日の晩、実はそれまで毎晩夢に親父が出て来て色々と話しかけてくるのです。もちろん僕の親父は既に亡くなっていました。ずっと、床に伏せていましたので、日本にいるときの夢では、必ず床に伏せているのが普通でした。ところが、ドイツでの夢では、いつも凄く元気溌剌なのです。

そしてその晩の父は、もの凄く格好いい紺の厚手のはっぴを着て祭にクリ出すところでした。「これは喧嘩に三度勝たないともらえないいんだぞ」と、そのはっぴを自慢げに披瀝していました。そして「日出君(親父は僕をそう呼んでいました)そろそろ還るから」と言うのです、「えっ、還っちゃうの!」と返したら「大丈夫。そろそろ良いんじゃないか。。」と言うので、親父も色々忙しいもんな~と「分った」と返事をして別れました。
 
 
その翌日、お世話になったgalleryのお嬢さんとフィアンセから、お隣の町ケルンでお祭りがあるからお食事でもどうぞとお誘いを受けました。あとで知ったのですが、”ケルン・カーニバル”はドイツでも特別な祭です。そして僕の父はその日に、この祭に参加していたというわけです。

ケルンの祭を知ったのは、親父がはっぴを着て夢に出た晩の翌日ですから、つまり目覚めた その日ですから、ちょっとぞくっとしました。

でも、この日から僕は、次の訪問地フランクフルト、ミュンヘン、ベルリン、ローマ、ベニス、フィレンツェ、そしてミラノと、ツアー客が先ず行かない町の外れまで一人で入って行き、フィレンツェでは、日本で言えば漆工房のようなリペア工房でオーナーに作業場まで見せて頂くという幸運を手にしました。その時点で僕の中には、まったく不安は消えていました。
 
「となりのトトロ」から大分遠くに来てしまいました。伝えたかったことは、僕らが現代社会の中で市場原理や経済効率を優先せざるを得ず、そういった日常で勝ち残るには、科学的指向を徹底するしかないと言う現実を前に、何かとても大切なものを捨てているような気がするのです。

いえ、経済的な豊かさが重要ではないと言っているのではありません。そもそも経済的豊かさと精神的豊かさが対立軸として相反するものではないはずです。



多分、宮崎さんもその辺のことは分って作品を作っているのだと思います。月並みな現代社会の批判だったり、資本主義の限界だったりは充分分っているのだと思います。時々エコロジストみたいな片鱗が見えたりします。「もののけ姫」などはそんな感じでしょうか。


でも、僕らの社会が抱える”負”の部分は、市場原理の中から生まれる矛盾だったりするのは確かなので、宮崎さんがちょっと偏った倫理的なストーリーだったり、エコロジストじゃないのか?といったコンセプトで描いてしまうのも分らないではありません。この辺は、時代の限界なのかな~とも思います。

しかし、宮崎アニメは、それらを捨象しても余りある素晴らしさがあるのもまた事実です。

 
 
「風の谷のナウシカ」を初めて観たとき、最初に感じたことは「これってファッショじゃ......」といった感じでした。多分これは、僕ら団塊の世代が戦後GHQの監査を通った学校教育によるところが大きいと思います。つまり愛すべき家族や友人のために身命を賭す、あるいは身を擲つといった犠牲的な精神は、戦前にあった危険思想に通ずるものとして所謂「黒塗り」されたマインドだとされたことです。



確かに僕自身中学生の頃、人のために自分が犠牲になるという美意識をコントロールすることに難儀した覚えがあります。これは思春期の始めに、自分が取るに足らない卑小な存在だといったコンプレックスや、あるいは性の妄想に苛まれる汚れた存在だといった感情を一気に払底するのに、他人のために人身を賭すといった”荒治療”がとても効果的だということに気付いていました。

でも、この飛躍が自分の弱さによる安易な昇華願望であることにも同時に気付いていましたので、犠牲と昇華の同調について悶々としていたことを良く覚えています。なので死を美化する無意識の構造にはとても敏感になってしまいました。出来れば僕もナウシカのように、村人やオウムのために命を捧げたい・・・・でも反射的にそれは’否’とする抑制が働きます。死を美談にすることは、僕ら戦後世代には許されないのです。

丁度この時期、僕は町の教会に通っていました。そして、正しく自分も十字架に掛ろうと真剣に思い込んでいました。そして母親に「高校へは行かずに牧師になる!」と言って親を泣かしたのです。でも直に、聖書を持つ自分が、ただ単に「浄化」を望んでいる、結局他人より自分のことを思う醜い存在であることに気付いてしまうのです。ほんと厄介な奴です。
 
この他人のために「犠牲になる」 という感情を、「風の谷のナウシカ」のような直截な、あるいは見え見えの表現ではなく、さらに深く次元をあげて表現するのに成功をしているのが「天空の城ラピュタ」だと思います。この物語の何に感動したかと言えば、それはラピュタに配備されていた自律式ロボット兵器の無私の’自己犠牲’でした。機械的にプログラムされていればこそ、命を省みないことが打算に裏打ちされていないことを永遠に保障するので、どうしてもそこにシンパシーを抱いて仕舞います。


そして同時に、このシンパシーをどこかでもったことがあったような、ある既視感をもちます。それは、大分時間を遡って手塚治虫の『火の鳥』に出て来たロボットとその死に涙したそれです。僕が漫画をみて涙した最初です。

中東は別にして、僕ら人間が露骨に人の犠牲になり、一足飛びに自分を神聖化することは今の世の中では許されません。こういったカタルシスは、最早ロボットに肩代わりしてもらうしかないのです。その意味でもヒューマニズムは死んでしまいました。
ちょっと長くなりました。最後に『千と千尋の神隠し』ですが、このアニメも僕は、リアルタイムで観てはいません。とても評判になっていたので、少し時間をおいて観ようと決めていました。作品が発表されて大分経ってからもリクエストが多く、再放映という形で藤沢の映画館で観ました。エンディングと同時に掛った主題歌 

.............

さよならのときの 静かな胸

ゼロになるからだが 耳をすませる

生きている不思議 死んでいく不思議 

花も風も街も みんなおなじ

..............




人の感覚器官で一番最初に完成するのが聴覚ということが分っています。つまり、母胎の羊水の中で一番最初(6ヶ月目)に出来上がる胎児の感覚器官が耳ということになります。そして、臨終のあと最後まで働いている感覚器官も聴覚だそうです。

この事実を知った上でもう一度上の歌詞を口ずさむと、さらにこの詩の深さが伝わってきます。
 
当初宮崎監督は、柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』をアニメ化したかったと聞きます。でもこれが叶わなかったので『千と千尋の神隠し』として独自のアニメを創作しこのアニメが生まれたそうです。ということで、この童話を電子書籍でダウンロードしてみました。

素晴らしいファンタージーでびっくりです!

作者の柏葉さんは岩手県は花巻のご出身なので、どうしても宮沢賢治と重なってしまいます。偶然、この夏NHKラジオ「すっぴん」にゲスト出演していたときお約束でアナウンサーは宮沢賢治との出会いに触れましたが、賢治の著作はまったく読んでいなかったようで、最も影響されたのは彼女の祖母の創作童話というか、勝手にアドリブでお話しをこしらえる事が上手だったらしく、その祖母の影響を一番受けたとお話ししていました。



東北は、ファンタジーに満ちた地なのでしょうか...............

元々は『気ちがい通りのリナ』というタイトルでしたが、一応これは差別用語に当たったからでしょう『霧のむこうのふしぎな町』に改題したようです。
 
でも、僕は文中の”めちゃくちゃ通り”という箇所はすべて「気ちがい通り」として読み替えています。その方が自然で作者の原イメージが深く伝わってきます。作者が”気ちがい”という言葉に差別感を持っていたとはまったく思えませんので。
 
 『千と千尋の神隠し』が、他の宮崎作品に比べより深くなっている箇所、それは海上の海原電鉄に乗ってハクに掛けられた魔女の呪詛を解く方法を双子の魔女銭婆に聞きに行くシーン。これは明らかに「他界」をイメージしていて、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』程ではありませんが、他界の視線を加えることで僕らの想像する世界を一段階次元をあげて表現することに成功しています。



そして、これは極めて個人的な出来事なのですが・・・・・・


次男の大学に、ある女の子が入学してきました。その娘と息子のクラスメイト数人が初めて言葉を交したとき、宮崎ファンの息子が気付いてしまったのです・・・

「君、千尋でしょ。。ハクと一緒に庭でお握りを食べるシーンやってみて!」

彼女はすんなりとリクエストに応えてくれて、お握りをぱくついて泣くシーンまで再現してくれたそうです♪
そうなんです、千尋の声を吹き替えた声優柊瑠美さんが日芸に入学してきたというわけです。一声聴いただけで声優を当てた息子も大したものですが、そのリクエストに応えてくれた彼女も素晴らしい。
   
 ということで、まだまだ話したりない感じですが、そう引っ張れないので今回はこの辺で幕ということにします。



今日は、真っか晴れのなか、この地金浦地区の「芋煮会」でした。生まれて初めてグランドゴルフなるものにも参加させて頂きました。皆さん地域が空洞化するのを阻止するのに必死です。20名ほどの方々は、ほぼ僕より年長ですが、けっこう楽しいです♪



いつの間にか、辺りはすっかり秋の気配。。僕自身は、いまから厳しい冬をどう乗り越えようか、ちょっぴり思案しています。


では、では。



 おっと、いい知らせがあったのでした。
 
 
金浦............ pm 0:00
  
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先日ポストを覗くと一枚の葉書が逗子から来ていました。なんだろうと目を通すと・・ ・・・・・・ 

お宅の愛猫メイちゃんが鎌倉・葉山・逗子地区で最長寿になるので鎌倉福祉会館での授賞式に参加願います・・・・・推薦人 逗子市安田動物病院院長

何と、あの瀕死の重傷を負った(詳細は「猫がきらい」をご覧下さい)メイを救助?して下さった犬猫病院の医院長が、過去の治療履歴からメイが最長寿になったことを証明し推薦人になって下さったようです。何とも目出度いいい知らせでした。そういえば、その晩夢に出て来ていましたっけ。相変わらず素っ気なくクールでした;;一旦捨てられたわけですから無理もありませんね。。


ここ最近は歳で、涼しいガレージの上に作ってあげた特製の棚に駆け上がることも出来なくなっていましたので、今年の猛暑はどう乗り越えたのでしょうか。。時々、着替えの服にメイの毛が付いていて「また付いてる~””」なんて思わずに、そのままにしておこうかなっと。



どうですか、いいお話しでしょ♪