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四月、何色とは呼べないほど無限に幅をもった淡いパステル調の山肌は、やがて単色の若葉色に移るはずだった。そして誰かが、うっかり薄墨を溢してしまったような五月がやって来た。それはまるで、ビーカーの中で二層に分離してじっと沈んでいるような、いつもより重い五月だった。
 
  前回、村上春樹の文体は「文学体」だと言うようなことを少しだけ触れた。このような文学論を唱えたのは吉本隆明氏だ。
 

20年程?前「イメージとしての文学」という吉本さんの講演を聴きに行ったことがあった。確か福武書店の企画だったと思う。その時の録音テープがあるので、今では使うことがなくなって部屋の隅に転がっているラジカセで久し振りに聴いてみた。



そこには、いつものような訥々とドスの利いた調子で語る吉本さんが居た。

.....あぁ、亡くなってしまったんだ・・・と思ったのは一瞬で、直ぐ講演の内容に引き込まれた。その内容はというと・・・・・・
 
  たまにドラマなどを観て細部のディティールの構成がズサンだと、一気に興醒めしてしまうが、村上春樹の文節には何処をとってもそれがない。彼自身が語っているように「とても丁寧に書いてます・・・・・」。この言葉に嘘はありません。












ごめんなさい!超~~激務でフリーズしてます。吉報なのですが未だ公表する段階ではないので、何れお伝えしたいと思います。


ということで、「村上春樹の文体」は、また改めて掘り下げてみたいとおもいます。


では!
 
 
 
 
   
  春樹下書き



僕は今日まで、どうも時代にぴったり寄り添い、自分を重ねて生きてこられなかった。フォークソングのブームにも乗れなかったし、学生運動にも嘘くささを感じて遠巻きに見ていた。「あんな風に今ゲバ棒を振っているけど、卒業時期になったら髪を短く整え、何もなかったかのようにビジネススーツを纏い一流企業の面接会場に出掛けるに決っている・・・」と馬鹿にしていた。


そのビートルズでさえ僕にとって同時代的ではなかった。というのも僕の周りには、といっても自分のクラスにはという意味だが、たった一人何人かの兄貴を持つクラスメートが「何でビートルズを知ってんの?」と
 
   
   
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