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マル激トーク・オン・ディマンド 第612回(2013年01月05日)
2013年、テーマは愛
ゲスト:小幡績氏(慶應大学准教授)、萱野稔人氏(津田塾大学准教授)
 2013年最初のマル激は萱野稔人、小幡績両氏を招き今年の展望を議論した。
 昨年は世界の主要国の多くがレジュームチェンジを迎えた年だった。日本でも12月26日、安倍「危機突破内閣」が誕生し、「物価上昇2%(インフレターゲット)」の公約実現に向けて動き出した。先の総選挙では有権者の圧倒的多数が、景気や雇用の問題を原発やその他の社会政策に優先して投票したことが、世論調査などによって明らかになっているが、どうやら2013年も出だしから経済問題が世の中の大きな関心事になりそうだ。

 安倍政権が直ちに大型補正予算を組み、金融緩和への強いコミットメントを示すことで、少なくとも2013年初頭の株価や為替は安倍政権に好意的に反応しそうだ。しかし、安倍首相が掲げるインタゲ政策が、どの程度景気回復に功を奏するかはわからない。大いに期待する声がある一方で、安倍政権の経済政策に規制緩和や痛みの伴う構造改革などが見当たらないところから、財政出動と金融を柱とするアベノミクスだけでは実体経済面での効果を疑問視する向きもある。

 束の間の好況感に支えられた高支持率のまま7月の参院選に突入し、参議院でも自公で過半数を押さえた暁に出てくるものはどんな理念や政策なのか。

 小幡氏は安倍首相には運も味方していると言う。実は世界的に景気は回復してきており、日本だけが乗り遅れていた状態にあった。安倍首相の一連の発言がレバレッジ(てこ)になった面はあるが、実際のところ最近の株価の上昇傾向や円安の流れは、アベノミックスと根本的にはあまり関係ないのだという。

 2013年、われわれが目先の株価や為替レートなどに踊らされずにしっかりとウォッチしていかなければならないことが2つある。一つ目は、束の間の好況感の背後で実体経済がどうなっているのか、特に小幡氏が指摘する「雇用」が回復しているかどうかだ。そしてもう一つは、夏の参院選後に出てくるであろう憲法改正や集団的自衛権問題、自衛隊の国防軍化、教育改革といった安倍政権が目指す真のレジュームチェンジの中身がどのようなものになるのかを見極めることだ。

 政策変更自体は決して悪いことではない。なかなか物事が動かなかった日本にあって、大胆な政策変更は歓迎すべき面もある。しかし、その大前提はあえて重要な政策を変更することの目的とその対価をわれわれ一人ひとりがきちんと理解することだ。レジュームチェンジの真の目的は何なのか。それはわれわれを本当に今よりも幸せにするのか。そこに愛はあるのか。今年はそんなことを考えていきたい。

 経済学者の小幡績氏、哲学者の萱野稔人氏とともに、2013年の日本の針路を、神保哲生と宮台真司が議論した。
 
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NHK 朝の連ドラがおもしろい。



ドラマは、ほとんど観ない僕ですが「純と愛」は、ちょっと真面目に観てます(時々忘れますが)。




大学の心理学教室が盛況だと聞いて久しい。僕らは概して狭い範囲でしか生きていない。その割には、さまざまなコミュニケーションをとらなければならないシチュエーションが多い。当然のことながら、本当に相手の意図を理解出来ているのかどうか、逆に自分の伝えたいことは正確に伝わっているのか、常に不安が付きまとう。「人の心が読めたらどんなにか良いだろうか。。」と願うのは、これだけ社会が複雑になると自然な欲求だと思う。



このドラマ、普通の社会に適応できない青年(愛=いとしと読む)が、その裏を取るように他人の心を読めてしまうという設定になっている。まぁ、ちょっと昔なら”過敏な子”くらいに済まされた程度だろうが、今の社会はその様な子を寛容に包摂するキャパが社会にない。それ故、適応障害となり(そう処理され)防御本能から引きこもる。でも、そういった”過敏な神経”を借りて、主人公(純)が理想とする”夢”を掴むという流れになっていく(はず?)。
おもしろいのは、そんな風に人の心が読めても人生思うように行かないこと。つまり人の心が読めるということと、充足して幸せに過ごすということとは次元が違う。もっと言うと、充足と幸せも次元が違う。良い人生を送るということは、人それぞれだから、人の数だけ違った”価値”があるということになる。つまり、良しとする生き方も人の数だけあるということ。



それを象徴するように、主人公  純 の伴侶である愛(いとし)は、理想的な?主夫をこなしている。
恐らく作者は、男と女のジェンダーの転倒を、主役それぞれの名を一般社会の慣例に沿わず、女性に”男性名”、そして、男性に”女性名”を、それぞれ振り分けることによって”特異さ”を肯定するメタファーとして「名前」を使っているのだろう。そして、このねじれは、今の社会では、あまり違和感なく伝わってくる。



政権交代後、TVに登場する経済の専門家は、例外なく若者の給料を上げることと並んで女性の雇用を増やすことが景気を良くすることの条件だと口にする。これは、マクロ経済学派もミクロ経済学派も口を揃えてそう唱えている。そして、僕は経済の専門家ではないけれども正しいと思う。そういえば、もう何年も前から藻谷浩介さんはそう言ってました(暮れの「朝までTV」では、竹中さんや、息を吹き返したお馬鹿な片山さつきや、勝間さんに、コテンパに突っ込まれて孤立無援・孤軍奮闘でした;; 
がんばれ~!)
なにが言いたいのかというと、世の中すでに大黒柱として男が家族を支える・・・・というシナリオは、とっくの昔に陳腐化していて、欧米のように一人で生活すると家賃等(一般管理費)が一人分掛るが、二人で生活すれば、ざっくり半分ずつで済むので結婚する・・・・となんとも合理的で自然な結婚観へ移行する時期が来ていることに、社会全体が気付こうとしないことが問題なのだ。


わが国日本の若い男子は、結婚したら家族を養う力がないから一生結婚しない/出来ないと考えていて、そういった男子が1/3を超えたという。二十代に限って言えば70%が結婚を諦めていると宮代真司が言っていたが、本当だろうか。。男女のジェンダーを一掃しないと結婚することはますます難しくなり少子化は止まらない。
 夫が失業しているときは、一時妻が支える、そして、妻が失業しているときは一時夫が支える・・・ということを”あり”としない国だから結婚できない。


たぶんとっくに、今の若者は、そういった負の事情に気付いていると思う。ただ、そういった結婚の有り様を、よしとする物語が描けないでいることが問題なわけだ。



僕の最も信頼するニュースメディアは、インターネットラジオの「videonews.com」ですが、今年最初のテーマが『大きな話=課題』・・・・・『愛』。ゲストの慶大大学院准教授の経済学者小幡氏がそう言っているところがミソだ。そして、漠然とですが、僕の今年の年賀状は ♥ + love =愛 だったように、まったく「videonews.com」と被りニンマリです♪
世の中、景気景気とクリスマス前のガキじゃあるまいし、顔を合せれば「ケイキ」を口にする。もういい加減に景気が良くなっても幸せになんかになりっこないことに気付くべきだ。勿論、お金が大切なのは当たり前。だからといって全てを賭して「金」を優先するのは本末転倒。



逆説的ですが、お金を得るためにも、景気が良くなるためにも、先ずその基盤は「愛」ということでしょうか。

慶大の小幡さんは、いきなり愛に行くのは難しいので、先ずは「お金」から「もの」へ移ってみることを薦めています。具体的には、介護支援としてお金を配るのではなく、例えば老人施設を安く提供するとか、子供に関しては、教員を増やすとか。それが先々「愛」へ繋がると仰っていますが、なかなか穿ったご指摘です。
はーと大椀.............φ28cm 程もある大椀でした。35・6万したと思いますが、あっさり売れたそんなバブリーな時代でした。 ♥ 部は鉛の板で、KOTOBUKI と打刻があります↓。
昨日、自民党新政権が発表した新しい経済政策ですが、これが悔しいことになかなか良いのであります。どうも物心ついてから、ずっと自民党政権だったので、生理的に自民党を受け付けない自分がいるのであります。でも、もし新しい政策を本当に実施したなら、これはもう奇跡というか、今より良い社会になること間違いなしです。実現できたらば・・・ということですが。。



自民、公明両党の税制調査会は、13年度税制改正で所得税の最高税率(現行40%)を45%に引き上げる方向で調整に入った。また、生前贈与で、祖父母が孫などに数年後の教育資金としてまとまったお金を渡す場合、現在の税制では贈与税がかかるが、この教育資金に対する贈与税の非課税制度を、新たに期限・金額上限付きで設けることを検討している模様だ。これは先進諸国では既に実施されているところも多いが、日本で実施されるとなると経済効果は大きい(これ、年末の「朝まで生TV」で藻谷さんが提案してました)



というのも、お金を貯め込んでいるのが高齢者で、この層がお金を使わないのが、日本経済が停滞している主な原因で、また、一番消費意欲が高くお金を使う世代が若者層なのですが所得が低いので消費がしたくても出来ないでいます。そこで、お金が高齢者から若者へ移譲すれば、経済効果は抜群なのだ。自民党が、伊達に長期政権を担ってきた訳じゃないのが分る。

 でも、この案は、資産家や高額所得者には良い政策になるが、そういった条件にない例えば母子家庭や、資産のない家族にとっては恩恵に浴することはないのでフェアーではないという課題も残る。でも、安倍さんはやるだろうな。。
今年で、このサイト(http://urushi-art.net)も14年目に入りました(間違えました、15年目でした;;)。長いような短いような・・・振り返ると、このページももう少し軽く、短かった様な・・・・・・。一般的になった blog のような軽みが当初ありましたが、ここに来てちょっと真面目すぎるような傾向があります。というのも、せっかく観て頂くならあまり内容のない、差し障りのないものでは申し訳ないような気がするのです(根が真面目なのもので;;)。でも今年は、読者の方に負担が掛らないように、もう少し短めに纏めてみようと考えています。



そう、「愛」でした。今年最初の videonews.com で話題になったのですが、経済学者の小幡さんは、キャンディーズには愛があったが、AKB48 には、愛を感じられないということを口火に、宮代真司がなかなか奮ったアイドル論を展開し出しました。

それは、キャンディーズ、おにゃん娘、そしてパフュームには明らかに愛があったが、AKB48 には、まったく愛を感じないという。その中身はというと・・・・キャンディーズは、愛の難しさを意識してなくて、愛は可能だと多くの人は思っていた、そしてパフュームは、ちょっとニュアンスが違ってきて、非常に微妙で、今ほど愛は不可能だと思ってはいないけれども愛は難しいと思っている。AKB48に関しては、愛はあり得ないだろうと思っている(構造的に愛の欠損の埋め合わせでしかない)・・・ということ。さすがサブカルの研究者、お見事な分析です。

お正月の凧揚げ......荒川の堤(今年のお正月、僕の卒業した川口市立原町小学まで出掛けてみました)
と言うことで、愛で始まる今年はなかなかいい出だしです。  
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