今年漆搔きになるべく修練中の竹内君
 
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雨で延び延びになっていた NPO 丹波漆主催の今年第1回「漆掻き講習会」は7月1日に開かれた。確かその時、上の動画の竹内君は、どこか据わりが悪くぎこちなかったような・・・・・。



第3回目(7/28)の講習会は、師匠の岡本さんが、本職の養鶏業がこの時期佳境を向え講習会に出られないことで急遽愛弟子の竹内君の指導で講習会は始まった。今年富山大学の漆芸家を卒業し近畿では唯一の日本産漆搔き岡本さんのお弟子さんになったと聞いている。



その彼が、数ヶ月で上の動画ような手際の良さと滑らかな所作になるとは正直思わなかった。反覆は命、何十本と漆の樹を搔くことで歌舞伎役者の稽古のように確実に成長してゆくのだな~と改めて人の持つ潜在力を知ることが出来ました。
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2009 & 2012 Today's image index

 photo by shikata
そして、ついに生まれて初めて漆搔きを体験しました。その日は、8/6日にやって来ました。

この時期の漆は、「盛り」といって一年で一番質の良い漆の樹液が出る。こんな貴重な時期に僕ら素人が「体験」と称して日本産の漆を搔いて良いのだろうか・・・・・・・と気が引けた心持ちで漆の樹に対面しました。


もともと臆病で小心者の僕ですが、やはり怖々搔いているのがバレバレです;;夢中でしたので写真に撮られていることに全く気付きませんでした。「うるしの館」のスタッフの方からこの画像を頂いた時は「口を半開きに開けて間抜け・・・」に思えましたが、今観るとなかなか好いワンショットだと思います(でも、腰が引けてますね;;福知山の写真家四方さんありがとうございました)



 
  例によって、採取した樹液を瓶に移したあとの漆桶をお借りし、底に残った(敢えて残して頂いた?)漆で、合鹿椀三つを摺り漆することが出来ました。「漆搔き」をこの目で見てしまうと、滴の一滴たりとも無駄に出来ないな~と実感します。なので端から見たらみっともない光景に映っているかも・・・・ですが、僕はそんなこと無視して「mottainai」 精神を貫徹しています。



でも、三回目の講習会に出てふと気付いたのですが、いくら体験学習を含む講習会とはいえ、下手くそなド素人が数少ない貴重な漆の樹を体験と称して搔いて良いのだろうか・・・・・と強く感じ始めています。漆搔きの職人になる事が今後考えられないなら、体験は一度で充分ではと思っています。

今日、この春漆搔きの世界に入った竹内君に僕の仕事の一部を手伝ってもらう(実質的には下地までの下請けということになります)件で工房見学を兼ね遊びに来たので、そのことを伝えたら、そのことは織り込み済ですということでした。でも漆搔きという職を見るにつけ、そして搔かれる漆の樹を見るにつけ素人が手を出す世界じゃないな~と正直思います。少し考えてから結論を出したいと思います。
 
2013.08.28..................am 9:20
  残念ながら職業としての漆搔きは、ここ丹波では既に絶えてしまった。つまり漆を採取し、それを市場に出して生活の糧を得るという生産と消費、あるいは需要と供給を支える構造がまったく消えてしまった。それを再生させるという構想は、時代に逆行しているのは勿論、日本人自身がその根本的価値観を変えなければならないほど途轍もなく難しい。

僕ら日本人は、消えゆくものを人為で敢えて消さないように働きかけるというより、消えてゆくという「自然」に委ねるという美意識を無意識に持っている。これに抵抗する術は、日本人が西洋近代の「意志」を無意識のレベルまで落ちてくる時間というか、経過がどうしても必要ではと思う。

ただ、閉塞感漂う今、あえて無謀にも日本人の持ち続けてきた世界観に抵抗するという選択は、相当な冒険で、ある意味革命だ。どちらかというと華奢な体つきの竹内君と話していて、そんな覚悟というか凄みを感じた。
 
     
  上の画像は、先日「やくの木と漆の館」館長のお言葉に甘えて漆の樹の「蘖(ひこばえ)=草木の切り株や根元から()え出る新芽」を頂き庭に植えたもの。植えて直ぐ葉が全部しおれ、ガックリきたところで竹内君に様子を伺ったところ「これ大丈夫ですよ、木を移したとき漆の樹は葉を落として身を守るのが普通で、来年の春には天辺の芽のようなところから伸びていくはずです」という心強いお言葉を頂いた。

それにしても漆の樹は、育ちの良い貴婦人のように世話をし手厚く庇護しなくては育たないデリケートというか品の良い樹木だ。

ということで、十数年後僕のこの手で漆を搔くという事態を自分で作ってしまったので、次の漆搔き講習会からは本腰を入れて実習しようと気をひき締め直した私目です。
 
  蘖に付いてきた枝の方が瑞々しい緑色の葉を堅持してくれています。こちらも上手く行けばきちっと育ってくれそうです。  
   
  ちょっと反則では・・・・と思えるほど行き成り秋がやってきた。

エアコンが、大きな蝉殻のように音もなく壁にひっついている。


この地は雨が多いと聞くが、最近は朝雨音をベッドの中で聴くと何故だかとても落ち着く自分がいる。

ようやく何とか仕事が出来る環境が整い、自分のペースが出来たところで自分を取り戻したら、数ヶ月前の自分とは凡そ掛け離れた状況に気付き「ああ自分は兵庫に来たんだ」という事実に今頃驚いている。

仕事をしながらラジオを聴くのは変わらないが、ここ関西というか近畿でもサザンの人気は高く桑田君の曲はよくかかる。人生の半分以上の38年間湘南に住んでいたわけで、改めて桑田佳祐って凄いな~と鎌倉や江ノ島、そして茅ヶ崎を懐かしく思い出す。
 
   
 ちょっとセンチになってきたので昨晩は雨の中フットサルに出掛けた。

数週間前お隣の養父市でシニアのフットサルに参加させて頂いたおり、この地朝来市でも若者を中心に小学校の体育館でフットサルをやっているので是非どうぞ!と誘われていた。


一月前は、姫路まで80km程あったがフットサルクリニックを受けに出掛けた。1時間ちょっとで高速を飛ばせば着く。ただ、帰りは真っ暗な一車線をヘッドライトを上向きにしてぶっ飛ばすのが結構怖く、そこで但馬サッカー協会に、どこか練習に参加させてくれるチームはないか問い合せたところお隣の町のシニアチームを紹介して頂いたと言うわけです。


兵庫県内の三箇所でフットサルをしたわけですが、共通して言えるのは、特に若者がシニアに対して優しいというか別格に扱ってもらっているのが肌で感じることが多い。これは明らかに関東ではあり得ないことだ。本気でリスペクトしているのでは?と錯覚するほど年齢差をさっ引いてプレーを評価されているのが端々の声掛けで伝わってくる。

年寄りを敬うという習慣が残っているのかどうか、今暫くこの地で生活してみないと分らないが、狭い地域で皆がお互いを労らないと世の中が回らない・・・ということから来ているのかな~と思ったりしている。これはこれで悪くない。
 
 つい数週間前まで熱中症・熱中症と叫ばれていたような・・・・・。秋のイメージは、しっとりとやって来るはず。でも、ここ数年はストンとやって来る。秋だけでなく日本の四季も大分様子が違ってきているのだろう。



そうこうしているうち、2020年のオリンピック開催地に Tokyo が選ばれた。前日まで「福島の原発は完全にコントロールされている」といった戯けた政府のコメントに開催資格はね~よ、と突っ込んでいたが、その資格がないのは僕らの団塊の世代だけで、これからの若い世代に責任は全くないので、ここは素直に良かったと思う。

閉塞感がずっと続いていた日本に、”祭”が世界を一変させるという事実を体験できる機会を貰ったことは、勝ち逃げ世代と言われている僕らにとって、これからの世代にちょっと申し訳がたったような都合の良い感想を持っている。
   
稲刈り..............茶すり山古墳から    pm 4:50
 
   確かオリンピック以外に、もう一つ大きな事件があったような・・・・・・。 

何か思い出せないので別の機会に触れたいと思います。


さて、来月下旬から南麻布にリニューアルされたアメリカンクラブ玄関ギャラリーでの第2回展示会が始まります。やらなければならないことが山ほどあるのですが、どれを選んでどれを捨てるかが今一つ上手く出来ていません。

盆休みもとらずに修繕やら何やらやって来たんですが、いろいろ背負い込む癖は直らないので困ったもんです。


さてさて、オリンピック開催で東京が活性化するのは間違いないので、ここ朝来市やお隣のNPO 丹波漆の方々と何か仕掛けられないものか、つい考え込んでしまいます。それには、もう少し自分をリフレッシュさせなければ妙案も浮かびそうもないので、ここはサッカーじゃありませんが「切換え、切換え」でしょうか。


ということで、漆搔きも盛りが過ぎて、そろそろ終盤を向かえます。今週中に講習会が予定されていますがお天気次第。また、いいお知らせをお伝えできたらと思います。

では、では。
 
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